2010年07月16日

自己株式の公開買付〜法人税・所得税

■自己株式の公開買付案内

上場会社の自己株式公開買付案内
をみていると、
公開買付価格は
直近データを参考に決定しているものの、
多くの場合
1割ぐらいのディスカウント価格に
設定しています。

逆に、
ディスカウントのない買付価格設定
の場合には、
公開買付期間の株価が
1割ぐらい上昇する傾向にあります。


■公開買い付けに対する税法

会計では、
公開買付への応募を
単なる株式の譲渡としつつ、
自己株式の取得は
資本出資の反対の行為なので、
会社の部分的な清算とも考えます。

税法では、
その部分清算だとする考え方を
徹底させています。
即ち、
当初出資額を超える回収は
清算配当所得、
満たない分は清算損失です。

当初出資額を超えた値段で
株を取得していたとすると、
その超価額も清算損失です。
公開買い付けに応じた法人の税務

単位当たり公開買付価格が500で、
当初出資額が200で、
株式簿価が550だとすると、

清算配当所得は500−200=300、

清算損失は550−200=350

です。

配当とされた300は
法人税法では50%が益金不算入
とされており、
清算損失350は単純な損金です。

税負担が40%とすると

(350−300×50%)×40%=80

の節税になります。

公開買付応募で50損したのに、
資金ベースでは80−50=30
得したことになります。

公開買付価格が
市場価格より割安でも
応募者不足とならない理由は
ここにあります。


■公開買い付けに応じた個人の税務

個人の場合は、
先の清算配当所得と書いたものについては
配当所得課税、
清算損失と書いた部分は
株式分離所得の譲渡損として扱われ、
多くの場合
譲渡損は切り捨てとなってしまうので、
最高税率課税となる可能性もある配当課税だけが
標的にされてしまいます。

これでは、
個人の公開買付応募に
税制が邪魔していることになるので、
単純な株式譲渡と扱うという
特別立法があります。


■今年9月、12月まで

法人の税務では、
今年の10月から、
公開買付を予定して取得した株式に係るみなし配当
は100%益金算入になり、
個人の株式譲渡課税の特別立法は
今年いっぱいで廃止となります。


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2010年7月16日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理
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