2009年07月30日

普通株とは?種類株式とは?

ほんの十数年前までは、
株式と言えば

「額面株式」と
「無額面株式」が
あるぐらいで、
その株式に
どんな違いがあるかと言えば、
株券に券面額があるかないか
の違いで、

株式に内在する権利、
@配当金をもらう権利
(配当受領権)、

A株主総会に参加する権利
(議決権)、

B会社が解散・清算した場合に
残った財産をもらう権利
(残余財産分配請求権)

などには
違いはありませんでした。
あえて、
株式の権利に違いがある株式が
存在していたと言えば、
それは、「譲渡制限株式」
くらいです。
しかし、その株式も
譲渡の制限があるだけで、
上記3つの権利は、
欠けることなく持っていました。
したがって、
「普通株」という名の株式は
存在しませんでした。


(1)普通株の存在

しかし、その後、
旧商法時代においても
権利の内容を異にする株式、
優先株
(配当を優先的にもらう権利のある株式)、
劣後株
(配当より経営権を優先する株式)、
議決権制限株、
拒否権付株
(黄金株、全議案に拒否権)
などの発行が容認され、
会社法になってからは、
さらに多様な権利の内容の異なる株式、
いわゆる種類株式の発行が
定款変更によっていつでも
可能になりました。
そこで、
普通株の存在は、
上記3つの権利を
何ら制約なく行使できる株式を
「普通株」と呼び、
それ以外の株式との違いを
明らにすることにあったようです。
株式市場で売買されている株、
そして、未上場の中小企業の株の
殆どがこの「普通株」です。


(2)種類株式発行の目的

上場会社にあっては、
種類株式発行の目的は
ファイナンス(資金調達)
です。

一方、
中小企業にとっては、
オーナー社長の相続対策、
あるいは、
後継者の経営権確保を
目的に発行されます。
しかし、
議決権制限株、拒否権付株といった
種類株を発行しなければ
経営権がスムーズに移譲できないこと
の方が問題かもしれません。


(3)種類株式の相続・贈与の評価

一定の種類株式については、
5%相当額の評価減があります。
しかし、
減額したその5%相当額は、
それ以外の株式(普通株を含む)
の評価額に加算して評価しますので、
株式全体の評価額は
変わりません。
なお、
拒否権付株式(黄金株)は、
普通株式とその評価に差異はありません。

※ 参考(国税庁HP等)

配当優先の無議決権株式の評価(PDF)

社債類似株式の評価(PDF)

拒否権付株式の評価(PDF)

無議決権株式の評価
の取扱いに係る選択届出書



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2009年7月30日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 17:21| Comment(3) | TrackBack(1) | 企業法務

2009年07月29日

厚生年金加入期間が足りない場合

昔務めていたころ、
厚生年金に加入したものの、
年金の受給資格を得るには
加入期間が短く、
また
国民年金にも
未加入や未納であった等という方は、
65歳になっても
年金の受給権が発生しない事が
あります。

受給資格を得る方法は
ないのでしょうか?


■高齢任意加入被保険者となる

厚生年金保険の
適用事業所に勤めている人は、
原則として
70歳に達した日に
被保険者の資格を失います。
但し
70歳に達しても
老齢給付の受給期間を
満たしていない人は、
受給資格を満たすまで、
任意加入する事ができます。

高齢任意加入は
社会保険事務所に
資格取得の届出が受理された日に
取得となり、
老齢基礎年金等の
受給権ができるまで、
任意加入を続けることができます。
ただし、
保険料を滞納し、
督促状に指定された日までに
納入しない時は資格を失います。

保険料は
事業主負担分を事業所が負担し、
給与から徴収するか、
本人が本人分と合わせて
全額負担するかを話し合いで決め、
任意加入時に選択して申込みます。
本人が全額負担する時は
本人宛に請求書が届きます。

脱退手当金を受ける。
ただし手続き前に要確認

厚生年金の加入期間が短く、
国民年金にも
未加入や未納が長く、
年金受給資格がない方は、
昔勤めていた時の
厚生年金加入期間の分を
部分的に一時金で受け取る事も
出来ます。

支給要件は

@昭和16年4月1日以前に生まれ
A被保険者期間が5年以上
B被保険者資格を喪失していること
C厚生年金保険の受給資格がないこと

です。

支給額は
被保険者期間中の
標準報酬月額の平均額に
被保険者期間に応じて決められた
支給率を掛けた額が支給されます。

注意する事は
脱退手当金を受けると原則として、
その計算のもとになった期間は
被保険者でなくなったものと
されます。
ですから、
受給後に過去の他の
厚生年金保険の加入期間が
思い出され、
合算したらもらえたのに等
という事のないよう
よく確認することが大事です。


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2009年7月29日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 13:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 労務・労働

2009年07月28日

税務調査〜質問検査権と受忍義務

一般の税務調査は
任意調査と聞いておりますが、
任意調査なのに
何故受けなければ
いけないのでしょうか?


