2009年07月17日

通勤費非課税規定

■通勤費非課税規定

所得税法では
通常の給与に加算して受ける
通勤手当を
非課税としています。

実際、
給与を得るのに
従業員が何か
仕事に不可欠な物・道具・その他の代金を
負担するということは
あまりありません。


■例外は皆無

ただし、
通勤費が10万円超のケースでは
その超過分は
給与所得だとの規定が
あります。
しかし、
平均通勤費は1.6万円で、
通勤費3.5万円以下で98%超、
4.5万円以下で99.9%を
占めており、
通勤費10万円超該当者は
ほとんどいません。

10万円規定は
ズルく利用されることへの
予防線にすぎません。
通勤費完全非課税という
実態認識を変える必要は
ないと思われます。


■社会保険は不合理

ところが、
社会保険や
雇用保険や労災保険では
通勤費について、
必要経費の補てん金ではなく、
給与収入の一部という扱い
にしています。
それで保険料負担の対象に
なっています。

年金・健保・雇保からの
給付金を受けるようなときは
通勤することがなくなっているとき
なのですから、
給付額の中に
通勤費に相当する部分が
入っている必要はないはずです。
明らかな構造設計的論理矛盾です。
それに、
能力が低いので
給与も低い従業員だったとしても、
遠距離通勤だったことにより、
社会保険料の本人負担分、
事業主負担分が増えて、
その従業員の
将来受給年金や
雇用保険などの給付が多くなる
というのも
納得し難いところです。


■格差社会での派遣労働者は自己負担

税の規定は
所得の実質主義に基づいている
かのようではありますが、
税の規定も形式主義で、
通勤費名目でないものは
非課税にならないようです。

派遣労働者の多くは
通勤費補助がない人です。
しかし、
彼らも通勤費を負担して通勤しており、
その費用は
受け取る給与によって
償っています。

同じ通勤費について、
公務員や正社員は非課税、
非正規労働者は考慮なしでは
社会的差別の上塗りです。

通勤費非課税の規定の
不平等取扱いを早急に改めるのは
時代の要請です。
それとともに、
社会保険の不合理性も
税との取扱いの一元化の方向で
改められるべきです。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年7月17日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:01| Comment(0) | TrackBack(3) | 法人税・会社経理
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