2009年11月06日

年金保険料の控除のあり方

所得計算の原則

税法でいう所得とは利益のことで、
収入から必要経費を差し引いた
残額のことです。

必要経費とは
収入を得るために支出した金額のこと
です。

年金収入についても
必要経費相当額を差し引いて
その所得を算出することになっています。
ただし、
公的年金収入については
支払年金保険料を必要経費にできない
ことになっています。


■事業主負担分社会保険料の税の扱い

公的年金に係る
支払年金保険料の半分は
本人ではなく
給与の負担者たる事業主が支払い、
事業主の必要経費になります。

また、
それは給与所得者の
将来の年金所得の受給原資になりますので、
給与所得収入に含めるべきものですが、
税法上はそういう扱いになっていません。
収入は無いものと扱われ、
従って年金保険料の支払いも無いものと
扱われます。
収入控除の扱いともいえます。


■社会保険料の控除の理論的なあり方

公的年金に係る
支払年金保険料の残り半分は
給与所得者本人が支払いますが、
それは給与所得者に課せられた
法的義務に基づく金銭負担なので
給与所得の必要経費になるべきもの
です。
さもなければ、
事業主負担と同じく
収入控除扱いにすべきものです。


■所得控除にすることの不整合

公的年金等に係る支払保険料は
すべて課税所得を
減額しつつ支出されているので、
年金収入の必要経費にはならないことは
理解できます。

しかし、
事業主負担分は収入控除扱いで、
本人負担分は所得控除というのでは
扱いに一貫性を欠きます。

一貫性に着目するなら
本人負担分も通勤交通費と同じく
収入控除扱いにすべきです。

必要経費性を重視するなら、
事業主負担を含めすべて
給与収入に計上し、
給与に係る必要経費にすべきです。


■問題は給与所得控除

支払年金保険料を
給与所得の必要経費と理解するならば
所得控除の現制度は
二重控除を制度化していることになります。
給与収入控除が是との立場でも、
現制度では給与所得控除額を
過大にしているということになります。

給与に係る必要経費でありながら
実質は架空経費である
給与所得控除の存在が
問題解決を困難にしています。


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2009年11月6日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税
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