■自己株式の公開買付案内
上場会社の自己株式公開買付案内
をみていると、
公開買付価格は
直近データを参考に決定しているものの、
多くの場合
1割ぐらいのディスカウント価格に
設定しています。
逆に、
ディスカウントのない買付価格設定
の場合には、
公開買付期間の株価が
1割ぐらい上昇する傾向にあります。
■公開買い付けに対する税法
会計では、
公開買付への応募を
単なる株式の譲渡としつつ、
自己株式の取得は
資本出資の反対の行為なので、
会社の部分的な清算とも考えます。
税法では、
その部分清算だとする考え方を
徹底させています。
即ち、
当初出資額を超える回収は
清算配当所得、
満たない分は清算損失です。
当初出資額を超えた値段で
株を取得していたとすると、
その超価額も清算損失です。
公開買い付けに応じた法人の税務
単位当たり公開買付価格が500で、
当初出資額が200で、
株式簿価が550だとすると、
清算配当所得は500−200=300、
清算損失は550−200=350
です。
配当とされた300は
法人税法では50%が益金不算入
とされており、
清算損失350は単純な損金です。
税負担が40%とすると
(350−300×50%)×40%=80
の節税になります。
公開買付応募で50損したのに、
資金ベースでは80−50=30
得したことになります。
公開買付価格が
市場価格より割安でも
応募者不足とならない理由は
ここにあります。
■公開買い付けに応じた個人の税務
個人の場合は、
先の清算配当所得と書いたものについては
配当所得課税、
清算損失と書いた部分は
株式分離所得の譲渡損として扱われ、
多くの場合
譲渡損は切り捨てとなってしまうので、
最高税率課税となる可能性もある配当課税だけが
標的にされてしまいます。
これでは、
個人の公開買付応募に
税制が邪魔していることになるので、
単純な株式譲渡と扱うという
特別立法があります。
■今年9月、12月まで
法人の税務では、
今年の10月から、
公開買付を予定して取得した株式に係るみなし配当
は100%益金算入になり、
個人の株式譲渡課税の特別立法は
今年いっぱいで廃止となります。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年7月16日(金)
2010年07月16日
2010年07月14日
譲渡損益調整資産の譲渡等〜グループ法人税制
平成22年10月1日以降、
完全支配関係のある法人間で
譲渡損益調整資産を移転した場合、
その移転により生じた損益は、
課税を繰り延べることと
なりました。
読んで字の如くなのですが、
意味の解らない言葉が多いので
解説します。
■移転って何?
移転とは、
売買(譲渡)のほか
交換や贈与現物出資などが含まれます。
■譲渡損益調整資産って何?
譲渡損益調整資産とは、
固定資産・土地等・有価証券・金銭債権・繰延資産
です。
棚卸資産のほか
売買目的有価証券と
移転直前の帳簿価格が1,000万円未満の資産は
除外されます。
(但し不動産屋さんの土地は除外されません)
■課税の繰延って何?
課税の繰延とは、
移転のあったときは
課税しませんということです。
課税しませんということは、
利益が出たときの話ですが、
損が出たときも認めません
ということです。
■ではいつ課税するの?
その資産が他へ譲渡される他、
減価償却されたり、
除却されたり等
一定の条件に該当したときに、
課税します。
課税しますとは損も認めます
と言うことです。
■事例
@
A社が5億円で買った土地が
値下がりしてしまったので
グループ内の法人B社に
2億円で買ってもらった。
この場合の損3億円は
損として認められません。
A
そのうちB社も資金が必要になり、
土地も若干上がったので、
C社(グループ外)に
3億円で買ってもらいました。
B
この時点で
B社に1億円の利益が出る代わりに、
A社の3億円の損が認められます。
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2010年7月14日(水)
完全支配関係のある法人間で
譲渡損益調整資産を移転した場合、
その移転により生じた損益は、
課税を繰り延べることと
なりました。
読んで字の如くなのですが、
意味の解らない言葉が多いので
解説します。
■移転って何?
移転とは、
売買(譲渡)のほか
交換や贈与現物出資などが含まれます。
■譲渡損益調整資産って何?
譲渡損益調整資産とは、
固定資産・土地等・有価証券・金銭債権・繰延資産
です。
棚卸資産のほか
売買目的有価証券と
移転直前の帳簿価格が1,000万円未満の資産は
除外されます。
(但し不動産屋さんの土地は除外されません)
■課税の繰延って何?
課税の繰延とは、
移転のあったときは
課税しませんということです。
課税しませんということは、
利益が出たときの話ですが、
損が出たときも認めません
ということです。
■ではいつ課税するの?
その資産が他へ譲渡される他、
減価償却されたり、
除却されたり等
一定の条件に該当したときに、
課税します。
課税しますとは損も認めます
と言うことです。
■事例
@
A社が5億円で買った土地が
値下がりしてしまったので
グループ内の法人B社に
2億円で買ってもらった。
この場合の損3億円は
損として認められません。
A
そのうちB社も資金が必要になり、
土地も若干上がったので、
C社(グループ外)に
3億円で買ってもらいました。
B
この時点で
B社に1億円の利益が出る代わりに、
A社の3億円の損が認められます。
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2010年7月14日(水)
2010年07月09日
グループ法人とは〜グループ法人税制
■平成22年法人税法改正
平成22年の改正税法により、
グループ法人税制が創設されました。
グループ法人とは、
直接間接を問わず
100%の支配関係のある法人
を言います。
こういった状態を税法では、
完全支配関係といいます。
■どういったケースが完全支配になるの
@
最も簡単な場合は法人の100%子会社です。
当然
孫会社や、
子会社同士が持ち合っている関連会社
も完全支配関係となります。
A
同族で支配しているグループ会社。
この場合は
親と子供がそれぞれ
別々の会社を持っていたとしても、
完全支配関係
ということになります。
■どういった場合が完全支配関係に無いのか
@
まず全くの他人が株式を1株でも持っている場合
但し全くの他人といっても、
従業員や役員の場合は若干注意が必要です。
従業員持株会や、役員等が
一定の条件で保有する株式に関しては、
5%に満たない場合は、
完全支配関係を判定する場合に
除かれます。
A
完全支配関係の無い法人が
1株でも持っている場合
■グループ法人は何が問題なの?
グループ法人になると
税法の適用が今までとは違ってきます。
では
その違った適用は
全て納税者にとって不利なのかというと、
そうでもありません。
メリット・デメリットが
沢山あります。
今後はシリーズで
メリットとデメリットをお届けしたいと
思います。
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2010年7月9日(金)
平成22年の改正税法により、
グループ法人税制が創設されました。
グループ法人とは、
直接間接を問わず
100%の支配関係のある法人
を言います。
こういった状態を税法では、
完全支配関係といいます。
■どういったケースが完全支配になるの
@
最も簡単な場合は法人の100%子会社です。
当然
孫会社や、
子会社同士が持ち合っている関連会社
も完全支配関係となります。
A
同族で支配しているグループ会社。
この場合は
親と子供がそれぞれ
別々の会社を持っていたとしても、
完全支配関係
ということになります。
■どういった場合が完全支配関係に無いのか
@
まず全くの他人が株式を1株でも持っている場合
但し全くの他人といっても、
従業員や役員の場合は若干注意が必要です。
従業員持株会や、役員等が
一定の条件で保有する株式に関しては、
5%に満たない場合は、
完全支配関係を判定する場合に
除かれます。
A
完全支配関係の無い法人が
1株でも持っている場合
■グループ法人は何が問題なの?
