2010年03月04日

特定居住用宅地等〜税制改正H22

■居住用家屋と敷地への特例

自己の居住用家屋とその敷地に対しては
税制上いろいろな優遇特例があります。

居住用土地建物の譲渡所得の特例や、
被相続人の居住の用に供されていた宅地に係る
小規模宅地の評価減の特例などです。


■居住用家屋は二つあってはいけないか

家屋を複数所有する人にとっては、
居住用家屋が複数になることはありえます。

それで、先に例示した、
居住用土地建物の譲渡所得の特例の規定では、
法律ではなく政令ではありますが、

「その者がその居住の用に供している家屋を
二以上有する場合には、これらの家屋のうち、
その者が主として居住の用に供している
と認められる一の家屋に限るものとする」

としています。

それでは居住用土地建物というとき、
いつも「主として」を基準に
「一つに限る」ということになるのでしょうか。


■「一つに限る」の規定がない

先に例示した、
相続税に関する
居住用小規模宅地の評価減特例の場合をみると、
「主として」を基準に「一つに限る」との規定が、
法律にも、政令にも、省令にも
ありません。

そうすると、
複数の家屋を
自己居住用としていた被相続人の場合には、
それら複数の家屋の敷地について、
どれにも
小規模居住用宅地の評価減特例が使える
ことになります。


■税務当局はそう解釈しない

この小規模居住用宅地特例は
以前、通達で規定していましたが、
このような特例を通達で定めることに
異論があり、
昭和58年に法律となったという
経緯があります。

そして、以前の通達では
「相続開始時において被相続人が主として
居住の用に供していた宅地をいうものとする」
とされていたので、
税務当局としては、
現在の法律の解釈を、
通達時代と同様「主として」を基準に
「一つに限る」としていました。


■敗訴して今年の税法改正に期す

この解釈をめぐる争いが起き、
地裁と高裁の判決がありました。

いずれの判決も、
税務当局の解釈をNOとしました。

今年の税制改正大綱に

「特定居住用宅地等は、
主として居住の用に供されていた
一の宅地等に限られることを明確化します」

とあるのは、

この判決を受けたものでした。


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2010年3月4日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 相続税・贈与税
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