2010年08月03日

最高裁二重課税判決の意義

■最高裁二重課税禁止判決の独自内容

年金への所得税と相続税の二重課税を禁ずる
先月7月6日の納税者逆転勝訴最高裁判決
(長崎地裁は勝訴、福岡高裁は敗訴)の内容は、
勝訴していた長崎地裁の判決と
少し異なります。

地裁は、
年金への課税は
相続税で済んでいるのだから、
所得税で再課税すべきではない、
としたのに対し、

最高裁は、
相続税の課税済み部分は
その後の所得税課税において
重ねて課税してはならない、
です。


■年金についての二つの非課税

所得税法には元々
退職遺族年金非課税の規定がありました。
今回の年金判決で争点だった
「相続取得によるものは非課税」
との規定により、
退職遺族年金以外の遺族の受け取る年金も、
非課税が確認されました。

それでは、
元々の退職遺族年金非課税規定は
特別に法律規定がなくても
よかったことになったのでしょうか。
この疑問は、
被告の国税サイドが反論として
何度も主張していたところでした。


■最高裁判決の独自内容の意味

相続税が課税される相続財産の価額と、
所得税が課税される所得の収入金額とには
一時の一括課税か、何回かの分割課税か、
長期間経過後の課税か、
という理由による相違があります。
その相違からくる金額差の部分にのみ
所得税は課し得る、というのが、
最高裁判決の独自内容です。

その独自内容によって、
先の、二つの年金非課税の疑問に
答えたのです。
即ち、
退職遺族年金は相続課税と無関係に非課税、
相続取得年金は相続課税部分のみ非課税、
という理解です。


■新たな考え方による法解釈

最高裁判決の独自内容の意義は、
相続税は一種の特別な所得税なのだから、
相続税の課税済み分部に
その後の所得税課税が重複してはならない、
と言うことです。

年金について言えば、
従来は、過去に支払い済みの保険料
(被相続人が支払ったものを含む)を
超過して受け取る年金部分が
所得税の課税対象と理解されていました。

今度は、
この支払原価超過分への課税の前に、
相続課税済部分を除外する、と
大きく課税対象に変更を加えたのです。

そして、
この新たな考え方の影響は
遺族年金への課税問題にとどまらず、
相続財産に関わる
その後の所得税課税全体に及ぶことに
なります。


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2010年8月3日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:36| Comment(1) | TrackBack(1) | 所得税
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