■質問検査権と受忍義務

税務署には
「質問検査権」があります。
それは各税法に
「必要があるときは・・・
質問し・・・検査することができる」
と明記されているからです。

しかも納税者が、
税務署員の質問に対して
答弁しなかったり、
税務署員の帳簿検査について
帳簿を見せない等の
拒否や妨害をした時は、
「1年以下の懲役又は
20万円以下の罰金に処する。」
という罰則が
規定されています。

刑事犯においてすら、
自らの不利になることについての
証言拒否など被疑者の不答弁が
認められていますが、
税務調査については
調査受忍義務が課せられています。


■「必要があるとき」とは何時?

ここで問題となるのは、
「必要があるとき」
です。
「必要があるかないかは
税務署が判断する」では
納税者は何時でも何処でも
一方的に調査を受忍するしか
ありません。   

ですから
本来税務署は
調査が必要な客観的理由を開示し、
調査依頼をおこなわなければ
なりません。

なお最高裁の判例でも
「具体的事情にかんがみ、
客観的な必要性があると判断される場合」に
質問検査権が許される、
としております。


■実際の調査では

よく言われる、
調査理由としては、
「暫く調査に伺っていないので」
といった理由です。
これは通常の更正処分の期間が5年
という理由によっております。

税務当局としては、
「申告が正しいかどうかを確認する為に
調査をするのであって、調査以前に、
申告の何処に誤りや疑問があるといった
具体的な調査理由の開示は不要である。」
という見解をとっております。

その意味では
「調査の必要があるかないかは
税務署が判断する」状況に
なっております。

※ 質問検査権を巡る諸問題(国税庁HP)


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2009年7月28日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 13:18| Comment(3) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理

2009年07月27日

個人所有の建物を売却した場合の消費税の取扱い

会社などの
法人が所有していた建物を
売却した場合は、
すべて
消費税の課税対象
となりますが、

個人の場合はどうでしょうか?

個人の場合、
売却建物の用途によっては
消費税の課税対象に
ならないケースがあります。

なお、
法人は前々期、
個人は前々年
の課税売上高が1千万円以下の場合は
消費税の納税義務が免除されています。


■個人が居住用の建物を売却した場合

消費税において
課税対象となるのは、

国内において
事業者が事業として
対価を得て行う
資産の譲渡等

されますので、

事業者でない個人が、
事業とは関係ない
居住用建物を売却した場合は、
消費税の課税対象とは
なりません。


■個人が別荘用の建物を売却した場合

個人が
事業とは関係ない
別荘を売却しても、
消費税の課税対象とは
なりません。


■個人が賃貸住宅用の建物を売却した場合

その物件が
住宅の賃貸用である場合、
家賃収入には
消費税がかかりません。
そのため、
その物件を売却しても
非課税と思いがちですが、
そうではありません。

住宅用に貸付けていた建物は、
事業として使用していたもの
であるため
消費税の課税対象になります。


■個人が賃貸事務所・
店舗・工場用の建物を
売却した場合

これらの賃貸収入には
消費税が課税されていますので、
売却収入が
消費税の課税対象になることに
違和感がないと思います。


■まとめ

@
資産をどういう目的で売却するかは、
消費税の課税に関係ありません

個人の
生活用家財を購入するために
事業用資産である建物や
自動車などを売却しても
消費税の課税対象になります。
逆に、
事業資金を捻出するために
個人資産を売却しても
消費税の課税対象にはなりません。

A
売却資産の用途で判定する
ことになります

個人の場合は、
その建物を
事業として使用していたものだけ

課税対象となります。

税務上、この
「事業として」とは、
対価を得て行われる資産の譲渡
及び貸付け並びに役務の提供が
反復、継続、独立して行われること
をいうとされています。


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2009年7月27日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 12:41| Comment(1) | TrackBack(1) | 消費税

2009年07月24日

配当金の受取方法〜上場株式等

平成21年からの
株券電子化に伴い、
上場株式等(ETF,REITを含む)の
配当金の受取方法の選択肢が
広がりました。

従来は、
発行会社から郵送された
「配当金領収証」と引き換えに、
ゆうちょ銀行等で
配当金を受取るか
(配当金領収書方式)、

銘柄ごとに
銀行等預金口座を指定して
配当金を受取るか
(個別銘柄指定方式)

