2010年02月10日

証券税制〜平成21年分確定申告〜損益通産等

ここ数年、証券税制は
毎年改正が行われてきました。
そのため、
本年の確定申告にあたっては、
混乱をまねかないためにも、
制度の内容、適用開始日の時期、
適用税率等の再確認が必要です。


1.配当及び譲渡益に対する適用税率

平成20年の改正では、
上場株式の
配当等及び譲渡益に対しては、
平成21年1月1日からの適用税率は
原則20%でした。
しかし、
一昨年の米国発の金融危機を受け、
平成21年の改正で、
平成21年1月1日から平成23年12月31日までは、
所得税7%、住民税3%の軽減税率が
適用されることになりました。
これは、
平成20年以前の税率に戻ったことを
意味します。


2.損益通算と配当所得の申告

昨年までは、
配当所得は原則「総合課税」か
「申告不要」(大口株主は除く)かの
選択でした。
しかし、
平成21年分の確定申告より、
上場株式の譲渡損失と配当所得との
損益通算が可能となったことから、
上場株式の配当等については
申告分離課税の選択が
できるようになりました。
但し、大口株主は除かれます。

これは、
株式の譲渡所得に関する申告が
申告分離課税であることから、
それとの平仄で
損益通算する場合の配当所得も
申告分離課税による申告に限る
ものとされました。
なお、
申告分離課税の税率は、
所得税7%、住民税3%です。
また、
総合課税か申告分離課税かの選択は、
その全てについての選択で
いずれかに統一しなければなりませんし、
この申告分離課税を選択した場合には、
配当控除の適用はありません。


3.シミュレーションが不可欠

平成21年中に上場株式の譲渡損失があり、
一方、
上場株式の配当等がある場合には、
損益通算は可能で、
申告分離課税を選択して確定申告をすれば、
一定の節税効果は期待できます。
しかし、
配当所得は申告不要制度も
選択できることから、
配偶者控除等の適用可否にも
影響しますので、
実際の金額による
シミュレーションが不可欠です。


4.損益通算と繰越控除

上場株式の譲渡損失は、
最初に他の株式の譲渡益と通算し、
控除しきれない上場株式の譲渡損失は、
次に
申告分離課税を選択した上場株式の
配当所得と通算します。
それでもなお
控除しきれない金額は、
翌年以降3年にわたり、
同じ順序で繰越控除できます。


※ 上場株式の範囲

・上場株式(新株引受権、新株予約権含む)
・日本銀行出資証券
・上場新株予約権付社債、
 上場転換社債型新株予約権付社債
・上場優先出資証券
・上場ETF(国内投資信託)
・上場RET(不動産投資信託)
・公募株式投資信託
・外国有価証券市場で売買されている株式等
・上場未公開株式等投資証券

※ 上場株式等の配当等について

公募投資信託の収益の分配金は、
配当所得ですが、
特別分配金は元本の払戻しに
あたりますので、
配当所得にはなりません。

※ 大口株主とは

株式の保有割合が
発行済株式総数の5%以上である株主。

上場株式等の配当所得に係る申告分離課税


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年2月10日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:55| Comment(1) | TrackBack(1) | 所得税
この記事へのコメント
私、地方で小さな証券会社に勤め、営業をしています。社内には税務に詳しい者がいないので国税庁のHPを読み、(難解な)解釈するために、あちらことちらと検索したりしている中で、こちらのサイトはわかりやすい解説でいろいろ勉強させてもらっています。
さて、本題の質問なんですが、昨年大きく損失を出しているお客様に対し、確定申告をして3年間の損益通算の方法をご案内しました。配当所得で3年継続して申告すれば損失後の配当所得で少しでも損失を埋めることが出来るからです。実際申告もすんで顧客より還付金が振り込まれたとの連絡を受けましたが、還付金は源泉徴収されていた国税の7%だったそうです。配当所得の10%が全額戻ってくるわけではないのでしょうか?源泉の3%(地方税)は取られ損でしょうか?それとも別途還付金が戻ってくるのでしょうか?
 今回、お客様は当初、申告会場では職員のアドバイスにて通算せずに所得としてまるまる収入項目に記載されていました。修正申告にて損益通算をしています。税務署職員も(アルバイト)詳しい方がいなかったと地方税について詳しく聞けなかったということなので申し訳ございませんがご回答をお願いします。
Posted by 与那嶺 at 2010年03月20日 09:56
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