2009年12月15日

中小企業支援税制〜民主党「政策集 INDEX 2009」

民主党の税制上の中小企業支援策としては
次の3つの政策が掲げられています。

1
事業承継の重点的支援

2
法人税の軽減税率の引き下げ

3
一人オーナー会社の
「役員給与の損金不算入」措置の廃止


■事業承継支援税制で何をする

事業承継については、
既に経営承継円滑化法が
平成20年5月9日に成立しており、
平成21年度の改正税法とあわせて、

@
民法の遺留分に関する特例、

A
円滑な承継のための金融支援制度、

B
相続税や贈与税の納税猶予制度が
整備されました。

ただし、
どれだけの利用事例が生まれるか
疑問に思うほど使い勝手の悪いものです。

事業承継時期に至っている
多くの中小企業を
重点的に支援することによって
安定的な活動を支える、との
民主党の姿勢におぼろな期待が
生まれます。


■軽減税率は黒字企業に即効性

所得金額年800万円以下の部分に対する
軽減税率については、
平成21年4月1日以後終了事業年度から
18%に引き下げられていますが、
これをさらに
11%まで引き下げようというもので、
黒字企業にとっては
今まで以上に税負担が軽減され、
ありがたい政策といえます。
ただし、
金融危機を発端とした経済の低迷により、
売上げ不足に悩む
多くの赤字企業(約70%)にとっては
その恩恵に浴することができず、
普遍性のやや薄い政策といえます。


■役員給与損金不算入の廃止は即刻

一人オーナー会社の
「役員給与の損金不算入」の廃止は
当然です。
この規定は
平成17年末に財務省が
自民党税調を丸め込んで導入させたもので、
御用団体たる法人会からさえ
公式に反対されたものです。

廃業数が創業数を上回り、
事業者数が減少しているわが国においては、
創業を奨励し、
経済の活性化を図らねばならない
状況下にあるにもかかわらず、
この規定の創設は
時代の危機感を置き去りにした、
官僚たちと自民党税調のダメさ加減を
浮き彫りにした遺物と言えましょう。


■期待するもの

自立して起業し、
リスクと直面しながら孤軍奮闘している
中小企業に意地悪な制度が多々あります。
先の役員給与の損金不算入もその一つ
でした。
支援のみならず、
そういうものを無くしてほしいものです。


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2009年12月15日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | その他税金
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