のいずれしか
ありませんでしたが、

新たに
「登録配当金受領口座方式」と
「株式数比例配分方式」の
2つの方法が選択
できるようになりました。


(1)登録配当金受領口座方式とは

この方式は、
ほふり(証券保管振替機構の略)に
配当金の振込み先の
銀行等預金口座を登録、
そして、
自分が保有している
全ての株式の配当金を
その登録した口座で
受取る方法です。

但し、
ゆうちょ銀行の口座は
指定できまません。
また、
一部の銘柄だけ、
別の銀行等預金口座に
指定することはできません。

具体的には、
N証券会社に
甲会社の株式を1,000株、
M証券会社に
乙会社の株式2,000株
を預け、
甲銘柄に1万円、
乙銘柄に2万円
の配当があった場合、
指定の銀行等預金口座に
3万円(源泉税徴収後の金額)
が振り込まれます。

この方式のメリットとしては、
配当金受領の
一元管理が可能となります。


(2)株式数比例配分方式とは

この方式は、
配当金を
証券会社の口座で
受取ることができる方法です。

複数の証券会社に
残高がある場合は、
各証券会社の残高(株式数)
に応じて、
それぞれの証券口座に
配当金が入金されます。

具体的には、
甲会社の株式を
N証券会社に3,000株、
M証券会社に2,000株
を預け、
源泉税徴収後の配当金が
合計5万円の場合、
N証券会社の口座に3万円、
M証券会社の口座に2万円
が振り込まれます。

この方式のメリットとしては、

@
株式と配当を一元管理することができ、
さらに、
A
証券口座が源泉徴収ありの
特定口座なら、
平成22年以降の取引は
口座内で
配当金と株式の譲渡損が
自動的に損益通算される利点
があります。

いずれの方式でも、
複数の証券会社と
取引している場合は、
どこか一社で手続きをすませれば、
他の口座で保有している分の配当金も
自動的に新しい方式で
受取ることができます。

※ 参考

1.譲渡損と配当の損益通算

平成21年分以後の所得税から、
その年分の
上場株式等の譲渡損失の金額
又は
その年の前年以前3年内の
各年に生じた
上場株式等の譲渡損失の金額

上場株式等の配当所得の金額
との損益通算が認められます。

2.特定口座(源泉徴収あり)内の損益通算

平成22年分の所得税からは、
源泉徴収ありの特定口座
において
上場株式等の配当

上場株式等の譲渡損失
との損益通算が可能となり、
また、
配当に対する源泉徴収税額
を計算する場合においては、
上場株式等の譲渡損失との
損益通算後の金額に対して
源泉徴収税率(特別徴収税率)
を乗じて
徴収すべき所得税額を
計算します。


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2009年7月24日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年07月23日

通勤費をめぐる係争

■給与明細項目として通勤手当がない

通勤手当が
給与明細項目として
設定されていないけれども、
それを前提として
給与の総額が定まっている場合、
給与収入のうち
月々の定期券代相当分については
給与収入から外して、
通勤費補てん額として費用としての
通勤定期券代の相殺項目に振り替えて、
所得税の確定申告をすることは
認められるでしょうか。


■氾濫的に係争がおきている

派遣労働者の多くが、
収入項目に通勤手当のない
給与明細を受け取っており、
所得計算において
通勤費をどう扱うかが
社会問題となっています。

非課税扱い申告をして、
否認され、係争になっている事例が
報道されるようになってきました。


■形式論理の課税庁

課税庁は
修正申告を勧奨しているようですが、
納得しない申告者が
沢山出現しているようで、
国税不服審判所での
非公表審判事例が増えていそうです。

当局の主張は、
通勤手当が
通常の給与と区分して支給されていないので、
非課税に該当する所得はない、
とつれない内容です。

■審判所の苦悩

審判所は、当局の論理を是としつつ、
通勤手当が分別支給されていない
という理由だけで課税対象にするのは不当
という納税者の主張は、
法令自体の当否を訴えていることであり、
そういうことは
審判所の権限を超えている、
と裁判への誘導を促しています。


■法律をよく読むと

通常
給与と分別されている
通勤手当の非課税の法律規定には、
「(これに類するものを含む)」との注書き
があります。

公務員や正社員が優遇され、
非正規労働者が
冷酷なあしらいを受けることのないように
と配慮するとしたら、
この注書きを幅広く解釈することは
可能なはずです。


■通勤費訴訟のうごめき

通勤費訴訟が
サラリーマンの底辺を構成する
多数の派遣労働者により、
サラリーマン内部の矛盾の告発として、
起こされつつあります。
制度の矛盾と
日本社会の大企業正社員主義が
危機に瀕していることを
表象しています。
また、大岡裁きは可能でも、
雇用主側の通勤費負担の
制限強化等の社会反動になる
可能性もあります。
当局も予測しかねて
いるのかもしれません。

