2010年07月02日

自己株式取得とみなし配当〜H22改正

グループとして複数の同族会社があり、
株式の持ち合いがある場合などでは、
自己株式の取得ということも
時にはあります。

そういう場合に関する
税法の改正が今年ありました。


■自己株取得関係の税制改正

(1)
完全支配関係にある内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡する場合の譲渡損益は
計上できないことになりました。

(2)
自己株式として取得されることを
予定して取得した株式が
自己株式として取得された際に生ずる
みなし配当については、
受取配当等の益金不算入制度は
適用できないことになりました。


■自己株取得税制改正のわけ

A社の資本金1千万円として、
その発行済み株式の3割を
同じ同族のB社が
3千万円で買い取っていたような場合、

その後A社に、
その3割の株式全部を
同額で買い取らせたとしたら、
B社にみなし配当収入

3千万円−1千万円×3割=2700万円

と、

3千万円−(3000−2700)万円=2700万円


株式譲渡損が発生します。

会計的には損益同額で利益ゼロです。

しかし税法では、
このみなし配当は
100%益金不算入ですから、
実質譲渡損のみが残るようなことに
なります。

こういうところに
法人税制の一種の制度欠陥があったので、
新たな制度に置き換えなおした、
ということです。


■ダブルパンチはないのか

先の(1)では、譲渡損否認で
みなし配当も益金不算入で
所得はゼロです。

(2)では、
みなし配当は益金のままで、
譲渡損も損金のままなので、
所得はゼロです。

それでは、
(1)も(2)も適用で、
(1)で譲渡損否認、
(2)でみなし配当が益金のまま、
ということにはならないか、と
心配になりますが、

(1)に該当のときは(2)は適用除外なので、
こういうダブルパンチはありません。


■予定されているものの取得とは

予定されていた事由については
政令で定める、と法律に書いてあります。
それで、政令をみると、
組織再編で取得した株式で
買い戻しが当初から予定されていたようなもの、
のほかは法律で予定しているもの、
と堂々巡りの規定を置いています。

改正の狙いは
組織再編を使った自己株取得節税スキーム潰し、
なのでしょうか。

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2010年7月2日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理
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