2010年03月08日

マンション固定資産税の歴史

建物の区分所有等に関する法律は
昭和38年から施行されていますが、
固定資産税の課税は
その後20年もの長きに亘り区
分所有課税ではなく、
共有者課税を続けました。


■共有者課税と区分所有課税

共有者課税とは、
共有土地に対する
固定資産税の課税方式で、
共有者のうち任意の者に
「甲ほか○○名」宛の納税通知書
が交付され、
甲が共有土地全体の税額を
一括して納税する一括課税方式
のことです。

共有者間には連帯納税の義務
があります。

区分所有課税とは、
各区分所有の
戸別の持分に応じて課税する
分割課税方式のことで、
連帯納税義務が解除されています。


■マンションでの共有者課税

共有者課税のままだと、
マンション区分所有戸数者170とすると、
その中の1人甲に対し
「甲ほか169名」宛の納税通知書が
交付されることになります。

甲は170戸分の固定資産税と都市計画税を
それぞれに不満の湧かないように
按分し、徴収したうえで
期限までに納付しなければなりません。
エーッと思うようなことが強いられます。


■不合理を裁判に訴えたが

不満がおきるのは当然で、
共有者課税方式は、
民法における連帯債務者のように、
主観的連帯関係をもった者の間において
適用されるべきで、
共同住宅所有者のような、
相互に面識もない、
主観的連帯関係のない者の間においては
適用されるべきではない、
と主張した出訴がありました。

しかし、判決は、
共有土地については、
一括課税方式によるべきであり、
分割課税方式は、
適法であるとはいいがたいとし、
当時すでに
分割課税方式を採っていた神戸市に対し、
違法な課税方式というべきと
断罪しました。


■あきれた判決でようやく法改正

法の定める
税額徴収の要請に応えればよいのではないか
との関係者の観測に反した、
裁判所のゴリゴリの形式的な
法文解釈主義に遭遇して、
自治省も重い腰をあげ、
昭和58年の改正により
地方税法には第352の2条が追加され、
連帯納税義務が解除され、
持分ごとに課税されるよう
立法的解決が図られました。

課税当局も無策なら、
それ以上に裁判所も長い判決文を書くだけで
問題解決能力がないことを暴露した
歴史の一場面でした。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年3月8日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 09:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 相続税・贈与税
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