2009年08月07日

「記載された金額を限度とする」の解釈

「記載された金額」

「記載された金額を限度とする」
との税法規定は、
所得税法の外国税額控除、
地方税法の利子割額控除、
法人税法の
受取配当等益金不算入、
寄附金損金不算入、
所得税額控除、外国税額控除など
にあります。

この記載金額限度の意味は、
計算ミス、転記ミス、記載漏れなど
どんな理由があったとしても、
当初の確定申告書において
書いてしまった金額が
適用される金額の上限である、
と説明されていたものです。


「された」は「すべき」の新解釈

この説明を打ち破る判決が
昨年の5月に福岡高裁で出され、
今年3月最高裁で
支持されました。

タイ語で記載された文章の意味を誤認し、
転記ミスをしたため、
外国税額控除の適用金額が
過少となり、
納付すべき法人税額が
過大となった事案です。

判決の解釈による
記載金額限度の意味は、
ミスや漏れや計算誤りなどが
なかったとしたら
記載すべきであったろう正しい金額
のことであるとしました。

さらに再び
「された」は「すべき」

そして、
この7月10日、
今度は所得税額控除について、
最高裁は
高裁の納税者敗訴の判決を覆し、
再び「された」は「すべき」
の判決を出しました。

この判決では、
前回よりもさらに踏み込んで、
利子配当に係る所得税額の
全部又は一部について
損金算入処理をする
積極的な意思が確認できない以上、
申告書に
所得税額を過少に記載してしまった
としても、
所得税額の本来の全部について
税額控除する意思であったことは
明らかである、として
納税者を支持しています。


例外的でなくなった
「された」は「すべき」

控除額の記載がないときの
税務署長による
裁量救済規定との均衡を図る意味で、
記載金額と計算明細書の間に
明らかな齟齬があり,
転記ミスや計算ミスが明白なときにのみ,
例外的に更正の請求が許される、
というのが前回までの判断でした。

今回の事例では、
例外と扱える
やむを得ない事情が認められなかった
にも拘わらず、
「記載された金額」を
「記載すべきであった金額」に
訂正することを容認
しました。

これで、
「された」は「すべき」の流れは、
ほぼ確定したと言えそうです。


更正すべき理由がない旨の処分の
 取消請求事件



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2009年8月7日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他税金
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