2010年06月15日

前納報奨金制度〜存続危機

市県民税(普通徴収分)や固定資産税は
通常年4回に分けて納める
ことになっていますが、
最初の納期に全期分を前納した場合には、
市税に未納がないことなどを条件に、
年税額から前納報奨金(交付分)を
差し引いて納めることができます。
この制度のことを「前納報奨金」
といいます。

報奨金制度は、
地方税法第321条及び365条に
その設置を認める規定がおかれ、
また、
交付率の上限も税額の100分の1と
定められています。

近年、多くの自治体では、
制度そのものの廃止、市県民税での廃止、
交付率の引下げ、報奨金の限度額の減額
といった措置が取られ、
その存続は危機的な状況にあります。

その理由として、

@
創設以来60年以上
(昭和25年シャープ勧告に基づいて創設)の経過で
社会情勢が大きく変化し、
当初の目的である税収の早期確保や
自主納税意識の高揚などが
達成されてきたこと、

A
市県民税を給与や年金から
天引きされる納税者には
本制度の対象にならないため、
恩恵を受ける納税者との
不公平感が大きくなってきたこと、

B
納付したくても
一括納付する資力がない人には、
本制度の恩恵がなく、
納税の公平性に欠けること等が
挙げられていますが、
実際のところは
自治体の厳しい財政事情が背景に
あるようです。


■前納報奨金の求め方(計算方法)

前納した一の納期の税額×0.5/100(交付率)×
納期前に係る月数=前納報奨金


前納となる月数は、条例では、
固定資産税は18ヶ月、市県民税は10ケ月が
一般的です。

例)
固定資産税、年税額160,000円(各期の税額40,000円)
を4月30日に前納する場合 

40,000円×0.5/100×18月=3,600円

市県民税、年税額200,000円(各期の税額50,000円)を
6月30日に前納する場合

50,000円×0.5/100×10月=2,500円



自治体では
条例により交付率をさらに引き下げ
0.3%、
また、報奨限度額も3万円
と定めているところもあります。


■所得税法の取り扱い

非業務用固定資産に係るものは、
一時所得の収入金額となります。
なお、
一時所得の計算においては、
50万円の特別控除があります。

一方、
事業用固定資産に係るものは、
事業の遂行に付随して生じた収入として、
事業所得の金額の計算上
総収入金額に算入しなければ
なりません。


2010年6月15日(火)

〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140
posted by 税理士西塚智裕 at 12:27| Comment(2) | TrackBack(0) | その他税金
この記事へのコメント
濃厚で複雑&個性的なワイン
Posted by prada replica at 2014年07月16日 18:42
総収入金額に算入しなければ
Posted by chanel replica at 2015年01月09日 18:11
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