※ 参考(所得税法)

第9条(非課税所得)

次に掲げる所得については、
所得税を課さない。

◆5 給与所得を有する者
で通勤するもの
(以下この号において「通勤者」という。)
がその通勤に必要な交通機関の利用
又は交通用具の使用のため
に支出する費用に充てるものとして
通常の給与に加算して受ける通勤手当
(これに類するものを含む。)のうち、
一般の通勤者につき
通常必要であると認められる部分として
政令で定めるもの

※ 国税不服審判所 
平20.6.19、裁決事例集No.75



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2009年7月23日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年07月22日

国民年金の受給

■国民年金の受給額を増やすには?

国民年金の被保険者は
自営業者、個人経営者、
フリーター等の方、主婦等
の被扶養配偶者が対象者
となります。
老齢基礎年金を受給するのには、
原則として
25年以上の加入期間が必要ですが、
さらに
老齢基礎年金受給額を
満額受給するには、
40年間の保険料納付済期間が
必要です。

満額受給には
加入期間が足りないとか、
さらに上乗せして
年金額を少しでも増やしたい
という時には
次のような方法もあります。


■任意加入して増額する

満60歳になって、
65歳から満額受給するためには、
納付月数が足りない場合、
65歳になるまでの間
任意加入をして
老齢基礎年金を増額する方法
があります。
任意加入をした場合
1年でどの位増えるでしょう。

792,100円(平成21年度)×
12カ月÷480月≒19,802円

となり、
1年で約2万円弱が増額されます。


■付加保険料で増額をする

任意加入にプラスして、
付加保険料(400円/月)
を支払うという方法
もあります。
これは、
あくまでも付加ですから
定額保険料を納付している期間
に対して上積みで納める事ができ、
60歳未満の加入者でも
申込めば納める事ができます。
付加年金額は、

200円×付加保険料納付月数
となります。


■繰下げ支給で増額する

老齢基礎年金は
満65歳から受給できますが、
繰下げて受給すると
年金額が増額されます。
S16年4月2日以降生まれの方
の場合、
繰下げ受給額は
1カ月繰下げる毎に0.7%増額
します。

100%+0.7×繰下げた月数

何歳からもらうのが得なのかを
誰しも考える事と思いますが、
上記生年月日以降の方は、
公平感を出すための給付設計
とされたので、

どの年齢からもらい始めても
77歳〜80歳位での受給累計額
はほぼ同額となります。

自分のお金の価値観や
長寿家系か否か、
健康状態などを考えて決める
しかないのでしょうか。


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2009年7月22日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 労務・労働

2009年07月17日

通勤費非課税規定

■通勤費非課税規定

所得税法では
通常の給与に加算して受ける
通勤手当を
非課税としています。

実際、
給与を得るのに
従業員が何か
仕事に不可欠な物・道具・その他の代金を
負担するということは
あまりありません。


■例外は皆無

ただし、
通勤費が10万円超のケースでは
その超過分は
給与所得だとの規定が
あります。
しかし、
平均通勤費は1.6万円で、
通勤費3.5万円以下で98%超、
4.5万円以下で99.9%を
占めており、
通勤費10万円超該当者は
ほとんどいません。

10万円規定は
ズルく利用されることへの
予防線にすぎません。
通勤費完全非課税という
実態認識を変える必要は
ないと思われます。


■社会保険は不合理

ところが、
社会保険や
雇用保険や労災保険では
通勤費について、
必要経費の補てん金ではなく、
給与収入の一部という扱い
にしています。
それで保険料負担の対象に
なっています。

年金・健保・雇保からの
給付金を受けるようなときは
通勤することがなくなっているとき
なのですから、
給付額の中に
通勤費に相当する部分が
入っている必要はないはずです。
明らかな構造設計的論理矛盾です。
それに、
能力が低いので
給与も低い従業員だったとしても、
遠距離通勤だったことにより、
社会保険料の本人負担分、
事業主負担分が増えて、
その従業員の
将来受給年金や
雇用保険などの給付が多くなる
というのも
納得し難いところです。


