2010年06月09日

差押え禁止や非課税の趣旨

■子ども手当等の支給と差押さえ禁止措置

子ども手当支給法、高校授業料無償化法
が成立しました。
子ども手当と就学支援金については
非課税所得とされ、
譲渡・差押も禁止です。

非課税の趣旨は、
公共の資金を交付しておいて
他方で所得課税で税金として回収するのでは
交付の意味が薄れるということにあります。

差押さえ禁止も、
滞納税金の回収に充ててしまうようなことのないように、
との趣旨です。

同じような差押さえ禁止債権としては、
児童手当や年金や生活保護費などがあります。


■振り込まれた後の預金への差押さえ

ところで、
差押さえ禁止債権の児童手当13万円が
銀行口座に振り込まれた9分後に
県税事務所がこれを差押さえ、
全部没収してしまったという
鳥取県の事件が平成21年6月にありました。
また、千歳市では
年金への差押さえ事件が起きています。

確かに、
最高裁平成10年2月10日判決で、
差押禁止債権が受給者の預金口座に振り込まれて、
預金債権となると
差押禁止債権としての属性は
消滅してしまうので、
従って
預金に対する差押えは認められることになる、
としています。


■国会でも取り上げられている

鳥取県の事件は訴訟になっており、
当時の財務大臣の与謝野さんも、
児童手当はちゃんと
児童の養育のために使うものであるから、
差し押さえてはならない、
児童の養育のために使えるようにしてやるのが
本来の筋だと、国会で答弁しておりました。

今年の国会でも、菅財務大臣が、
「現金で受け取ればそれは
差し押さえの対象にならなかったんでしょうけれども、
実質上、ほとんど残高のない口座に
振り込まれたものまで、
まさにねらい撃ち的に差し押さえるというのは
法の趣旨に反する」
と答弁しておりました。


■最近の判決の新方向

確かに
最近は違う判決もでるようになっています。
入金するものは年金だけというような
預金口座を差し押さえることは
年金債権を差し押さえていることと
実質的に同じであるから、
年金債権への差押禁止効果は
預金口座にも及ぶとしているものもあります。
平成20年1月の神戸地裁の判決です。


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2010年6月9日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税
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