グループ法人になると
税法の適用が今までとは違ってきます。
では
その違った適用は
全て納税者にとって不利なのかというと、
そうでもありません。
メリット・デメリットが
沢山あります。
今後はシリーズで
メリットとデメリットをお届けしたいと
思います。
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税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年7月9日(金)
2010年07月02日
自己株式取得とみなし配当〜H22改正
グループとして複数の同族会社があり、
株式の持ち合いがある場合などでは、
自己株式の取得ということも
時にはあります。
そういう場合に関する
税法の改正が今年ありました。
■自己株取得関係の税制改正
(1)
完全支配関係にある内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡する場合の譲渡損益は
計上できないことになりました。
(2)
自己株式として取得されることを
予定して取得した株式が
自己株式として取得された際に生ずる
みなし配当については、
受取配当等の益金不算入制度は
適用できないことになりました。
■自己株取得税制改正のわけ
A社の資本金1千万円として、
その発行済み株式の3割を
同じ同族のB社が
3千万円で買い取っていたような場合、
その後A社に、
その3割の株式全部を
同額で買い取らせたとしたら、
B社にみなし配当収入
3千万円−1千万円×3割=2700万円
と、
3千万円−(3000−2700)万円=2700万円
の
株式譲渡損が発生します。
会計的には損益同額で利益ゼロです。
しかし税法では、
このみなし配当は
100%益金不算入ですから、
実質譲渡損のみが残るようなことに
なります。
こういうところに
法人税制の一種の制度欠陥があったので、
新たな制度に置き換えなおした、
ということです。
■ダブルパンチはないのか
先の(1)では、譲渡損否認で
みなし配当も益金不算入で
所得はゼロです。
(2)では、
みなし配当は益金のままで、
譲渡損も損金のままなので、
所得はゼロです。
それでは、
(1)も(2)も適用で、
(1)で譲渡損否認、
(2)でみなし配当が益金のまま、
ということにはならないか、と
心配になりますが、
(1)に該当のときは(2)は適用除外なので、
こういうダブルパンチはありません。
■予定されているものの取得とは
予定されていた事由については
政令で定める、と法律に書いてあります。
それで、政令をみると、
組織再編で取得した株式で
買い戻しが当初から予定されていたようなもの、
のほかは法律で予定しているもの、
と堂々巡りの規定を置いています。
改正の狙いは
組織再編を使った自己株取得節税スキーム潰し、
なのでしょうか。
※関連記事
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2010年7月2日(金)
株式の持ち合いがある場合などでは、
自己株式の取得ということも
時にはあります。
そういう場合に関する
税法の改正が今年ありました。
■自己株取得関係の税制改正
(1)
完全支配関係にある内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡する場合の譲渡損益は
計上できないことになりました。
(2)
自己株式として取得されることを
予定して取得した株式が
自己株式として取得された際に生ずる
みなし配当については、
受取配当等の益金不算入制度は
適用できないことになりました。
■自己株取得税制改正のわけ
A社の資本金1千万円として、
その発行済み株式の3割を
同じ同族のB社が
3千万円で買い取っていたような場合、
その後A社に、
その3割の株式全部を
同額で買い取らせたとしたら、
B社にみなし配当収入
3千万円−1千万円×3割=2700万円
と、
3千万円−(3000−2700)万円=2700万円
の
株式譲渡損が発生します。
会計的には損益同額で利益ゼロです。
しかし税法では、
このみなし配当は
100%益金不算入ですから、
実質譲渡損のみが残るようなことに
なります。
こういうところに
法人税制の一種の制度欠陥があったので、
新たな制度に置き換えなおした、
ということです。
■ダブルパンチはないのか
先の(1)では、譲渡損否認で
みなし配当も益金不算入で
所得はゼロです。
(2)では、
みなし配当は益金のままで、
譲渡損も損金のままなので、
所得はゼロです。
それでは、
(1)も(2)も適用で、
(1)で譲渡損否認、
(2)でみなし配当が益金のまま、
ということにはならないか、と
心配になりますが、
(1)に該当のときは(2)は適用除外なので、
こういうダブルパンチはありません。
■予定されているものの取得とは
予定されていた事由については
政令で定める、と法律に書いてあります。
それで、政令をみると、
組織再編で取得した株式で
買い戻しが当初から予定されていたようなもの、
のほかは法律で予定しているもの、
と堂々巡りの規定を置いています。
改正の狙いは
組織再編を使った自己株取得節税スキーム潰し、
なのでしょうか。
※関連記事
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2010年7月2日(金)
2010年06月30日
未払賞与の損金処理
1.賞与の損金算入時期の原則
従業員に対して支払う賞与は、
原則として、
その支給日の属する事業年度の
損金の額に算入されます。
従って、
決算日時点で未払いの賞与は
その決算期の損金にはなりませんが、
例外的に、
一定の要件を満たしている場合には、
未払いであっても
賞与の損金算入が認められます。
2.未払いの賞与の損金算入要件
次に掲げる賞与は、
未払経理をすることにより、
未払経理をした事業年度の
損金に算入することができます。
(1)
就業規則等にて定められた支給予定日が
到来している賞与
(使用人に支給額が通知されているもので、
かつその事業年度において損金経理しているもの)
は、
その支給予定日又はその通知した日の
いずれか遅い日の属する事業年度
(2)以下の要件を全て満たす賞与
@
その支給額を各人別に、かつ
同時期に支給を受けるすべての使用人に対して
通知していること
A
通知した金額を、
通知した全ての使用人に対し
その事業年度終了の日の翌日から1ヵ月以内
に支払うこと
B
その支給額につき
通知をした日の属する事業年度において
損金経理していること
3.もうひとつの要件
上記の未払いの賞与が
例外的に損金算入できるのは、
決算日時点で
債務が確定していると
みなすことができるからです。
なお、
賞与規定等において、
「支給日に在職する使用人のみに
賞与を支給する」と定めている会社では、
決算日時点では
最終的に支給する賞与の金額が
確定していないこととなるため、
未払いの賞与の全額
が損金に算入されない点に
注意が必要です。
4.未払いの賞与の社会保険料
未払経理をした賞与に係る社会保険料は、
賞与と同様に
未払経理をした事業年度の
損金にできるでしょうか?
それはできません。
賞与に対する社会保険料の
支払義務が確定するのは、
実際に賞与の支給があった日の月末
となります。
≪参考≫
法人税法施行令
(使用人賞与の損金算入時期)
第72条の3
内国法人がその使用人に対して賞与
(臨時的な給与(債務の免除による利益
その他の経済的な利益を含む。)のうち、
退職給与、他に定期の給与を受けていない者
に対し継続して毎年所定の時期に
定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの
及び法第54条第1項
(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)
に規定する新株予約権によるもの以外のものをいい、
法第34条第5項 (役員給与の損金不算入)に
規定する使用人としての職務を有する役員に対して支給する
当該職務に対する賞与を含む。)
を
支給する場合には、
当該賞与の額について、
次の各号に掲げる賞与の区分に応じ、
当該各号に定める事業年度において
支給されたものとして、
その内国法人の各事業年度の所得の金額を
計算する。
一
労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が
到来している賞与
(使用人にその支給額の通知がされているもので、
かつ、当該支給予定日又は当該通知をした日
の属する事業年度において
その支給額につき損金経理をしているものに限る。)
当該支給予定日又は当該通知をした日の
いずれか遅い日の属する事業年度
二
次に掲げる要件のすべてを満たす賞与
使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度
イ
その支給額を、各人別に、かつ、
同時期に支給を受けるすべての使用人に対して
通知をしていること。
ロ
イの通知をした金額を
当該通知をしたすべての使用人に対し
当該通知をした日の属する事業年度終了の日
の翌日から1月以内に支払っていること。
ハ
その支給額につきイの通知をした日
の属する事業年度において
損金経理をしていること。
三 前2号に掲げる賞与以外の賞与
当該賞与が支払われた日の属する事業年度
法人税基本通達
(支給額の通知)9−2−43
法人が支給日に在職する使用人のみに
賞与を支給することとしている場合の
その支給額の通知は、
令第72条の5第2号イの支給額の通知には
該当しないことに留意する。
(平10年課法2−7「十」により追加、
平19年課法2−3「二十二」により改正)
(社会保険料の損金算入の時期)9−3−2
法人が納付する次に掲げる保険料等の額のうち
当該法人が負担すべき部分の金額は、
当該保険料等の額の計算の対象となった月の
末日の属する事業年度の
損金の額に算入することができる。
(昭55年直法2−15「十三」、平15年課法2−22「九」、
平16年課法2−14「十」により改正)
(1)
健康保険法第155条《保険料》又は
厚生年金保険法第81条《保険料》の規定により
徴収される保険料
(2)
厚生年金保険法第138条《掛金》の規定により
徴収される掛金
(同条第5項《設立事業所の減少に係る掛金の一括徴収》
又は第6項《解散時の掛金の一括徴収》の規定により
徴収される掛金を除く。)
又は
同法第140条《徴収金》の規定により徴収される徴収金
(注)
同法第138条第5項又は第6項
の規定により徴収される掛金については、
納付義務の確定した日の属する事業年度の
損金の額に算入することができる。
※社会保険料の損金算入時期
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2010年6月30日(水)
従業員に対して支払う賞与は、
原則として、
その支給日の属する事業年度の
損金の額に算入されます。
従って、
決算日時点で未払いの賞与は
その決算期の損金にはなりませんが、
例外的に、
一定の要件を満たしている場合には、
未払いであっても
賞与の損金算入が認められます。
2.未払いの賞与の損金算入要件
次に掲げる賞与は、
未払経理をすることにより、
未払経理をした事業年度の
損金に算入することができます。
(1)
就業規則等にて定められた支給予定日が
到来している賞与
(使用人に支給額が通知されているもので、
かつその事業年度において損金経理しているもの)
は、
その支給予定日又はその通知した日の
いずれか遅い日の属する事業年度
(2)以下の要件を全て満たす賞与
@
その支給額を各人別に、かつ
同時期に支給を受けるすべての使用人に対して
通知していること
A
通知した金額を、
通知した全ての使用人に対し
その事業年度終了の日の翌日から1ヵ月以内
に支払うこと
B
その支給額につき
通知をした日の属する事業年度において
損金経理していること
3.もうひとつの要件
上記の未払いの賞与が
例外的に損金算入できるのは、
決算日時点で
債務が確定していると
みなすことができるからです。
なお、
賞与規定等において、
「支給日に在職する使用人のみに
賞与を支給する」と定めている会社では、
決算日時点では
最終的に支給する賞与の金額が
確定していないこととなるため、
未払いの賞与の全額
が損金に算入されない点に
注意が必要です。
4.未払いの賞与の社会保険料
未払経理をした賞与に係る社会保険料は、
賞与と同様に
未払経理をした事業年度の
損金にできるでしょうか?