■格差社会での派遣労働者は自己負担

税の規定は
所得の実質主義に基づいている
かのようではありますが、
税の規定も形式主義で、
通勤費名目でないものは
非課税にならないようです。

派遣労働者の多くは
通勤費補助がない人です。
しかし、
彼らも通勤費を負担して通勤しており、
その費用は
受け取る給与によって
償っています。

同じ通勤費について、
公務員や正社員は非課税、
非正規労働者は考慮なしでは
社会的差別の上塗りです。

通勤費非課税の規定の
不平等取扱いを早急に改めるのは
時代の要請です。
それとともに、
社会保険の不合理性も
税との取扱いの一元化の方向で
改められるべきです。


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2009年7月17日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:01| Comment(0) | TrackBack(3) | 法人税・会社経理

2009年07月14日

財産分与とは、相続とは

■財産分与とは

財産分与とは
離婚の時に
夫婦の協力で築いてきた財産を
2人で分け合うことです。

ご主人名義の財産であれ、
もともと
2人で築いてきた財産である
と言う考えに基づいて
分けるだけですから、
基本的に税金は
かかりません。


■相続とは

離婚しないで
ご主人がお亡くなりになった場合は
ご主人名義の財産は、
奥様が
ご主人の財産を相続したとして
相続税の対象となります。
この場合にも、
もともと2人で築いてきた財産である
と言う考えに基づいて
財産の半分までは
奥様に税金を掛けない
こととしています。

しかし
財産に換金性があれば良いのですが
換金性のない非上場株式などですと
税金の支払は現金ですから
大変な苦労となる可能性があります。

※ 参考

民法

(財産分与)

第768条

協議上の離婚をした者の一方は、
相手方に対して
財産の分与を請求することができる。

前項の規定による財産の分与について、
当事者間に協議が調わないとき、
又は協議をすることができないときは、
当事者は、
家庭裁判所に対して
協議に代わる処分を
請求することができる。
ただし、
離婚の時から2年を経過したときは、
この限りでない。

前項の場合には、
家庭裁判所は、
当事者双方が
その協力によって得た財産の額
その他一切の事情を考慮して、
分与をさせるべきかどうか
並びに分与の額及び方法を定める。

(配偶者の相続権)

第890条

被相続人の配偶者は、
常に相続人となる。
この場合において、
第887条又は前条の規定により
相続人となるべき者があるときは、
その者と同順位とする。


相続税法

(配偶者に対する相続税額の軽減)

第19条の2

被相続人の配偶者が
当該被相続人からの相続
又は遺贈により財産を取得した場合には、
当該配偶者については、
第1号に掲げる金額から
第2号に掲げる金額を控除した残額
があるときは、
当該残額をもって
その納付すべき相続税額とし、
第1号に掲げる金額が
第2号に掲げる金額以下であるときは、
その納付すべき相続税額は、
ないものとする。


当該配偶者につき
第15条から第17条まで
及び前条の規定により算出した金額


当該相続又は遺贈により
財産を取得したすべての者
に係る相続税の総額に、
次に掲げる金額のうち
いずれか少ない金額が
当該相続又は遺贈により
財産を取得したすべての者に係る
相続税の課税価格の合計額
のうちに占める割合を
乗じて算出した金額


当該相続又は遺贈により
財産を取得したすべての者に係る
相続税の課税価格の合計額に
民法第900条 (法定相続分)
の規定による当該配偶者の相続分
(相続の放棄があつた場合には、
その放棄がなかつたものとした場合
における相続分)を乗じて得た金額
(当該被相続人の相続人
(相続の放棄があつた場合には、
その放棄がなかつたものとした場合に
おける相続人)が当該配偶者のみである場合
には、当該合計額)に相当する金額
(当該金額が1億6000万円に
満たない場合には、1億6000万円)


当該相続又は遺贈により財産を取得した
配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額

以下省略



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2009年7月14日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続税・贈与税

2009年07月13日

通勤費の事業主負担

■居住、移転の基本的人権

国民の
憲法上の権利の一つとして
居住地選択の自由
があります。
そして、
自由に選んだ住居からの
通勤費については、
スジからいえば
自己負担すべきものですが、
通常は雇い主が
全額負担しています。
素直に考えると変なことです。

別に、
雇い主に
通勤費負担の法的義務が
あるわけではありません。
とはいえ、
雇い主の通勤費負担は
雇用に伴う単なる任意の給付
というよりも、
強制的社会慣行とでも言うべきもの
となっています。

だからでしょうか、
従業員からは、
負担してもらった通勤費について、
当然のこととして
何の感謝もされません。

従業員自身が引っ越しをしたり、
工場移転をしたり、
ということで
従業員が遠距離通勤者に
変わってしまった場合に、
解雇にもできないし、
通勤費の増える分を
負担しないということにも
なかなかできません。
雇い主にとっては辛いところです。


