2010年08月17日

最高裁二重課税判決の計算

■最高裁二重課税禁止判決の所得計算

年金への所得税と相続税の
二重課税を禁ずる先月7月6日の
納税者逆転勝訴最高裁判決の年金所得の計算は、
次の通りです。

年金収入−相続税評価額=年金所得

また、
被相続人の死亡日を支給日とする
第1回目の年金の相続税評価額は
死亡時の現在価値と一致するはずだから
支給額と同額、としています。
従って、
年金所得はゼロです。
2回目以降のことについては触れていません。


■2回目以降の計算はどうなる

本件の年金は230万円で
10年間に亘り受け取れるものです。
相続税評価額は
年金総額2300万円の6割の1380万円で、
この年金のための
過去の支払済保険料総額は721,977円でした。

2回目以降に
控除できる相続税評価額の総額は、
1380万円−230万円=1150万円で、
これを2回目から10回目までに
配分することになります。
配分額は逓減的になるはずですが、
それを表現する簡単な算式は
あるでしょうか。


■複利現価法で計算すると

この事例に適合する
複利割引率を計算すると年13.704463%となり、
これによる第2回目の控除額は
2,022,787円第3回目1,778,987円
第4回目1,564,571円第5回目1,375,997円、
第10回目は723,986円です。


■これまでの計算方法はどうだった

従来は、
支払保険料の総額に、その年の年金を掛け、
年金総額で割ったものを控除する必要経費
としていました。

本件の場合では
収入が毎年同額なので
必要経費も毎年同額になります。

年金収入−年金対応支払保険料=年金所得

また、
年金収入から控除する支払保険料には、
被相続人の支払保険料も含まれる
と解されております。


■支払保険料の控除方法のあり方

支払保険料の総額を年金収入から差し引くのは
所得税法の定めなので、
最高裁判例によっても変更はありません。
最高裁の新判例は、
必要経費として相続税評価額を控除しているのではなく、
二重課税の排除として
収入から相続税評価額を除外している
と考えるべきです。
よって、控除する支払保険料は、
相続税評価額部分と
それを超過する部分ごとに按分して差引計算するのが
順当です。
なお、
本件判決での生保年金収入は
全額二重課税部分なので、
控除保険料も按分不要で、課税計算外となりますが、
判決はこのことには触れていません。


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2010年8月17日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 所得税
この記事へのコメント
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