それはできません。
賞与に対する社会保険料の
支払義務が確定するのは、
実際に賞与の支給があった日の月末
となります。
≪参考≫
法人税法施行令
(使用人賞与の損金算入時期)
第72条の3
内国法人がその使用人に対して賞与
(臨時的な給与(債務の免除による利益
その他の経済的な利益を含む。)のうち、
退職給与、他に定期の給与を受けていない者
に対し継続して毎年所定の時期に
定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの
及び法第54条第1項
(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)
に規定する新株予約権によるもの以外のものをいい、
法第34条第5項 (役員給与の損金不算入)に
規定する使用人としての職務を有する役員に対して支給する
当該職務に対する賞与を含む。)
を
支給する場合には、
当該賞与の額について、
次の各号に掲げる賞与の区分に応じ、
当該各号に定める事業年度において
支給されたものとして、
その内国法人の各事業年度の所得の金額を
計算する。
一
労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が
到来している賞与
(使用人にその支給額の通知がされているもので、
かつ、当該支給予定日又は当該通知をした日
の属する事業年度において
その支給額につき損金経理をしているものに限る。)
当該支給予定日又は当該通知をした日の
いずれか遅い日の属する事業年度
二
次に掲げる要件のすべてを満たす賞与
使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度
イ
その支給額を、各人別に、かつ、
同時期に支給を受けるすべての使用人に対して
通知をしていること。
ロ
イの通知をした金額を
当該通知をしたすべての使用人に対し
当該通知をした日の属する事業年度終了の日
の翌日から1月以内に支払っていること。
ハ
その支給額につきイの通知をした日
の属する事業年度において
損金経理をしていること。
三 前2号に掲げる賞与以外の賞与
当該賞与が支払われた日の属する事業年度
法人税基本通達
(支給額の通知)9−2−43
法人が支給日に在職する使用人のみに
賞与を支給することとしている場合の
その支給額の通知は、
令第72条の5第2号イの支給額の通知には
該当しないことに留意する。
(平10年課法2−7「十」により追加、
平19年課法2−3「二十二」により改正)
(社会保険料の損金算入の時期)9−3−2
法人が納付する次に掲げる保険料等の額のうち
当該法人が負担すべき部分の金額は、
当該保険料等の額の計算の対象となった月の
末日の属する事業年度の
損金の額に算入することができる。
(昭55年直法2−15「十三」、平15年課法2−22「九」、
平16年課法2−14「十」により改正)
(1)
健康保険法第155条《保険料》又は
厚生年金保険法第81条《保険料》の規定により
徴収される保険料
(2)
厚生年金保険法第138条《掛金》の規定により
徴収される掛金
(同条第5項《設立事業所の減少に係る掛金の一括徴収》
又は第6項《解散時の掛金の一括徴収》の規定により
徴収される掛金を除く。)
又は
同法第140条《徴収金》の規定により徴収される徴収金
(注)
同法第138条第5項又は第6項
の規定により徴収される掛金については、
納付義務の確定した日の属する事業年度の
損金の額に算入することができる。
※社会保険料の損金算入時期
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2010年06月29日
課税資産の譲渡等とは
消費税の課税対象は、
@
国内において
事業者が
事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供)
と
A
保税地域から引き取られる外国貨物
とされています。
前者は国内取引、後者は輸入です。
消費税は、あくまで
「国内消費税」という位置づけ
がなされているので、
国外取引は課税対象外(不課税)
ということになります。
したがって、
納付すべき消費税は、原則、
国内における課税資産の譲渡等に係る消費税
から
国内における課税仕入れ
又は保税地域から引き取る課税貨物
に係る消費税の合計額を
控除して算出します。
控除不足額が生じれば、
消費税額は還付です。
■事業活動が海外、国内本店は指令機能
最近では、
中小企業でも第三国間取引や
海外での事業活動
(現地調達、現地生産、現地販売等)
の比重が増え、
国内の本店は
指令機能しか有しない場合もあります。
極端なケースでは、
国内での課税資産の譲渡等に係る消費税が
ほんどなく、
本店の事業は、
金融資産の運用益たる受取利息といった、
非課税売上のみということにも
なりかねません。
このような場合、
国内での課税資産の譲渡等に係る消費税額が
ないので、
国内における本店運営費等(人件費を除く)の
課税仕入れに係る消費税額が
控除できなくなるのではないか
という懸念があります。
■課税売上割合と課税資産の譲渡等
課税売上割合は、
国内における
資産の譲渡等の対価の額の合計額
と
国内における
課税資産の譲渡等の対価の合計額
とをベースに計算することに
なっています。
一方、
課税資産の譲渡等とは、
非課税売上として
消費税法6条に規定されているものを除き、
その譲渡等の場所が国内、国外を問わない
ことになっています。
したがって、
国外での事業収入のほとんどが
課税資産の譲渡等に該当します。
それゆえ、
国内での課税資産の譲渡等
に係る消費税額がなくても、
個別対応方式により
(課税売上割合が95%に満たない場合の
仕入れ税額控除の規定)、
国内における課税仕入れに係る消費税
については、
「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入」
として、
その関連付けを
明確にすることにより
仕入税額控除が可能です。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月29日(火)
@
国内において
事業者が
事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供)
と
A
保税地域から引き取られる外国貨物
とされています。
前者は国内取引、後者は輸入です。
消費税は、あくまで
「国内消費税」という位置づけ
がなされているので、
国外取引は課税対象外(不課税)
ということになります。
したがって、
納付すべき消費税は、原則、
国内における課税資産の譲渡等に係る消費税
から
国内における課税仕入れ
又は保税地域から引き取る課税貨物
に係る消費税の合計額を
控除して算出します。
控除不足額が生じれば、
消費税額は還付です。
■事業活動が海外、国内本店は指令機能
最近では、
中小企業でも第三国間取引や
海外での事業活動
(現地調達、現地生産、現地販売等)
の比重が増え、
国内の本店は
指令機能しか有しない場合もあります。
極端なケースでは、
国内での課税資産の譲渡等に係る消費税が
ほんどなく、
本店の事業は、
金融資産の運用益たる受取利息といった、
非課税売上のみということにも
なりかねません。
このような場合、
国内での課税資産の譲渡等に係る消費税額が
ないので、
国内における本店運営費等(人件費を除く)の
課税仕入れに係る消費税額が
控除できなくなるのではないか
という懸念があります。
■課税売上割合と課税資産の譲渡等
課税売上割合は、
国内における
資産の譲渡等の対価の額の合計額
と
国内における
課税資産の譲渡等の対価の合計額
とをベースに計算することに
なっています。
一方、
課税資産の譲渡等とは、
非課税売上として
消費税法6条に規定されているものを除き、
その譲渡等の場所が国内、国外を問わない
ことになっています。
したがって、
国外での事業収入のほとんどが
課税資産の譲渡等に該当します。
それゆえ、
国内での課税資産の譲渡等
に係る消費税額がなくても、
個別対応方式により
(課税売上割合が95%に満たない場合の
仕入れ税額控除の規定)、
国内における課税仕入れに係る消費税
については、
「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入」
として、
その関連付けを
明確にすることにより
仕入税額控除が可能です。
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2010年6月29日(火)
2010年06月25日
解散後事業年度〜会社法、税法
■会社解散等の清算所得課税の廃止
平成22年度税制改正により、
法人税の清算所得課税は廃止され、
通常の各事業年度の所得課税に移行する
ことになりました。
課税所得の計算構造については、
期限切れ欠損金の損金算入や
完全親会社への青色欠損金の引継ぎ等の
重要改正がありました。
■みなし事業年度はどうなったか
解散に伴うみなし事業年度の規定には
変更はありませんでした。
変更はなかったものの、
みなし事業年度については、
旧商法の改正と会社法の立法に際して、
税法の規定は
表面上何も変わらなかったのに、
会社法が変わったことにより、
税法のみなし事業年度規定には
実質的に大きな変更があったので、