■通勤費の本来性格

労務の提供をするために
事業場に赴くことが
通勤であり、
通勤そのものは
労務の提供ではありません。
労務の提供を
できるようにするための
条件整備行為に過ぎないからです。

その通勤に
費用がかかる場合において、
その費用を
雇い主から補填されているのですから、
雇い主の通勤費負担分の性格は、
給与所得の
必要経費を補填するもの、
すなわち
給与所得計算上の
労務の対価としての収入ではなく、
給与所得計算上の
必要経費のマイナス項目
とするべきものです。


■非課税という奨励規定

実際
日本では
給与を得るのに
従業員が何か仕事に不可欠な
物・道具・その他の代金を負担する
ということはあまりありません。

所得税法では
通勤手当や
仕事における無償貸与物の給付を
非課税としています。
非課税としているのは、
雇い主の
従業員通勤費等の負担によって、
労務の対価以上に
従業員の手元に残る金銭が
増えることはないからでしょうが、
さらに、
非課税とすることにより、
働くための条件整備費用は、
従業員自身ではなく
雇用主負担とすることがよい、
との考えを奨励している
ともいえます。


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2009年7月13日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理

財産分与と税金

■財産分与とは

財産分与とは
離婚の時に
夫婦の協力で築いてきた財産を
2人で分け合うこと
です。

ご主人名義の財産であれ、
もともと
2人で築いてきた財産である
と言う考えに基づいて
分けるだけですから、
基本的に税金はかかりません。


■不動産の財産分与は

しかし
財産と言っても、
日本の場合
多くは不動産です。

しかも
不動産の財産分与は
換金して分けるのではなく、
名義を変更して分ける事が
一般的です。

特にご自宅などは、
換金せずにどちらかが
そのまま住みつづける場合が
あります。


■ご自宅はご主人名義

ご自宅を購入する場合、
奥様が子育て等で
専業主婦の時などは、
奥様に収入がありませんから、
住宅ローンが組めず、
多くの場合は
ご主人名義となります。

共稼ぎで、
奥様にも収入がある場合は、
共有名義で
住宅ローンが組めます。


■財産分与は離婚成立後

共有名義にしろ、
ご主人名義にしろ、
ご自宅を
財産分与で奥様に分与する場合には、
離婚が成立し、
赤の他人になってから
おこなってください。

譲渡所得が発生します

税務上、
財産分与自体には
税金はかかりませんが、
ご自宅などの
不動産を分与した場合は、

一度不動産を売却して
換金した後に分与した
と考えます。

ご主人に
ご自宅を売却したことによる税金
がかかってきます。


■離婚前では特別控除は使えない

ご自宅を売却した場合、
売った値段から
買った値段を引いた譲渡所得から
3000万円の特別控除が
できます。

しかしこの特別控除は
ご夫婦や親族の間での取引では
摘要できません。
ですから
離婚が成立する前に、
財産分与による
名義変更をおこなった場合には、
特別控除が使えず
思わぬ税金が
かかってくることがあります。

くれぐれもご注意ください。


財産分与により住宅を取得した場合

財産分与に伴う譲渡損失の他の土地譲渡益との通算

財産分与事例


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2009年7月10日(金)



posted by 税理士西塚智裕 at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続税・贈与税

2009年07月09日

裁判員制度と企業の対応

裁判員は何をするの?
その実務とは

国民が刑事裁判に参加する
「裁判員制度」が
5月21日からスタートしました。

対象となるのは
殺人・強盗致死傷・傷害致死等の
重大刑事事件で
審理は裁判官3名裁判員6名、
予備裁判員3名
で構成されます。

昨年末29万5千人に
候補者として通知がされましたが、
その中から
面接やくじ引きで
人員を選びます。
選ばれる確率は試算によると
1年間で5,500人に1人
だといわれます。
但、
70歳以上の方は
辞退できることとなっています。

審理は
起訴された対象事件の
「公判前手続き」で争点整理の上、
地裁で第一審のみを行い、
量刑も決定します。
評決は9人の多数決によりますが、
たとえ裁判員全員が同判定でも
裁判員のみの多数では
認められません。
拘束される日程は
3日から5日というのが
普通です。

裁判員には
守秘義務がありますが、
その事だけでなく、
心理的負担が大きい場合も
あるでしょう。
万一
心理的外傷後ストレス障害で
治療が必要となった時には
国の労災保険で費用を負担、
カウンセリングも行う
としていますが、
刑事裁判に無縁であった一般国民が
このような経験で
ストレスを感じない
ということのほうが無理とも思えます。
心のケアの問題は課題となるでしょう。


