2009年10月14日

給与所得と事業所得の違い

■給与収入を生む役務提供契約

役務提供契約としては
雇用・請負・委任・寄託などが
民法上の類型とされています。

この中で、まず
給与所得とされるのは、
雇用契約による対価の収入です。

そして、
企業の役員が
会社と締結する委任契約により受け取る
役員報酬も給与所得です。

同じ委任契約でも
弁護士や税理士が結ぶ
企業との顧問契約による報酬は
事業所得です。


■給与となりそうで給与でないもの

給与所得と
それ以外の所得との相違は
特定の相手に専属して
役務の提供をすることに
ありそうです。

しかし、
プロスポーツ選手、
外交員、
集金人、
ホステス等
については
一定の専属する役務提供先
から受ける報酬であったとしても
給与所得ではなく
事業所得となります。


■こんな人たちも給与所得

プロスポーツ選手
などが提供する役務には
「労務の従属性」が希薄だ
ということなのかもしれません。

そうだとすると、
議会の議員や諮問委員会などの委員
あるいは学校医などには
従属性などありえないのですが、
その受ける報酬は給与所得
とされます。
総理大臣の受ける報酬も
給与所得です。

構成メンバーとしての
従属的にではなく、
組織の活動を内部的に支えるための
役務の提供をしている会社の
役員の場合の延長で、
議員や委員の報酬の給与所得性は
考えるべきなのでしょう。

組織について管理する側から
組織の構成メンバーとして
役務の提供をするときの対価は
給与所得となるということでしょう。

それに対して、
国や自治体や所属会から受ける、
弁護士の法律相談や
税理士の税務相談の報酬は
構成メンバーとしての固有の活動ではなく、
外部委任契約なので
事業所得となります。

なお、
学校医報酬の給与所得扱いだけは
医師への特例なのか、
説明が困難です。


■雇用契約でも事業又は雑所得?

またこれらとは逆に、
雇用契約の場合でも、
テレワーカーや在宅勤務での
役務の提供ということになると、
場所的時間的拘束性からの解放とか
労働代替性の可能性とか
労働設備の自前化とかとなり、
必ずしも無条件に
給与所得者となるとは
限らないようです。

≪参考条文等≫

所得税法 第28条(給与所得)
 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。

所得税法基本通達
28−7(委員手当等)
 国又は地方公共団体の各種委員会(審議会、調査会、協議会等の名称のものを含む。)の委員に対する謝金、手当等の報酬は、原則として、給与等とする。ただし、当該委員会を設置した機関から他に支払われる給与等がなく、かつ、その委員会の委員として旅費その他の費用の弁償を受けない者に対して支給される当該謝金、手当等の報酬で、その年中の支給額が1万円以下であるものについては、課税しなくて差し支えない。この場合において、その支給額が1万円以下であるかどうかは、その所属する各種委員会ごとに判定するものとする。

183〜193共−6(非常勤の政府職員の給与等に対する税額の計算)
 一般職の職員の給与に関する法律第22条《非常勤職員の給与》に規定する常時勤務を要しない委員等に対する手当については、法第185条の規定により徴収税額を計算する。

204−2(報酬、料金等の性質を有するもの)
 法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、同項の規定が適用されることに留意する。

204−3(報酬、料金等の性質を有する経済的利益)
 法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有する経済的利益(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をいう。以下この項において同じ。)については、次によるものとする。
 (1)職業野球の選手、外交員、集金人、ホステス等のように一定の者に専属して役務を提供する者がその役務の提供先から受ける経済的利益については、給与等とされる経済的利益の取扱いに準ずる。
 (2)(1)以外の経済的利益については、令第321条(金銭以外のもので支払われる賞金の価額)の規定に準じて評価し、その評価した金額が少額なものについては、源泉徴収をしなくて差し支えない。

204−4(報酬又は料金の支払者が負担する旅費)
 法第204条第1項第1号、第2号、第4号及び第5号に掲げる報酬又は料金の支払をする者が、これらの号に掲げる報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供する者の当該役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用を負担する場合において、その費用として支出する金銭等が、当該役務を提供する者(同項第5号に規定する事業を営む個人を含む。)に対して交付されるものでなく、当該報酬又は料金の支払をする者から交通機関、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、当該金銭等については、204−2及び204−3にかかわらず、源泉徴収をしなくて差し支えない。


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2009年10月14日(水)


posted by 税理士西塚智裕 at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税
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