2010年09月09日

現物配当と現物分配〜会社法と法人税法

現物配当は会社法上の用語で、
一方、
現物分配は
今年度(平成22年)の税制改正で
法人税法において創設された制度
です。


■現物配当の概要(会社法上)

現物配当は、
剰余金の配当のうち
金銭以外の財産による配当のことで、
会社法にその規定が設けられています。
原則として、
株主総会の特別決議によることが
必要です。

現物配当の対象となるのは
会社の財産に限定されているため、
負債や事業そのものの移転は
求められないようです。

極端な例ですが、
全株主の同意があれば、
甲株主さんには「株式」、
乙株主さんには「車」、
丙株主さんには「金銭」
を配当することは認められます。
また、
土地を共有持分で配当することも
認められます。


■現物分配の概要(法人税法上)

現物配当について
法人税法には明確な規定が
ありませんでしたが、
実務(法人税基本通達)では、
概ね、会社法の規定に従って
運用されていました。

しかし、今回の改正で、
法人がその株主等に対して、
剰余金の配当、利益の配当、
さらには自己株式又は出資の取得といった
一定の剰余金処分行為について、
金銭以外の資産の交付を行った場合、
これを「現物分配」と定義し、
現物分配により
その保有する資産を交付した法人を
「現物分配法人」、
資産の交付を受けた法人を
「被現物分配法人」と
定義しました。


■現物分配と組織再編

法人税法では、
この現物分配を資産の譲渡とみなし
「組織再編の一環」として
位置づけました。
すなわち、
現物分配法人と被現物分配法人との間に
完全支配関係
(株式等の直接若しくは間接による100%の
保有関係が成立)
がある場合には適格現物分配とし、
それ以外の現物分配(非適格現物分配)とで
異なる課税関係を定めました。

適格現物分配であれば、
被現物分配法人では、
交付を受けた資産については
配当所得を認識せず、かつ、
交付資産は簿価で譲受けたしたものとし、
現物分配法人では
譲渡損益(交付資産の時価と簿価の差額)を
認識しません。

一方、非適格であれば、
被現物分配法人は
配当所得の認識及び時価譲受、
現物分配法人は譲渡損益の認識、さらに
源泉徴収義務も負うことになります。

この現物分配は、
運用次第では、
即効性のある事業再編を
可能にするかもしれません。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年9月9日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 17:19| Comment(3) | TrackBack(0) | 法人税・会社経理
この記事へのコメント
税理士/税務・法務・労務・経営コラム
Posted by wholesale bags at 2013年12月20日 15:30
現物配当と現物分配〜会社法と法人税法: 税理士/税務・法務・労務・経営コラム
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Posted by miltprjvet at 2015年04月28日 19:15
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