ここで復習しておきます。
■旧商法と法人税の旧解釈
旧商法では、
会社が解散等によって
清算した場合の営業年度等に関する規定は
特になく、
解散後においても
会社定款等の定めの営業年度等によると
解釈されており、
税法上もこれを承けて、
解散によって、
通常の事業年度が分断された場合、
その事業年度開始の日から
解散の日までの期間
及び、解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間
が、
それぞれ
みなし事業年度となる
と規定されていました。
■新会社法と法人税の新解釈
これに対して、新会社法では、
株式会社が解散して
清算が開始する場合には、
解散の日の翌日から一年の期間
を
清算事務年度とする、という
新しい規定を設けました。
そのため、
清算事務年度に入った場合には、
会社の定款がどのような定めをしていたか
とは無関係に、
清算日の翌日が事業年度の期首日となり、
毎年これが繰り返される
ことになりました。
税法の条文は変更されませんでしたが、
その事業年度開始の日から
解散の日までの期間についての
みなし事業年度は従来と変わらないものの、
解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間、
の意味がまったく変わってしまい、
みなし事業年度ではなく、
本来の事業年度となりました。
解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間、
は
新会社法でそのまま1年と定められた
からです。
■解散の日は適切に決めよう
この清算事業年度は
定款ではなく、法律の規定に依っているので、
事業年度の変更をすることもできません。
長期の清算期間を予定するときには、
区切りのよい日を
清算日とすることも肝要です。
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2010年6月25日(金)
平成22年度税制改正により、
法人税の清算所得課税は廃止され、
通常の各事業年度の所得課税に移行する
ことになりました。
課税所得の計算構造については、
期限切れ欠損金の損金算入や
完全親会社への青色欠損金の引継ぎ等の
重要改正がありました。
■みなし事業年度はどうなったか
解散に伴うみなし事業年度の規定には
変更はありませんでした。
変更はなかったものの、
みなし事業年度については、
旧商法の改正と会社法の立法に際して、
税法の規定は
表面上何も変わらなかったのに、
会社法が変わったことにより、
税法のみなし事業年度規定には
実質的に大きな変更があったので、
ここで復習しておきます。
■旧商法と法人税の旧解釈
旧商法では、
会社が解散等によって
清算した場合の営業年度等に関する規定は
特になく、
解散後においても
会社定款等の定めの営業年度等によると
解釈されており、
税法上もこれを承けて、
解散によって、
通常の事業年度が分断された場合、
その事業年度開始の日から
解散の日までの期間
及び、解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間
が、
それぞれ
みなし事業年度となる
と規定されていました。
■新会社法と法人税の新解釈
これに対して、新会社法では、
株式会社が解散して
清算が開始する場合には、
解散の日の翌日から一年の期間
を
清算事務年度とする、という
新しい規定を設けました。
そのため、
清算事務年度に入った場合には、
会社の定款がどのような定めをしていたか
とは無関係に、
清算日の翌日が事業年度の期首日となり、
毎年これが繰り返される
ことになりました。
税法の条文は変更されませんでしたが、
その事業年度開始の日から
解散の日までの期間についての
みなし事業年度は従来と変わらないものの、
解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間、
の意味がまったく変わってしまい、
みなし事業年度ではなく、
本来の事業年度となりました。
解散の日の翌日から
その事業年度の終了の日までの期間、
は
新会社法でそのまま1年と定められた
からです。
■解散の日は適切に決めよう
この清算事業年度は
定款ではなく、法律の規定に依っているので、
事業年度の変更をすることもできません。
長期の清算期間を予定するときには、
区切りのよい日を
清算日とすることも肝要です。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月25日(金)
2010年06月21日
会社解散・清算の税務〜平成22年度改正税法
■清算所得課税の廃止
今年の税制改正で、
清算所得課税は廃止されることに
なりました。
この改正は即施行ではなく、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
それ以前の解散については
従前の清算所得課税の規定が適用されます。
■財産処分や債務免除による益への課税
なお、
清算中の事業年度における、
課税所得計算においては、
清算所得課税ではなく、
通常の各事業年度の所得計算を行うことに
なりましたが、
残余財産がない会社が解散した時に、
従前の制度下ではありえないような、
清算処理の中途段階での
思わぬ課税を受けないよう、
配慮もされました。
■期限切れ欠損金の損金算入
すなわち、
解散により株主に分配する残余財産がない
と見込まれるとき、
すなわち最終的な債務超過が
見込まれるときは、
期限切れ欠損金の損金算入を
認められることになった
ということです。
その見込みの予測は一回限り
ということではないので、
各決算申告時に予測し直して、
その予測見込にもとづいて、
期限切れ欠損金の損金算入を
することになります。
ここで言う期限切れ欠損金とは、
税務上特に管理されてきたものはないので、
税務上の利益積立金のマイナス残の金額を
指すものと思われます。
■清算事業年度での交際費、仮装経理
また、
清算中の事業年度については、
交際費損金不算入は不適用、
仮装経理税額は即還付とされていたところ、
今後は
交際費課税は適用されることになり、
仮装経理税額は
清算確定ではじめて即還付、
それまで5年間は
納付税額と相殺となりました。
これも、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
■解散後の親会社への影響
なお、
解散会社が債務超過状態で解散したとき、
その株主が法人だった場合には、
子会社株式消滅損の損金算入処理を
します。
ただし、
子会社の100%親会社だった場合には、
子会社株式消滅損は
損金不算入ということになりました。
そのかわり、
子会社に残った青色欠損金で
引き続き51%超子会社のときに発生したもの
については
親会社に引き継げることになりました。
これも、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
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2010年6月21日(月)
今年の税制改正で、
清算所得課税は廃止されることに
なりました。
この改正は即施行ではなく、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
それ以前の解散については
従前の清算所得課税の規定が適用されます。
■財産処分や債務免除による益への課税
なお、
清算中の事業年度における、
課税所得計算においては、
清算所得課税ではなく、
通常の各事業年度の所得計算を行うことに
なりましたが、
残余財産がない会社が解散した時に、
従前の制度下ではありえないような、
清算処理の中途段階での
思わぬ課税を受けないよう、
配慮もされました。
■期限切れ欠損金の損金算入
すなわち、
解散により株主に分配する残余財産がない
と見込まれるとき、
すなわち最終的な債務超過が
見込まれるときは、
期限切れ欠損金の損金算入を
認められることになった
ということです。
その見込みの予測は一回限り
ということではないので、
各決算申告時に予測し直して、
その予測見込にもとづいて、
期限切れ欠損金の損金算入を
することになります。
ここで言う期限切れ欠損金とは、
税務上特に管理されてきたものはないので、
税務上の利益積立金のマイナス残の金額を
指すものと思われます。
■清算事業年度での交際費、仮装経理
また、
清算中の事業年度については、
交際費損金不算入は不適用、
仮装経理税額は即還付とされていたところ、
今後は
交際費課税は適用されることになり、
仮装経理税額は
清算確定ではじめて即還付、
それまで5年間は
納付税額と相殺となりました。
これも、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
■解散後の親会社への影響
なお、
解散会社が債務超過状態で解散したとき、
その株主が法人だった場合には、
子会社株式消滅損の損金算入処理を
します。
ただし、
子会社の100%親会社だった場合には、
子会社株式消滅損は
損金不算入ということになりました。
そのかわり、
子会社に残った青色欠損金で
引き続き51%超子会社のときに発生したもの
については
親会社に引き継げることになりました。
これも、
