2010年02月02日

生命保険金〜保険金受取人〜同時死亡

■商法の保険条項

商法によると、
保険契約者には、
保険金受取人を指定する権利があるが、
もし
指定されていた保険金受取人が
死亡したときは
再指定することができる、
ただし
その権利を行使せずに
保険契約者本人が死亡したときは、
保険金額を受取るべき者の相続人を以て
保険金額を受取るべき者とする、
との規定があります。


■こんな場合はどうなる

A氏は、
P生命保険会社との間で
被保険者をA、
保険金受取人をAの妻Cとする
生命保険契約を締結していました。

AとCの両名が事故により
同時に死亡したことから、
Aの弟BとCの兄DがP社に対して
保険金の支払を求めた事案です。

なお、AとCとの間には子はなく、
Aの両親及びCの両親は、
いずれも既に死亡しており、
Aには弟B以外に兄弟姉妹はおらず、
Cには兄D以外に兄弟姉妹は
いませんでした。


保険金受取人は弟Bか兄Dか?
それとも両者で折半か?

■同時死亡の推定規定

民法には同時死亡の推定規定が
あります。

数人の者が死亡した場合において、
そのうちの1人が
他の者の死亡後になお生存していたことが
明らかでないときは、
これらの者は、
同時に死亡したものと推定する、
と規定されています。

この規定により、事故などで、
死亡の前後が不明なときは、
同時に死亡したこととされます。
ただし、
同時死亡の推定の効果は
推定にすぎませんので、
異時死亡を立証することができれば
その法的効果は覆えされる
ことになります。


■同時死亡の場合の相続権

相続人は
被相続人の死亡時に
生存している者に限られる
と解釈されるので、
AとCの同時死亡の場合、
死亡したAの相続人に
Cが該当するかというと、
Aの死亡時にC(妻)は
生存していないので、
CはAの相続人になれません。

逆にAもCの相続人にはなれません。

従って、
保険金の受取人は妻Cであったので、
妻Cの相続人である兄Dが
保険金受取人ということになります。

※参考
最高裁判所平成19年(受)第1349号共済金請求事件(棄却)(確定) 
平成21年6月2日判決  
【判例タイムズ1302号105頁】
【判例時報2050号148頁】
【年金共済特約の解釈/親子同時死亡の場合の死亡給付金受取人】

最高裁判所(第三小法廷)平成21年(受)第226号死亡給付金等請求、民訴法260条2項の申立て事件(棄却)(確定)
平成21年6月2日判決
【裁判所ホームページ最高裁判例集】
【判例タイムズ1302号105頁】
【判例時報2050号148頁】
【同時死亡における生命保険金の受取人】



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税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年2月2日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:42| Comment(2) | TrackBack(1) | 法人税・会社経理
この記事へのコメント
同時死亡の効果は保険金の受取には適用されないと思います。そもそも、保険金の受取は受取人固有の権利であり、相続財産とは別個の物です。上例で行けば、兄Dは、保険金の受取人ではなく、Cの固有の財産として受け取ったAの保険金がCの遺産として更正された効果を受けて、遺産相続人として当該保険金の額を相続したと見るべきです。
Posted by 古谷 睦 at 2011年04月26日 10:17
同時死亡の効果は保険金の受取には適用されないと思います。そもそも、保険金の受取は受取人固有の権利であり、相続財産とは別個の物です。上例で行けば、兄Dは、保険金の受取人ではなく、Cの固有の財産として受け取ったAの保険金がCの遺産として構成された効果を受けて、遺産相続人として当該保険金の額を相続したと見るべきです。
Posted by 古谷 睦 at 2011年04月26日 10:19
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