2011年04月05日

休業手当〜災害時

■徐々に広がる地震の影響 労務管理面から

東北関東大震災で
大きな被害を受けた被災地の方々には
心からお見舞いを申し上げたいと
思います。
又、直接の被害を受けなかった地域でも
北日本では、
食材他、物資の不足が生活上影響を及ぼし、
特に燃料不足が深刻です。
このままこの状況が続けば
周辺の企業でも
休業せざるを得ない場合も
あるでしょう。
さらに離れた地域でも
停電等で会社が営業できなかったり、
交通の混乱で出退勤できなかったり、
営業車両の運転に
支障が出たりしています。
このような時に
会社が休業を指示した場合の賃金の扱いは
どうなるのでしょうか。


■被災や計画停電による休業中の手当は

労働基準法第26条の休業手当は、
使用者の責に帰すべき事由で休業させる時、
100分の60以上の手当を
労働者に支払う事となっています。
今回のような災害に起因する休業でも、
企業は
休業手当の支払いをするべきでしょうか?
これについては、
震災は事業主の責任ではないので
補償はしなくてもよいという事に
なるでしょう。
又、
被災地から離れた場所でも
電力供給によって計画停電という措置が
採られました。
これにより、店舗等で
停電のため時間帯によっては
閉店せざるを得ない時や、
停電その他の影響で物資不足になり
工場が休業する等で
労働に就けない時があります。
このような
計画停電の時間帯における事業場に
電気が供給されないことによる休業についても、
事業主の責めに帰すべき事由には
該当しません。
さらに
計画停電以外の時間帯も含めて休業した場合でも
他の手段や休業回避の努力を総合的に勘案し、
経営上著しく不適当と認められる時は
計画停電以外の時間を含めて休業手当は
該当しません。


■雇用継続のための支援

企業運営に多少支障があっても、
被災された方々の事を思えば
節電は今できる協力という事かもしれません。
とは言え、
休業が長引けば
従業員は生活に困ります。
会社が給料の前払いや、
貸付等の措置がとれれば良いのですが、
会社側も収入が滞ると、
それもままならないという事態も
考えられます。
被災された企業や
震災による影響を受けた企業に向けては、
雇用調整助成金等の
休業手当支援策が採られる事が
発表されています。

2011年4月5日(火)

〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

posted by 税理士西塚智裕 at 16:09| Comment(97) | TrackBack(0) | 労務・労働

2011年04月01日

寄附金制度

■現行の寄附金税制

東北関東大震災への義援金に係る
現行の税制としては、

@
法人の支払いの場合、
義援金全額が単純な損金になります。
したがって、
もし実質税率が30%であれば、
寄附金の30%が税負担軽減額となります。

A
個人の支払いの場合で支払先が
赤十字・共同募金会・NHK・新聞社などの場合、
所得控除の対象となり、
その人の課税所得が500万円前後だったら、
所得税と住民税とを合わせて、
寄附金の30%が税負担軽減額となります。
(正確には、国税に2000円、住民税に5000円の
足切りがあると共に、
寄附金控除の限度に
所得税では総所得金額等の40%、
住民税では30%という制限があります。)

B
個人の支払いの場合で
その支払先が福島県災害対策本部、
宮城県災害対策本部、
岩手県災害義援金募集委員会、その他の
このような個別の自治体宛の場合、
ふるさと納税扱いとなり、
国税と地方税と合わせて、
寄附金の5000円を超過する額の全額が
税負担軽減額となります。

(この扱いは、住民税額の10%が限度なので、
その人の課税所得が500万円だったら
住民税は50万円なので、
5万円までがこの扱いを受けられ、
5万円につき4.5万円(95%)が
寄附による税負担軽減額となります。
なお、Bの住民税額の10%という限度を
超える部分はAの扱いになります。)


■この差は合理的か

@とAの差は、法人と個人の差です。
法人の場合には寄附額が無制限に損金算入され、
赤字となっても繰り越しが可能です。
個人の場合には所得制限があり、
寄附への意欲にブレーキをかけています。
また、
個人所得税では
税率の累進度が高いので、
高税率の人ほど
寄附による税負担軽減効果が大きく、
高所得者の寄附インセンティブを期待する制度
となっています。

AとBの差は、寄附金の宛先の差です。
先の文中の例では、Aでは30%、Bでは95%
の税負担軽減効果という
著しい不均衡を現出しています。
寄附をしようという
善意の意思で行動しても、
その95%が実質的に戻ってしまうことには
違和感を持ってしまいます。
広く
一人ひとりの善意の行為が期待されている折、
制度差の不知が負担軽減の恩恵の差となったり、
制度差が地域への寄附配分の
不合理な結果を生むことになったりするとしたら、
残念なことです。

2011年4月1日(金)

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posted by 税理士西塚智裕 at 18:43| Comment(80) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理
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