平成22年10月1日以後に解散した場合に
適用されます。
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2010年6月21日(月)
2010年06月18日
IBMスキームと税制改正
IBMの節税スキーム
(1)
米IBMは2002年にAPHという持株会社を日本に設立。
米IBMが持つすべての日本IBM株を
この持株会社に2兆円で売却。
(2)
日本IBMは持株会社から
自己株の一部を3回に分けて
5千億円で購入。
持株会社に税務上の4千億円の赤字発生。
(3)
2008年に連結納税制度を導入。
持株会社の税務上の赤字と、
日本IBMの生み出した
税務上の千数百億円超の黒字を相殺し、
三百数十億円の納税額を圧縮。
■自己株による損金発生のメカニズム
推測するに、
購入株式5千億円に対応する
日本IBMの資本金等は千億円。
5千億円との差額4千億円は
みなし配当となり、かつ譲渡損となるが、
配当は益金不算入、譲渡損は単純損金。
これに対して、国税当局は、法
令の乱用として
4千億円の赤字を否認し
圧縮納税額を追徴したと
報じられています。
■税理士会機関紙で公開の節税手法
M&A等で買ってきた
子会社株式の取得価額が高い場合には、
子会社から配当を受ける代わりに、
子会社にその株式を
自己株式として取得させることにより、
受取配当金の益金不算入と譲渡損の計上で、
税務上の損金を
多額に計上することも可能である、との
節税手法が東京税理士会の機関紙で
紹介されたことがありましたが、
今回は
配当代用自己株取得ではなく、
連結納税導入の手口でした。
■法令の乱用とは行為計算否認のことか
こういう手法の中で、
特に親会社が子会社に
自己株を買い取らせるということについて、
節税以外に
その行為選択の理由がないとすると、
行為計算否認規定が適用される余地大
とするのが常識です。
情報によると、
これら類似の隠れた節税手法は
他にもありそうで、
IBMスキームは否認しやすい事例だった
ようです。
今年の改正税法で手当
多々あったであろう
この手の節税手法を封ずるために、
今年の税制改正で、
完全支配関係にある内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡した時には、
みなし配当の額は生じ得るが、
譲渡損益はないこととされました。
改正税法の適用は10月1日以後です。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月18日(金)
(1)
米IBMは2002年にAPHという持株会社を日本に設立。
米IBMが持つすべての日本IBM株を
この持株会社に2兆円で売却。
(2)
日本IBMは持株会社から
自己株の一部を3回に分けて
5千億円で購入。
持株会社に税務上の4千億円の赤字発生。
(3)
2008年に連結納税制度を導入。
持株会社の税務上の赤字と、
日本IBMの生み出した
税務上の千数百億円超の黒字を相殺し、
三百数十億円の納税額を圧縮。
■自己株による損金発生のメカニズム
推測するに、
購入株式5千億円に対応する
日本IBMの資本金等は千億円。
5千億円との差額4千億円は
みなし配当となり、かつ譲渡損となるが、
配当は益金不算入、譲渡損は単純損金。
これに対して、国税当局は、法
令の乱用として
4千億円の赤字を否認し
圧縮納税額を追徴したと
報じられています。
■税理士会機関紙で公開の節税手法
M&A等で買ってきた
子会社株式の取得価額が高い場合には、
子会社から配当を受ける代わりに、
子会社にその株式を
自己株式として取得させることにより、
受取配当金の益金不算入と譲渡損の計上で、
税務上の損金を
多額に計上することも可能である、との
節税手法が東京税理士会の機関紙で
紹介されたことがありましたが、
今回は
配当代用自己株取得ではなく、
連結納税導入の手口でした。
■法令の乱用とは行為計算否認のことか
こういう手法の中で、
特に親会社が子会社に
自己株を買い取らせるということについて、
節税以外に
その行為選択の理由がないとすると、
行為計算否認規定が適用される余地大
とするのが常識です。
情報によると、
これら類似の隠れた節税手法は
他にもありそうで、
IBMスキームは否認しやすい事例だった
ようです。
今年の改正税法で手当
多々あったであろう
この手の節税手法を封ずるために、
今年の税制改正で、
完全支配関係にある内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡した時には、
みなし配当の額は生じ得るが、
譲渡損益はないこととされました。
改正税法の適用は10月1日以後です。
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2010年6月18日(金)
2010年06月14日
小規模と倒産防止共済の改正案
平成22年度税制改正を受け、
「小規模企業共済法
及び
中小企業倒産防止共済法
(経営セーフティ共済)の
一部を改正する法案が
平成22年4月14日成立、
同月21日に公布されました。
しかし、
その実施時期はそれぞれ異なり、
小規模共済法は公布日から1年以内、
一方、
倒産防止共済法は1年半以内で
詳細な施行日は未定です。
この2つの共済制度は、
個人事業者や中小企業の
将来に対する備えとして、
長期にわたり
セーフティネット機能を果たしてきました。
そして、
今回の改正で、
さらに、その機能が強化されました。
以下、
両制度の主な改正内容を見てみましょう。
■小規模企業共済制度の概要と改正内容
この制度は、
小規模企業者のための
「退職金(年金)制度」です。
税法上、掛金は月額7万円が限度で、
全額所得控除の対象、
また、
受取る共済金も退職所得控除、
公的年金等の雑所得の対象
になります。
今回の改正最大のポイントは、
加入対象者の拡大です。
改正前は、
個人事業形態では事業主ただ1人しか
加入できませんでしたが、
今回、個人事業主の配偶者や
後継者などの共同経営者2人まで
加入が拡大されました。
また、
共同経営者については、
必ずしもその親族に限定されていません。
■倒産防止共済制度の概要と改正
この制度は、
別名「経営セーフティ共済」とも呼ばれ、
万一、
取引先の倒産等により
売掛金等の債権の回収が困難になったときに、
共済金の貸付が受けられる制度があり、
中小企業を連鎖倒産から守ることを
目的とします。
具体的には、
月額8万円を限度に
最高320万円まで積立ができ、
原則、積立た金額の総額10倍まで、
無利子、無担保、無保証人で
金融審査なく迅速に
資金の貸付が受けられます。
掛金は、
所得税では事業所得の必要経費に、
法人税では損金の額に算入されます
(別表10(6)の添付が必要です)。
■今回の改正の主なポイントは2つです。
1つは、
掛金の積立限度額を800万円に、
貸付限度額を8,000万円に、
一方、
毎月の掛金の限度額が
20万円に引上げる方針、
2つ目は、
共済金を貸付ける事由に
私的整理の一部を追加しました。
具体的には、
弁護士や認定司法書士からの
書面による支払停止通知があった場合
などです。
※小規模企業共済法の一部改正する法律案
※中小企業倒産防止共済法の一部改正する法律案
2010年6月14日(月)
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
「小規模企業共済法
及び
中小企業倒産防止共済法
(経営セーフティ共済)の
一部を改正する法案が
平成22年4月14日成立、
同月21日に公布されました。
しかし、
その実施時期はそれぞれ異なり、
小規模共済法は公布日から1年以内、
一方、
倒産防止共済法は1年半以内で
詳細な施行日は未定です。
この2つの共済制度は、
個人事業者や中小企業の
将来に対する備えとして、
長期にわたり
セーフティネット機能を果たしてきました。
そして、
今回の改正で、
さらに、その機能が強化されました。
以下、
両制度の主な改正内容を見てみましょう。
■小規模企業共済制度の概要と改正内容
この制度は、
小規模企業者のための
「退職金(年金)制度」です。
税法上、掛金は月額7万円が限度で、
全額所得控除の対象、
また、
受取る共済金も退職所得控除、
公的年金等の雑所得の対象
になります。
今回の改正最大のポイントは、
加入対象者の拡大です。
改正前は、
個人事業形態では事業主ただ1人しか
加入できませんでしたが、
今回、個人事業主の配偶者や
後継者などの共同経営者2人まで
加入が拡大されました。
また、
共同経営者については、
必ずしもその親族に限定されていません。
■倒産防止共済制度の概要と改正
この制度は、
別名「経営セーフティ共済」とも呼ばれ、
万一、
取引先の倒産等により
売掛金等の債権の回収が困難になったときに、
共済金の貸付が受けられる制度があり、
中小企業を連鎖倒産から守ることを
目的とします。
具体的には、
月額8万円を限度に
最高320万円まで積立ができ、
原則、積立た金額の総額10倍まで、
無利子、無担保、無保証人で
金融審査なく迅速に
資金の貸付が受けられます。
掛金は、
所得税では事業所得の必要経費に、
法人税では損金の額に算入されます
(別表10(6)の添付が必要です)。
■今回の改正の主なポイントは2つです。
1つは、
掛金の積立限度額を800万円に、
