2009年11月09日

留保金課税・配当流出時期のみなし規定

一定の同族会社には、
通常の法人税の他に
「特別の税金」が
課されることがあります。
これを
「特定同族会社の留保金課税」
と言います。
この留保金課税の是非はともかく、
現行法では、
資本金1億円以下の会社には
この課税の適用はありませんので、
多くの中小企業では
この規定の存在を
意識する必要はなくなりました。
しかし、
商法から会社法に変わったことにより、
留保金課税の規定が
一部改正されています。


(1)配当の流出時期

税務において、
当期の留保所得の金額を計算する際、
期中に配当として
社外に流出した金額を
いつの事業年度の所得から控除するか、
すなわち、
配当による利益積立金(利益剰余金)が
減額される時点についての
明確な規定はありませんでした。

旧商法では、
配当(中間配当は除く)は
事業年度終了後の定時株主総会で
利益処分が可決されて確定することを
明文で規定していました。

そこで、税法は、
この商法の規定に準拠し、
「確定決算において利益の処分として
流出される配当は、翌期に確定するが、
その効果は当該事業年度末にさかのぼり、
当該事業年度の社外流失」
として取り扱ってきました。


(2)会社法ではいつでも配当できる

会社法では、
定時株主総会に限らず配当
(自己株式の取得も含む)は
期中いつでも行うことができるように
なりました。

これを受けて税務では、
従来の取り扱いでは運用できなくなり、
「利益積立金(利益剰余金)を減額するのは
配当の基準日ではなく
剰余金の配当等の効力が生ずる日」
としました。


(3)配当の流出時期のみなし規定

具体的には、
従来の定時株主総会の配当決議よると
同様な留保課税の実務が踏襲できるよう、
「配当の額は、当該基準日に属する事業年度
に支払われたものとする」、
みなし規定を設けました。

このみなし規定の対象となる配当は、
配当決議の日が
その支払に係る基準日
の属する事業年度終了の日の翌日から
当該基準日の属する事業年度に係る
決算確定日までの期間内
にあるものに限るとされています。

この規定の適用を受けるためには、
株主資本等変動計算書の
配当に関する注記において
配当基準日及び効力発生日について
適切な開示を行う必要があります。


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2009年11月9日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 法人税・会社経理
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