2009年11月16日

医療費控除〜家族介護費

■療養上の世話の対価

療養上の世話を受けるため
家政婦さんなどに支払ったときは、
医療費控除の対象となります。

親族に対しての支払いは
どうでしょうか。


■国税不服審判所の裁決

平成9年5月16日の裁決では、
親族に対して
療養上の世話の対価を支払ったとしても、
家族介護費については
そもそも医療費控除の適用はないとの
税務署側主張を無視し、
支払の事実の有無のみを
問題にしていました。

現実の
支払の事実が認められれば
医療費控除の適用が
ありそうにも読める裁決でした。


■従来の解説

税の解説書では、
療養の対価として
付添え人に支払うものは
医療費控除の対象となるが、
感謝の気持ちの謝礼は
対価ではないから対象外
としています。

そして、
家族介護への謝礼は
労務の提供への対価の性質を
もつものではないから、
医療費控除の対象とならない、
としています。


■核家族社会の果てに

老後生活費も、介護も、生活扶助も
本来は
家族の助け合いを基本に置くべきこと
なのですが、
助け合うべき集団としての家族は崩壊し、
個族化が進行していると
言われています。
他人への支払いは優遇し、
家族への支払いは
無視するような行政の姿勢も、
ここまで家族制度が危機に瀕してくると、
危機を助長する役割を果たす
ことになってしまいます。


■対価として親族に支払う

従来の行政側の見解を
整理してみると、

療養上の世話への費用が
医療費控除の対象となるか否かの
ポイントは、

@
事前に労務の提供の対価としての
支払いの約束をした上で、
労務の提供がなされ、
A
現実に支払いを履行している、
という事実がある

かどうか、にあるといえそうです。


■家族に優しい税制へ

納税者サイドでも、
制度への配慮を施しながら、
行政の許容枠を拡げる姿勢があると
よいのかもしれません。
なお、
対価の受け取り側は
所得を得たことになりますから、
場合によっては所得税の申告を
しなければなりません。
というよりも、
積極的に所得申告することにより、
医療費支払事実の裏付けと
すべきでしょう。

医療費控除の対象となる医療費

家内労働者等の必要経費の特例

医療費控除に関連する過去記事


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2009年11月16日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税
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