2009年10月05日

非常勤役員の報酬

非常勤の親族役員への報酬は
幾らぐらいが妥当なのかと言う質問に
明確な回答はありませんが、
平成17年に
この金額につき国税不服審判所の
裁決が出ています。


■事案の概要

代表取締役であるAさんは、設立以来
母親を非常勤取締役としており、
月額300万円(年収3,600万円)
の報酬を計上し、
損金の額に算入していたところ、
税務署は、
取締役としての職務は
特に定まっていないことを理由として、
月額約15万円のみを
損金に算入すべきという処分を
下しました。

この月額約15万円というのは
同種の企業の非常勤役員報酬の
平均値です。

これに対しAさんは、
母親は事業の上でも
自分の良き相談役であるので
少なくとも他の従業員とおなじ
月額50万円が相当だとして
国税不服審判所に
処分の取り消しを訴えました。


■国税不服審判所の判断

この訴えに対し
国税不服審判所は税務署を支持し、
月額約15万円のみを
損金の額に算入するのが妥当である
とする判断を下しています。
「良き相談役」というのは
あくまで主観で客観性・具体性に
欠けるものであり、
何らの証拠書類もないこと
などがその理由です。


■名目役員と租税回避

推測ですがこの場合、
実態は名目役員であったと思われます。
また月額300万円の報酬は
社会通念上も逸脱した金額であり、
社長の所得を母親へ分散し、
所得税の軽減を意図した行為
であったのだと思われます。

月額15万円を多いと見るか、
少ないと見るかは考えようです。
この裁決を
「名義だけの親族役員にも、
月額15万円は認めても良い」
と解釈すると、
親族役員の場合、
儲かっていないときは只で仕事をし、
仕事が順調になったので
従業員をやとって
今は特に仕事をしていない場合や、
仕事はしていないが、
借入れの担保としての
土地を提供している場合や、
きちんと役員会には出席し、
会社の意思決定には
参加している場合などがあります。
様々なケースが想定されますから、
月額15万円以上の報酬の支払いも
充分可能です。

平17.12.19裁決、裁決事例集No.70

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2009年10月5日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理
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