裁判員社員に対する企業の対応

大手企業では
裁判に参加する社員に
特別休暇を設けたところが
多いのですが、
中小企業ではまだ多くが
対策はしていないという
調査結果が出ています。
裁判参加日で
休業した日の有給・無給は任意ですが、
本人には1万円以下の日当が
国から支給される事と
なっています。
裁判員を務める事は
労働基準法第7条に定める
「公民権の行使」にあたり、
休暇を申請されれば
認めざるを得ません。
単に仕事が忙しいという理由では
辞退が認められない以上、
休んだから勤務評価を下げる事等は
裁判員法に触れることもあり、
難しいでしょう。

昨今の経済情勢を考えると
中小企業や自営業者には
負担が増える事にはなるのでしょうが
一生に一度あたるかどうか
と思うと
長い目で考えていく事が
必要なようです。


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2009年7月9日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営・その他

2009年07月08日

クリック&モルタルで商売繁盛

ネット販売には
二つの業態があります。

ネット販売専業小売業
(ビュアプレーヤー)

実店舗を持ちながら
ネット販売する小売業態
(クリック&モルタル
・Click and mortar)
です。

つまり、
クリック&モルタルは、
店売りとネット販売の
相乗効果を狙うビジネス手法
のことで、
今アメリカでは
ネット販売の主流になっており、
例えば、
大手小売業のウオルマート
・JCペニー
・ノードストロームなどが
この販売手法を取り入れています。

このような商売の方法は、当然
ネット販売と言う
ITを活用した販売方法が登場し、
その技術革新を活用して、
顧客のニーズに応える
販売方法の革新を図ったところ
がポイントです。


クリック&モルタルの利点

この販売方法が持つ利点は

@
一定の知名度と信用があると
会員を集めやすい。

A
広告宣伝は
店舗の宣伝と一緒にやれるから
コストがかからない。

B
在庫や物流施設、
システムが共用できる。

と言ったところにある
ようです。


中堅・中小企業の活用

この方法は、
地域一番店の地位を得た
中小企業・中堅企業にも
応用が可能で、
役に立つ商売の方法になる
可能性があります。


経営革新の定石

経営革新の定石は、
自社の得意分野の商品やサービスを、
巧みなやり方で
有望な市場に投入することです。
そのために、
今までのやり方を
変化させなければなりません。

また、それを
社長一人が着想したとしても、
成功させるには
社員の力を活かさなくては
不可能です。
つまり、
経営革新のもう一つの定石は
社員にそのアイディアへの参加
を呼びかけ、
知恵と力を出してもらえるように、
社長が働きかけることです。

三つ目の定石は、
「新しいことはやって見なければ
わからない。」と言う事実
にありますから、
なるべくお金がかからない方法で
試して見ることが大切です。
何事も積極一貫で動くことが、
革新の始動には重要です。

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2009年7月8日(水)


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2009年07月07日

裁判員制度

裁判員制度(陪審制度)の沿革

裁判官が行ってきた刑事裁判に、
一般市民が直接参加する
裁判員制度がスタート
しました。
我が国にも戦前には
裁判員制度があった事を
知っている若い方は
少ないでしょう。
その歴史を振り返ってみます。

陪審裁判が開始されたのは昭和3年

●明治初期
岩倉具視等欧州使節団が
陪審制度を学び、
導入を今後の懸案とした
●明治43年
大逆事件
(天皇暗殺を企てたとして、
12名が死罪)を契機に
立法化への動きが始まる
●大正12年
大正デモクラシー思想の
広がりもあり陪審法成立
●昭和3年
大分で初めて陪審制による裁判実施
重大事件を対象とし、
一定額以上の納税者で
30歳以上の選ばれた男子12人の
陪審員が有罪、無罪の結論を出し、
裁判官に「答申」した。
●昭和18年
戦時色が強まり制度廃止
開始から15年間に484件、
無罪率は17%であった。
●昭和38年〜47年
返還まで沖縄で実施
●平成2年
日弁連が再びの導入を提案
●平成11年
司法制度審議会設置される
●平成16年
裁判員法成立、5年以内に施行
●平成21年5月
裁判員制度スタート


陪審制と参審制とは

欧米では古くから
陪審制度が行われていますが、
陪審制とは
事件ごとに市民から選ばれた陪審員が
有罪、無罪を決め、
裁判官は量刑や法解釈を担当する方法
で、イギリスやアメリカで
採用されています。