貸付限度額を8,000万円に、
一方、
毎月の掛金の限度額が
20万円に引上げる方針、
2つ目は、
共済金を貸付ける事由に
私的整理の一部を追加しました。
具体的には、
弁護士や認定司法書士からの
書面による支払停止通知があった場合
などです。
※小規模企業共済法の一部改正する法律案
※中小企業倒産防止共済法の一部改正する法律案
2010年6月14日(月)
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2010年06月10日
還付加算金とは
還付加算金とは、
税金の還付に対する
一種の利息と考えられ、
還付金の区分により
起算日が定められています。
還付加算金の額は、
起算日より、還付の日までの日数に応じ、
本則、年7.3%の割合を乗じて
計算した金額です。
しかし、
平成12年からは、
特定基準割合
(4%+日本銀行が定める基準割引率=公定歩合)
と
7.3%
の低い方を適用することに
なっています。
なお、
還付加算金は、
個人では雑所得に区分され、
法人では益金の額に算入されます。
■還付加算金の起算日
所得税、法人税の確定申告においては、
原則、
@
源泉徴収税額や所得税額の還付金は、
確定申告期限の翌日(期限後申告の場合は、
その申告日の翌日)から、
また、
A
予定納税や中間納付額の還付金は、
納期限の翌日からです。
なお、
消費税における中間納付額の還付金の起算日も
納期限の翌日からです。
■還付加算金などの端数処理
還付加算金の計算式は、次のようになります。
還付すべき金額×[7.3%又は特定基準割合/365]
×[税法で定められた日から支払決定日又は充当日]
=還付加算金の額
(1)
還付加算金の額を計算する場合において、
その計算の基礎となる
還付すべき金額の額に1万円未満の端数があるとき、
又は
還付すべき金額の額全額が1万円未満であるときは、
その端数金額又はその全額を切り捨てます。
なお、
地方税においては、
上記1万円を2,000円に読み替えた規定
になっています。
(2)
還付加算金に100円未満の端数があるときは、
又はその全額が1,000未満であるときは、
その端数金額又はその全額を切り捨てます。
地方税においても同様の規定です。
■還付加算金の割合見直し
この還付加算金の特例基準割合ですが、
国税、地方税ともに、
現在4.3%と
長期の定期預金金利などと比べても
断然高い利率です。
そこで、
税調などからも総合的な観点から見直し、
検討案もでています。
しかし、
還付加算金の割合は、
利子税の割合、延滞税の割合
(国税では法定申告期限から2ヶ月まで)と
同率が適用されているため、
紆余曲折が予想されます。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月10日(木)
税金の還付に対する
一種の利息と考えられ、
還付金の区分により
起算日が定められています。
還付加算金の額は、
起算日より、還付の日までの日数に応じ、
本則、年7.3%の割合を乗じて
計算した金額です。
しかし、
平成12年からは、
特定基準割合
(4%+日本銀行が定める基準割引率=公定歩合)
と
7.3%
の低い方を適用することに
なっています。
なお、
還付加算金は、
個人では雑所得に区分され、
法人では益金の額に算入されます。
■還付加算金の起算日
所得税、法人税の確定申告においては、
原則、
@
源泉徴収税額や所得税額の還付金は、
確定申告期限の翌日(期限後申告の場合は、
その申告日の翌日)から、
また、
A
予定納税や中間納付額の還付金は、
納期限の翌日からです。
なお、
消費税における中間納付額の還付金の起算日も
納期限の翌日からです。
■還付加算金などの端数処理
還付加算金の計算式は、次のようになります。
還付すべき金額×[7.3%又は特定基準割合/365]
×[税法で定められた日から支払決定日又は充当日]
=還付加算金の額
(1)
還付加算金の額を計算する場合において、
その計算の基礎となる
還付すべき金額の額に1万円未満の端数があるとき、
又は
還付すべき金額の額全額が1万円未満であるときは、
その端数金額又はその全額を切り捨てます。
なお、
地方税においては、
上記1万円を2,000円に読み替えた規定
になっています。
(2)
還付加算金に100円未満の端数があるときは、
又はその全額が1,000未満であるときは、
その端数金額又はその全額を切り捨てます。
地方税においても同様の規定です。
■還付加算金の割合見直し
この還付加算金の特例基準割合ですが、
国税、地方税ともに、
現在4.3%と
長期の定期預金金利などと比べても
断然高い利率です。
そこで、
税調などからも総合的な観点から見直し、
検討案もでています。
しかし、
還付加算金の割合は、
利子税の割合、延滞税の割合
(国税では法定申告期限から2ヶ月まで)と
同率が適用されているため、
紆余曲折が予想されます。
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2010年6月10日(木)
2010年06月08日
平成22年版源泉徴収のしかた
国税庁HPで
平成22年版源泉徴収のしかた
が掲載されています。
※平成22年版源泉徴収のしかた
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月8日(火)
平成22年版源泉徴収のしかた
が掲載されています。
※平成22年版源泉徴収のしかた
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2010年6月8日(火)
2010年06月04日
自己株式の取得に伴うみなし配当と譲渡損益
自己株式の取得は、
それに応じた株主にとっては、
@
有価証券の譲渡とされ、
その譲渡対価
(「交付を受けた金銭等の額」から
「みなし配当」を控除した額)
と
譲渡原価の額
との差額が譲渡損益と認識され、
一方、
A
交付を受けた金銭等の額が
発行会社の資本金等の額を超えた部分は
「みなし配当」と認識され、
受取配当金の益金不算入の適用を
受けることができます。
■みなし配当と譲渡損益の仕訳
これを仕訳で表せば
次のようになります。
(設例)
株式の取得価額(譲渡原価)60、
発行会社から交付を受けた金銭等の額80、
発行会社の資本金等の額50
現金預金 80 / 有価証券 60
有価証券譲渡損10 / 受取配当金 30
※みなし配当に伴う源泉徴収税額は割愛
過日、
日本IBMグループが
自社株購入で赤字を作り出し、
連結納税と組み合わせて
過去最大規模の4,000億円もの
課税回避をしたとの報道がありました。
国税当局は、
これらの行為は
「租税回避行為」にあたるとして
更正処分に踏切ったようです。
一方、IBM側は、
法人税法の規定に従って処理したまでで、
「合法的な節税」であると主張しています。
■自己株式の取得に伴う税務取扱の改正
平成22年度の税制改正において、
この自己株式の取得に伴う
税務上の取扱が改正されました。
改正内容は、次のとおりです。
(1)100%グループ内の法人間の自己株式の譲渡
100%グループ内の内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡する場合には、
譲渡対価を譲渡原価に相当する金額
とすることにより、
その譲渡損益は認識しないことと
されました。
前述の設例の「有価証券譲渡損10」は、
「資本金等の額10」になるものと
思われます。
なお、
「みなし配当」に関しては、
現行法通り、
受取配当金の益金不算入制度が
適用されます。
(2)上記(1)以外の法人間の自己株式の譲渡
自己株式として取得されることを
予定して取得した株式が
自己株式として取得された際に生ずる
「みなし配当」については、
受取配当金の益金不算入制度を
適用しないこととされました。
なお、
有価証券の譲渡損益の認識に関しては、
現行法通り、適用があります。
適用は、
平成22年10月1日以後の譲渡、取得から
です。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年6月4日(金)
それに応じた株主にとっては、
@
有価証券の譲渡とされ、
その譲渡対価
(「交付を受けた金銭等の額」から
「みなし配当」を控除した額)
と
譲渡原価の額
との差額が譲渡損益と認識され、
一方、
A
交付を受けた金銭等の額が
発行会社の資本金等の額を超えた部分は
「みなし配当」と認識され、
受取配当金の益金不算入の適用を
受けることができます。
■みなし配当と譲渡損益の仕訳
これを仕訳で表せば
次のようになります。
(設例)
株式の取得価額(譲渡原価)60、
発行会社から交付を受けた金銭等の額80、
発行会社の資本金等の額50
現金預金 80 / 有価証券 60
有価証券譲渡損10 / 受取配当金 30
※みなし配当に伴う源泉徴収税額は割愛
過日、
日本IBMグループが
自社株購入で赤字を作り出し、
連結納税と組み合わせて
過去最大規模の4,000億円もの
課税回避をしたとの報道がありました。
国税当局は、
これらの行為は
「租税回避行為」にあたるとして
更正処分に踏切ったようです。
一方、IBM側は、
法人税法の規定に従って処理したまでで、
「合法的な節税」であると主張しています。
■自己株式の取得に伴う税務取扱の改正
