2009年09月09日

非上場株式の納税猶予制度と農地の納税猶予制度

平成21年度の税制改正で、
非上場株式の納税猶予制度が創設
されました。
これで、
納税猶予制度は2つになりました。

もう1つの制度は、
農地の納税猶予制度で
昭和50年に創設された歴史のある制度
です。

「株式」と「農地」では、
それぞれの猶予制度の適用を受けるための
「手続」及び「要件」は異なりますが、
「課税価額の計算」及び
「猶予税額の計算」方法は同じでは
と考える向きもあるかと思いますが、
実のところこれも異なります。


(1)みなし相続の場合の課税価額の計算

父から農地等を生前一括贈与を受け、
その贈与者である父が死亡したとき、
その受贈者(子)は
一括生前贈与を受けた農地等を
相続により取得したものとみなして、
相続税額の課税価額の計算及び相続税額を
計算します。
一方、
非上場株式の生前贈与についても
同様な計算をします。

しかし、
みなし相続財産として
課税価額の算入される価額は、
農地等の場合は
相続開始時の評価額にですが、
非上場株式の場合は、
当該株式の贈与時の評価額です。

このような差異は、
その財産の持つ性質の違いから
設けられたものと思われます。


(2)猶予税額の計算方法が異なる

農地等の納税猶予額の計算は、
農地等の通常価格が
農業投資価格を上回る部分に対する税額を、
その他の相続財産を加えた
いわゆる上積み計算したところの税率を適用して
猶予税額を算出しています。

一方、
非上場株式に係る相続税の納税猶予税額の計算は、
非上場株式のみを相続したものとして
下積み計算したところの税率を適用し、
かつ、
その20%相当額の差額による猶予税額を算出
しています。
結果、農地等の猶予税額の方が
大きく算出されます。

また、
農地等の納税猶予の特例は、
農業相続人でない者の相続税額の負担も軽減し、
加えて、
その軽減部分は農業相続人の猶予税額を構成し、
将来納税猶予が確定しても
確定納税額は、原則、農業相続人だけが
負担することになっています。

さらに、
非上場株式の納税猶予制度においては、
猶予税額確定に係る免責制度
(譲渡対価が猶予税額を下回る場合や
破産した場合の免除等)がありますが、
農地等にはありません。


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2009年9月9日(水)


posted by 税理士西塚智裕 at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続税・贈与税
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