2010年08月20日

最高裁二重課税判決の波及効果

■二重課税禁止最高裁判決の計算構造

先月7月6日の
年金二重課税禁止最高裁判決の新判例は、
二重課税の回避として
相続税課税済額を
所得計算から排除することを
要求しています。

また、所得税法は
支払済保険料を所得計算上控除するもの
としています。

これをまとめると次の計算式になります。

(年金収入−相続税評価額)            
−年金対応支払保険料按分額=年金所得

算式の相続税評価額は
相続時評価された年金受給権のうち、
その年の年金収入に対応するように
計算したあとのものです。

控除する支払保険料については、まず
過去の累積支払保険料総額を
毎年の各年金に収入比例的に対応計算させる
ことになっています。
その対応支払保険料はさらに、
その年の年金収入全体にかかわっているので、
課税済み部分と
未済部分とに按分計算し、
未済部分に係るもののみを
その年の年金収入から
控除する支払保険料にするものと
考えられます。


■年金以外の資産の場合

年金以外の資産でも、
計算構造は基本的に変わらないはずです。
むしろ、
相続税の課税を受けた資産を
何回かに分けて分割収受するようなものは
少ないでしょうから、計算はより単純です。

不動産の場合は
相続税評価額が
物件ごとに算出されていますので、
課税済分と未済分とに
過去の取得費及び譲渡費用を
按分計算するだけです。
株式等有価証券の場合も
基本的に同じです。

過去に100万円で買った土地を
600万円で相続時評価され、
1000万円で売却した場合、

(10,000,000−6,000,000)
−1,000,000×4,000,000÷10,000,000
=3,600,000 
(譲渡所得の金額)

という計算になるはずです。

しかし


■年金以外に触れようとしない

年金の事例も
過去何十万件かあるようで、
後処理が大変でしょうが、
件数で言えば
株式等有価証券になると
さらに想像を絶する件数になるでしょうし、
不動産の譲渡所得のことになると
こちらは金額的に想像を絶することに
なると思われます。

こういう理由からなのでしょうが、
当局も、多くの識者も、マスコミも
最高裁の二重課税禁止判決効果が
株式等有価証券や
不動産などにまで及んでいることに
触れようとしません。

また誰かが
二重課税確認裁判でもしないと
ダメなのでしょうか。


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税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年8月20日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 22:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 相続税・贈与税
この記事へのコメント
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