平成22年度の税制改正において、
この自己株式の取得に伴う
税務上の取扱が改正されました。
改正内容は、次のとおりです。
(1)100%グループ内の法人間の自己株式の譲渡
100%グループ内の内国法人の株式を
発行法人に対して譲渡する場合には、
譲渡対価を譲渡原価に相当する金額
とすることにより、
その譲渡損益は認識しないことと
されました。
前述の設例の「有価証券譲渡損10」は、
「資本金等の額10」になるものと
思われます。
なお、
「みなし配当」に関しては、
現行法通り、
受取配当金の益金不算入制度が
適用されます。
(2)上記(1)以外の法人間の自己株式の譲渡
自己株式として取得されることを
予定して取得した株式が
自己株式として取得された際に生ずる
「みなし配当」については、
受取配当金の益金不算入制度を
適用しないこととされました。
なお、
有価証券の譲渡損益の認識に関しては、
現行法通り、適用があります。
適用は、
平成22年10月1日以後の譲渡、取得から
です。
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2010年6月4日(金)
2010年06月03日
賞与の源泉徴収〜給与計算
■給与と賞与で全く異なる源泉徴収
給与や賞与を支給する時には、
所得税の源泉徴収をしますが、
賞与からの源泉徴収は
毎月の給与からの源泉徴収とは
計算方法が違います。
毎月の給与からの源泉徴収は、
その給与の金額に比例して増減しますが、
賞与からの源泉徴収は、
基本的には
賞与自体の金額には関係なく
計算される仕組みになっています。
■賞与からの源泉徴収
賞与からの源泉徴収は、
社会保険料控除後の賞与の金額に
一定の率を乗じて計算されます。
この一定の率は、
賞与支給月の前月中の「給与」の金額と
扶養親族の数に応じて決められています。
■特殊なケース
前述のとおり、
賞与からの源泉徴収は、
賞与の金額に無関係に、
前月の給与の金額によって
税率が決定されることになるため、
年末調整の際に
不都合が生じる場合があります。
極めて特殊なケースですが、
賞与の形で支給される金額が
とても大きい給与制度になっている場合などで、
例えば前月の給与は5万円程度でも、
賞与は300万円の人がいたとします。
月給が5万円の場合は
賞与に乗じる率はゼロ(0)なので、
300万円の賞与に対して
源泉徴収税額が 0 ということが
起こり得ます。
このようなケースでは、
年末調整の際に
高額な源泉所得税額を追加で
徴収しなければならなくなります。
そこで、
このような不都合を避けるために、
特例が定められています。
■特例の計算
前月中の給与がない場合や
賞与の金額が
前月中の給与の金額の
10倍相当額を超える場合等には、
前述の方法によらず
その賞与の金額を6分の1
(賞与計算の基礎期間が
6カ月を超える場合は12分の1)
にしたうえで、
毎月の給与の源泉徴収と同様に計算した
源泉徴収を行います。
この特例計算によって、
前述のような特殊なケースでも、
源泉徴収税額が過少となる不都合を
避けることができます。
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2010年6月3日(木)
給与や賞与を支給する時には、
所得税の源泉徴収をしますが、
賞与からの源泉徴収は
毎月の給与からの源泉徴収とは
計算方法が違います。
毎月の給与からの源泉徴収は、
その給与の金額に比例して増減しますが、
賞与からの源泉徴収は、
基本的には
賞与自体の金額には関係なく
計算される仕組みになっています。
■賞与からの源泉徴収
賞与からの源泉徴収は、
社会保険料控除後の賞与の金額に
一定の率を乗じて計算されます。
この一定の率は、
賞与支給月の前月中の「給与」の金額と
扶養親族の数に応じて決められています。
■特殊なケース
前述のとおり、
賞与からの源泉徴収は、
賞与の金額に無関係に、
前月の給与の金額によって
税率が決定されることになるため、
年末調整の際に
不都合が生じる場合があります。
極めて特殊なケースですが、
賞与の形で支給される金額が
とても大きい給与制度になっている場合などで、
例えば前月の給与は5万円程度でも、
賞与は300万円の人がいたとします。
月給が5万円の場合は
賞与に乗じる率はゼロ(0)なので、
300万円の賞与に対して
源泉徴収税額が 0 ということが
起こり得ます。
このようなケースでは、
年末調整の際に
高額な源泉所得税額を追加で
徴収しなければならなくなります。
そこで、
このような不都合を避けるために、
特例が定められています。
■特例の計算
前月中の給与がない場合や
賞与の金額が
前月中の給与の金額の
10倍相当額を超える場合等には、
前述の方法によらず
その賞与の金額を6分の1
(賞与計算の基礎期間が
6カ月を超える場合は12分の1)
にしたうえで、
毎月の給与の源泉徴収と同様に計算した
源泉徴収を行います。
この特例計算によって、
前述のような特殊なケースでも、
源泉徴収税額が過少となる不都合を
避けることができます。
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2010年6月3日(木)
2010年05月19日
修正申告〜提出不可
■修正申告とは
修正申告とは、
納税申告書を提出し、
あるいは更正処分や決定処分があって、
既に税額などが確定している者が、
自らの税額などを
増加させることのために行う手続です。
税額を増加させる権限は
税務署長にもあるので、
修正申告の提出は、
税務署長による更正処分がある前に
行われなければなりません。
■提出無効の修正申告
修正申告の提出は
納税者の自由意志に委ねられているので、
提出されれば
どんな修正申告書も有効か、というと
必ずしもそうではありません。
国税の徴収権は、
偽りその他不正の行為により税額を免れた場合
を除き、
その法定納期限から
5年間行使しないときには
消滅することとなるので
5年を超えた年分の修正申告書は
提出することができません。
■提出不可の修正申告
修正申告は、
既に確定済みの課税標準等又は税額等を
修正するために提出するものですが、
◆税額に不足額があるとき
◆純損失等の金額が過大であるとき
◆還付税金の額が過大であるとき
◆納付税額を無から有にするとき
に提出するとの、
法律の規定になっているので、
税額に異動はないが
所得金額を増加させる
というような修正申告書は
提出できないことになっています。
たとえば、
繰越欠損金を使い切れずに
切捨てることになった場合において、
本来は計上すべきであった売上
があったので、
切捨て欠損金を減らすことになる修正申告書
を提出しようとするようなときです。
■扶養親族の所属の変更目的の修正申告
同一生計内に
2人以上の納税者がいる場合において、
その控除対象配偶者又は扶養親族は、
納税者の選択により
そのうちいずれか1人にのみ
該当するものとされ、
その選択は、
@「予定納税額の減額の承認申請書」、
A「確定申告書」、
B「給与所得者の扶養控除等申告書」
に記載されたところにより
適用することとなっています。
上記の申告書等には、
「修正申告書」も「更正の請求書」も
含まれていないので、
一方が「修正申告書」を、
他方が「更正の請求書」を提出しても、
それによる所属の変更は認められません。
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2010年5月19日(水)
修正申告とは、
納税申告書を提出し、
あるいは更正処分や決定処分があって、
既に税額などが確定している者が、
自らの税額などを
増加させることのために行う手続です。
税額を増加させる権限は
税務署長にもあるので、
修正申告の提出は、
税務署長による更正処分がある前に
行われなければなりません。
■提出無効の修正申告
修正申告の提出は
納税者の自由意志に委ねられているので、
提出されれば
どんな修正申告書も有効か、というと
必ずしもそうではありません。
国税の徴収権は、
偽りその他不正の行為により税額を免れた場合
を除き、
その法定納期限から
5年間行使しないときには
消滅することとなるので
5年を超えた年分の修正申告書は
提出することができません。
■提出不可の修正申告
修正申告は、
既に確定済みの課税標準等又は税額等を
修正するために提出するものですが、
◆税額に不足額があるとき
◆純損失等の金額が過大であるとき
◆還付税金の額が過大であるとき
◆納付税額を無から有にするとき
に提出するとの、
法律の規定になっているので、
税額に異動はないが
所得金額を増加させる
というような修正申告書は
提出できないことになっています。
たとえば、
繰越欠損金を使い切れずに
切捨てることになった場合において、
本来は計上すべきであった売上
があったので、
切捨て欠損金を減らすことになる修正申告書
を提出しようとするようなときです。
■扶養親族の所属の変更目的の修正申告
同一生計内に
2人以上の納税者がいる場合において、
その控除対象配偶者又は扶養親族は、
納税者の選択により
そのうちいずれか1人にのみ
該当するものとされ、
その選択は、
@「予定納税額の減額の承認申請書」、
A「確定申告書」、
B「給与所得者の扶養控除等申告書」
に記載されたところにより
適用することとなっています。
上記の申告書等には、
「修正申告書」も「更正の請求書」も
