2010年04月07日

特定支出控除とは

超稀少な人々

サラリーマン5500万人のための税制に
特定支出控除という制度があります。
この利用者は極めて少なく、
1000万人に1人の割合でしか
利用されていないので、
利用者に遭遇することは
限りなく困難といえます。

平成20年の利用者数は
たったの6人です。

平成19年で7人、平成18年で9人、
平成17年で13名、平成16年9名、
平成15年10名という状況です。


■特定支出控除とは

サラリーマンにも
確定申告の道を拓くものとして
1987年(昭和62年)に創設されたもので、
給与所得者が特定の支出をした場合、
その年の特定支出の合計額が
給与所得額を超えるときは、
その超える金額が
給与所得控除後の金額から差し引ける、
というものです。

もし、
給与に係る必要経費があるとして、
給与所得控除額よりも少ない金額で
確定申告をしたとしても、
その申告は誤りのある申告として、
給与所得控除額による所得計算に
置きかえる更正処分をされて
税金は還付されます。


■限定的な特定支出

特定支出は、

1)通勤費、
2)転勤に伴う引っ越し費用等、
3)研修費、
4)一定の資格取得費、
5)単身赴任者の勤務地と自宅の往復旅費

の5つだけです。

この5つという特定支出の範囲が
極めて狭いこと、
またその適用にあたっては、
要件が事細かく定められていて
限りなく使いにくいこと、
ということをみていると、
国税庁として
これの利用者を絶対に増やさせない、との
決意を固く持っていることが
自ずと推測されるところです。


■政権交代でどうなるのか

今年の税制改正大綱に
「給与所得控除と特定支出控除を見直す
ことにより、特定支出控除の
選択的適用の増加を通じ、
給与所得者の確定申告の
機会拡大につなげます」
とありました。

ただし、
今年の改正税法の原案には
これに係るものは全然ありませんでした。

言うは易く行うは難し、です。
特定支出控除制度は、
すなわち架空経費控除になっている
給与所得控除問題のことなので、
容易には手がつけられないものです。

※参考

所得税法 第57条の2(給与所得者の特定支出控除特例)
 居住者が、各年において特定支出をした場合において、その年中の特定支出の額の合計額が第28条第3項(給与所得)に規定する給与所得控除額を超えるときは、その年分の同条第2項に規定する給与所得の金額は、同項及び同条第4項の規定にかかわらず、同条第2項の残額からその超える部分の金額を控除した金額とすることができる。
 2 前項に規定する特定支出とは、居住者の次に掲げる支出(その支出につきその者に係る第28条第1項に規定する給与等の支払をする者(以下この項において「給与等の支払者」という。)により補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分につき所得税が課されない場合における当該補てんされる部分を除く。)をいう。
 ◆1 その者の通勤のために必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のための支出で、その通勤の経路及び方法がその者の通勤に係る運賃、時間、距離その他の事情に照らして最も経済的かつ合理的であることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもののうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定める支出
 ◆2 転任に伴うものであることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされた転居のために通常必要であると認められる支出として政令で定めるもの
 ◆3 職務の遂行に直接必要な技術又は知識を習得することを目的として受講する研修(人の資格を取得するためのものを除く。)であることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもののための支出
 ◆4 人の資格(弁護士、公認会計士、税理士その他の人の資格で、法令の規定に基づきその資格を有する者に限り特定の業務を営むことができることとされるものを除く。)を取得するための支出で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの
 ◆5 転任に伴い生計を1にする配偶者との別居を常況とすることとなった場合その他これに類する場合として政令で定める場合に該当することにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされた場合におけるその者の勤務する場所又は居所とその配偶者その他の親族が居住する場所との間のその者の旅行に通常要する支出で政令で定めるもの
 3 第1項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨及び同項に規定する特定支出の額の合計額の記載があり、かつ、前項各号に掲げるそれぞれの特定支出に関する明細書及びこれらの各号に規定する証明の書類の添付がある場合に限り、適用する。
 4 第1項の規定の適用を受ける旨の記載がある確定申告書を提出する場合には、同項に規定する特定支出の支出の事実及び支出した金額を証する書類として政令で定める書類を当該申告書に添付し、又は当該申告書の提出の際提示しなければならない。
 5 前各項に定めるもののほか、第2項に規定する特定支出の範囲の細目その他第1項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。



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2010年4月7日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:39| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税
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