2010年04月01日

賃貸経営〜滞納者の対処

■鍵の交換は確かに即効的ではあるが・・・

不動産の賃貸経営で避けられないのは、
借主の賃料滞納と明渡しの問題です。

長期間にわたり
賃料を滞納する借主に対しては、
賃貸借契約を解除の上、
明渡請求をなし、
それでも応じなければ
裁判を起こすことになろうことは、
大方察しがつくことでしょう。

しかし、建物賃貸借について、
より手っ取り早い方法として、
こちらで鍵を替えて、
借主を締め出す方法を聞いたことがある、
あるいは、現にやったことがある
という方もおられるかも知れません。


■自力救済の禁止

しかし、これは、
法治国家である我が国では
問題ありと言わざるを得ません。

すなわち、
自力救済禁止の原則から、
仮に自らの権利が侵害されても、
その回復は、自らの実力行使ではなく、
司法手続に委ねて図らねばならない
とされております。

もっとも、かつては、
借主は賃料を滞納している手前、
それを問題だとして訴えることは
なかったかも知れません。

しかし、
今日の権利意識の高まりの表れとして、
このような手法を問題視し、
司法の場で責任追及する事例が
出てきました。


■損害賠償の対象に

そして、本件建物内の
動産類の撤去の機会を与えず、
明渡しの要否について判断ができず、
鍵の交換を承諾又は容認したとは
認められない事情の下でなされた鍵の交換
について、借主の占有権を侵害する自力救済で、
違法であるとして不法行為が成立し、
貸主の損害賠償責任を認める
という裁判例が出されました。


■刑事罰の対象になりうる

また、
家賃債務の保証業者による
悪質な取立てによる弊害を背景に、
これを刑事罰で取り締まろうという動きも
出て来ました。

すなわち、借主に無断で鍵を換えて
部屋に入れなくしたり、
深夜や早朝に家を訪れて
督促したりすること等の行為を禁止し、
これに違反すれば
2年以下の懲役または
300万円以下の罰金を科し、
悪質な事例には両方を科すという
厳しい内容の法案が
今国会で提出されました。

このような現状からすれば、
鍵の交換という手段は
もはや禁じ手と心得るべきです。


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税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年4月16日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 企業法務
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