参審制とは
任期制で選ばれた参審員と裁判官が
ともに有罪、無罪を決め、
量刑も判断する方法で、
ドイツ、イタリア、フランス等で
採用されています。
デンマークやノルウェーは
両制度を併用しており、
我が国の場合も
両制度を折衷していると
言えるでしょう。
市民革命を経験した欧米と異なり、
我が国では国民の司法への参加は
義務でもあり、
権利でもある
という意識が根付くのには
しばらくかかるかもしれません。


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2009年7月7日(火)
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2009年07月02日

太陽光発電に関する補助金・税制

太陽光発電の状況


太陽光発電に関して
日本の技術は
世界トップクラスを誇りますし、
導入量も
2004年までは世界一でした。
しかし、
ドイツでは
電力会社が
太陽光発電でつくった電力を
2倍以上の固定価格で
買い取ることを義務づける制度を導入、
国を挙げて
強力にバックアップした結果、
05年以降、
太陽光発電の導入量で
世界首位となりました。


今年、補助金が復活した

1月からは、
家庭用太陽光発電設備に対して
国、自治体から
補助金が出ることになりました。

国は《7万円/ kW》、
自治体では
東京都の場合
《10万円/ kW、上限は、100万円》、
新宿区の場合
18万円/ kW、上限80万円》
です。

加えて経産省が
2010年度に太陽光発電による電力を
電気事業者が
1kWh当たり約50円という高値で
買い取ることを義務付ける仕組みを
検討していると発表しています。


初期費用回収シミュレーション

標準的な3kW装置を設置した
とすると、
設備費に200万円以上かかりますが、
例えば新宿区でなら
補助金で約半分補てんできます。
その上、
年間約3000kWの発電とすると
光熱費の約6割が節約となり、
5年以内に
初期費用を回収できる計算に
なります。


■税制支援も登場

税制も今年から
支援制度を創設しました。

太陽光発電装置を設置する居住用家屋
についてのリフォーム減税
で、
3種類あります。

一つ目は、
一般の住宅ローン減税で、
10年にわたり毎年ローン年末残高の1%が
所得税及び住民税から控除されます。

二つ目は、
特定の住宅ローン減税で
太陽光発電装置の設置費用部分
(300万円が限度)と
その他の改修工事費用に係る
住宅ローン年末残高(最高1千万円)
につき、
太陽光発電装置部分は2%、
その他は1%を
5年間にわたり
所得税及び住民税から控除されます。

三つ目は、
ローン不要減税で、
太陽光発電装置の設置費用を含む
省エネ改修工事費用
(300万円が限度)の10%を
所得税から控除できます。


こんなおまけも

三つの減税は選択ですが、
公的補助金は
減税の対象となる改修費用の額から
控除することになっていませんので、補
助の恩典は加重的です。


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2009年7月2日(木)


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2009年07月01日

寡婦控除

■死別、離別で寡婦に

寡婦(カフ)とは、
広辞苑で
「夫に死別した女。やもめ。未亡人。」
とあります。
一般に馴染みのない言葉
ではありますが、
後家、未亡人
というよりは受け入れやすい
と思われます。

所得税法では
死別だけでなく、
離婚してから結婚をしていない人で
扶養親族又は生計を一にする子供がいる人
なども
寡婦とされています。

寡婦に該当すると
27万円、
特定の寡婦であれば
38万円
の所得控除の適用があります。

子供がいるいないが
寡婦や特定の寡婦の適用要件
になっていますが、
寡婦控除は
寡婦に該当する本人に対するものです。
子供に対する扶養控除は、
別に適用されます。


■扶養親族が寡婦に大きく影響

寡婦要件のうち
生計を一にする子供の所得は
38万円以下ですので、
子供が所得を得るようになると
寡婦に該当しなくなります。

しかし、
子供が成人しても
所得を得るようにならない限り
その子は扶養親族のままですし、
また
親など他の親族を扶養している限り
寡婦要件は
充たしていることになります。

さらに死別であれば、
500万円という
所得制限があるものの、
生涯にわたって
寡婦要件を充たすことに
なります。


未婚では寡婦に無縁

寡婦は
配偶者との死別や離婚が前提ですので、
いわゆる未婚の母は
寡婦になりえません。

戦後の寡婦支援を
持ち出すまでもなく、
寡婦控除が、
配偶者との死別や離婚によって
その後の生活が
大きく変わってしまうこと
に対する措置であると
理解できます。
それでも
死別や離婚した人と、
非婚で子育てや老親を扶養する人
との違いについて
どれだけ説得力を持つのか
疑問です。

寡婦控除(国税庁HP)


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2009年7月1日(水)


posted by 税理士西塚智裕 at 11:03| Comment(18) | TrackBack(0) | 所得税
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