2010年04月09日

申告義務のないサラリーマンの確定申告書

一ケ所からの給与しかなく、
他に所得のないサラリーマンで、
妻を控除配偶者として年末調整を済ませていたが、
妻の所得が38万円超であると分かったため、
税務署に配偶者控除不適用の確定申告書
を提出した場合の
その意味について考えて見ます。


■申告義務のない確定申告書の提出

このサラリーマンには
確定申告の提出義務はなく、
税務署長にもこれに対し
確定申告を強制する決定権限は
ありません。
しかし、
自主的に提出された確定申告書は
法的には有効です。

サラリーマンには確定申告をすることが
禁じられているのではなく、
申告義務が免除されているに
過ぎないからです。


■提出した確定申告の撤回も任意

とはいえ、
サラリーマンの自主申告に対する
国税庁の姿勢は
これを本来のあるべき姿とは
捉えていません。

通達によると、
確定申告義務のないサラリーマン
の提出した申告書は、
撤回の申立てをすると
当然に撤回されることになり、
申告により納付した税額も
還付されることになっています。


■過年度分の申告の場合の附帯税

また、
サラリーマンには、
そもそも確定申告書の提出義務がなく、
従って提出期限の定めもないので、
サラリーマンの提出する自主的申告書は、
たとえ過年度分であったとしても
期限後申告書には該当しません。

従って、
加算税や延滞税の課せられるべき
構成要件に該当することは
ありません。


■再年調処理が実務の慣例

サラリーマンの
自主申告があったことによって、
その者に係る国の歳入額が
すでに充足されていたとしても、
源泉徴収義務者が正当な計算を行って
追徴税額を徴収する義務が
免除されるわけではありません。

課税庁が
年末調整の不適正を知った時は、
源泉徴収義務者を通じた年末調整の
再計算を慫慂(しょうよう)してきます。


■再年調の規定はない

しかし、
法的には再調整の規定は存在しません。
年末調整は
年の最後の給与で行うものとされ、
扶養控除等の情報申告・修正も
給料日前に行うものとされており、
予測された真実に基づく限りそれは適正であり、
源泉徴収義務者には
その申告の正否を調査する義務も権限も
ありません。

※参考

所得税法 第121条
(確定所得申告を要しない場合)
 その年において給与所得を有する居住者で、
その年中に支払を受けるべき第28条第1項(給与所得)
に規定する給与等の金額が2000万円以下
であるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、
前条第1項の規定にかかわらず、
その年分の課税総所得金額及び課税山林所得金額に係る
所得税については、同項の規定による申告書を
提出することを要しない。

◆1
1の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、
当該給与等の全部について第183条
(給与所得に係る源泉徴収義務)又は
第190条(年末調整)の規定による所得税の徴収
をされた又はされるべき場合において、
その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、
不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、
譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額
の合計額が20万円以下であるとき。

所基通121−2

(確定所得申告を要しない給与所得者
から提出された確定申告書の撒回)

申告書に記載されたところによれば
法第121条の規定に該当することとなる
給与所得者から提出された申告書で
第3期分の税額が記載されているものにつき、
その者から当該申告書を撤回したい旨の
書面による申出があったときは、
その申出の日に当該申告書の撤回があったものとし、
当該申告書に係る既納の第3期分の税額を還付する。

国税通則法 第60条(延滞税)

 納税者は、次の各号の1に該当するときは、
延滞税を納付しなければならない。

◆1
期限内申告書を提出した場合において、
当該申告書の提出により納付すべき
国税をその法定納期限までに完納しないとき。
◆2
期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、
又は更正若しくは第25条(決定)の規定による
決定を受けた場合において、
第35条第2項(期限後申告等による納付)の
規定により納付すべき国税があるとき。

国税通則法 第66条(無申告加算税)

次の各号のいずれかに該当する場合には、
当該納税者に対し、当該各号に規定する申告、
更正又は決定に基づき第35条第2項
(期限後申告等による納付)の規定により
納付すべき税額に100分の15の割合を
乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を
課する。ただし、
期限内申告書の提出がなかったことについて
正当な理由があると認められる場合は、
この限りでない。
◆1
期限後申告書の提出又は第25条(決定)の規定
による決定があった場合
◆2
期限後申告書の提出又は第25条の規定による
決定があった後に修正申告書の提出又は更正があった場合


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2010年4月9日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:24| Comment(0) | TrackBack(1) | 法人税・会社経理
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