含まれていないので、
一方が「修正申告書」を、
他方が「更正の請求書」を提出しても、
それによる所属の変更は認められません。
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2010年5月19日(水)
2010年05月18日
加算税〜期限後申告・過少申告
■無申告加算税と過少申告加算税
期限後申告には、
申告によって納める税金のほかに
無申告加算税が課されます。
原則として、
納付すべき税額のうち
50万円までは15%、
50万円を超える部分は20%の割合
となります。
ただし、
自主的期限後申告の無申告加算税は5%です。
修正申告には、
修正により増加する税金のほかに
過少申告加算税がかかります。
増加税額の10%相当額です。
なお、
増加税額が
当初の申告納税額と50万円との
いずれか多い金額を超えている場合、
その超えている部分については
15%になります。
ただし、
自主的修正申告には
過少申告加算税はかかりません。
■期限後還付請求申告についての加算税
予定納税額又は源泉徴収税額の
還付を受けるために提出する申告書を
「還付請求申告書」といいます。
還付のための申告は
例え期限後であっても
加算税の対象になりません。
しかし、
期限後に還付請求申告があった場合で、
その後の更正又は修正申告によって
増差税額が生じた時には
加算税が課せられます。
なお、
当初の還付金が多すぎただけの場合には、
増差税額に対して課せられるのは
過少申告加算税です。
当初から本来は還付ではなく
納税申告書を提出すべきであった場合には、
増差税額に対して課せられるのは
無申告加算税です。
■自主的申告であったとしても
期限後又は修正申告書の提出が
調査による更正又は決定を
予知してなされたものでない場合が
自主的申告です。
自主的修正申告には
加算税というペナルティーはなく、
自主的期限後申告には
無申告加算税というペナルティーも5%
と軽減されています。
では、
自主申告と税務署の指摘による申告とが
混合しているときは、
どうなるかというと、
税務署が指摘していない内容を
含むものであったとしても、
その提出自体が
税務署の指摘に基づいてされたもの
である限り、
無申告加算税や過少申告加算税の
軽減措置の適用は一切ありません。
申告によって
新たに納める税額全体に対して
軽減のない無申告加算税又は過少申告加算税が
課せられます。
※参考
国税通則法
第65条(過少申告加算税)
期限内申告書
(還付請求申告書を含む。第3項において同じ。)
が提出された場合
(期限後申告書が提出された場合において、
次条第1項ただし書又は第6項の規定の
適用があるときを含む。)において、
修正申告書の提出又は更正があったときは、
当該納税者に対し、
その修正申告又は更正に基づき
第35条第2項(期限後申告等による納付)
の規定により納付すべき税額に
100分の10の割合を乗じて計算した金額
に相当する過少申告加算税を課する。
2
前項の規定に該当する場合において、
同項に規定する納付すべき税額が
その国税に係る期限内申告税額に相当する金額と
50万円とのいずれか多い金額を超えるときは、
同項の過少申告加算税の額は、
同項の規定にかかわらず、
同項の規定により計算した金額に、
当該超える部分に相当する税額
(同項に規定する納付すべき税額が
当該超える部分に相当する税額に満たないときは、
当該納付すべき税額)に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
を加算した金額とする。
5
第1項の規定は、
修正申告書の提出があつた場合において、
その提出が、その申告に係る国税についての
調査があったことにより
当該国税について更正があるべきことを
予知してされたものでないときは、
適用しない。
第66条(無申告加算税)
次の各号のいずれかに該当する場合には、
当該納税者に対し、
当該各号に規定する申告、更正又は決定
に基づき第35条第2項
(期限後申告等による納付)の規定により
納付すべき税額に
100分の15の割合を乗じて計算した金額
に相当する無申告加算税を課する。
ただし、
期限内申告書の提出がなかったことについて
正当な理由があると認められる場合は、
この限りでない。
◆1
期限後申告書の提出又は第25条(決定)
の規定による決定があった場合
◆2
期限後申告書の提出又は
第25条の規定による決定があった後に
修正申告書の提出又は更正があった場合
2
前項の規定に該当する場合において、
同項に規定する納付すべき税額
(同項第2号の修正申告書の提出
又は更正があつたときは、
その国税に係る累積納付税額を加算した金額)
が
50万円を超えるときは、
同項の無申告加算税の額は、
同項の規定にかかわらず、
同項の規定により計算した金額に、
当該超える部分に相当する税額
(同項に規定する納付すべき税額が
当該超える部分に相当する税額に満たないときは、
当該納付すべき税額)
に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
を加算した金額とする。
5
期限後申告書又は第1項第2号の
修正申告書の提出があった場合において、
その提出が、
その申告に係る国税についての
調査があったことにより
当該国税について更正又は決定があるべきことを
予知してされたものでないときは、
その申告に基づき
第35条第2項の規定により納付すべき税額
に係る第1項の無申告加算税の額は、
同項及び第2項の規定にかかわらず、
当該納付すべき税額に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
とする。
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2010年5月18日(火)
期限後申告には、
申告によって納める税金のほかに
無申告加算税が課されます。
原則として、
納付すべき税額のうち
50万円までは15%、
50万円を超える部分は20%の割合
となります。
ただし、
自主的期限後申告の無申告加算税は5%です。
修正申告には、
修正により増加する税金のほかに
過少申告加算税がかかります。
増加税額の10%相当額です。
なお、
増加税額が
当初の申告納税額と50万円との
いずれか多い金額を超えている場合、
その超えている部分については
15%になります。
ただし、
自主的修正申告には
過少申告加算税はかかりません。
■期限後還付請求申告についての加算税
予定納税額又は源泉徴収税額の
還付を受けるために提出する申告書を
「還付請求申告書」といいます。
還付のための申告は
例え期限後であっても
加算税の対象になりません。
しかし、
期限後に還付請求申告があった場合で、
その後の更正又は修正申告によって
増差税額が生じた時には
加算税が課せられます。
なお、
当初の還付金が多すぎただけの場合には、
増差税額に対して課せられるのは
過少申告加算税です。
当初から本来は還付ではなく
納税申告書を提出すべきであった場合には、
増差税額に対して課せられるのは
無申告加算税です。
■自主的申告であったとしても
期限後又は修正申告書の提出が
調査による更正又は決定を
予知してなされたものでない場合が
自主的申告です。
自主的修正申告には
加算税というペナルティーはなく、
自主的期限後申告には
無申告加算税というペナルティーも5%
と軽減されています。
では、
自主申告と税務署の指摘による申告とが
混合しているときは、
どうなるかというと、
税務署が指摘していない内容を
含むものであったとしても、
その提出自体が
税務署の指摘に基づいてされたもの
である限り、
無申告加算税や過少申告加算税の
軽減措置の適用は一切ありません。
申告によって
新たに納める税額全体に対して
軽減のない無申告加算税又は過少申告加算税が
課せられます。
※参考
国税通則法
第65条(過少申告加算税)
期限内申告書
(還付請求申告書を含む。第3項において同じ。)
が提出された場合
(期限後申告書が提出された場合において、
次条第1項ただし書又は第6項の規定の
適用があるときを含む。)において、
修正申告書の提出又は更正があったときは、
当該納税者に対し、
その修正申告又は更正に基づき
第35条第2項(期限後申告等による納付)
の規定により納付すべき税額に
100分の10の割合を乗じて計算した金額
に相当する過少申告加算税を課する。
2
前項の規定に該当する場合において、
同項に規定する納付すべき税額が
その国税に係る期限内申告税額に相当する金額と
50万円とのいずれか多い金額を超えるときは、
同項の過少申告加算税の額は、
同項の規定にかかわらず、
同項の規定により計算した金額に、
当該超える部分に相当する税額
(同項に規定する納付すべき税額が
当該超える部分に相当する税額に満たないときは、
当該納付すべき税額)に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
を加算した金額とする。
5
第1項の規定は、
修正申告書の提出があつた場合において、
その提出が、その申告に係る国税についての
調査があったことにより
当該国税について更正があるべきことを
予知してされたものでないときは、
適用しない。
第66条(無申告加算税)
次の各号のいずれかに該当する場合には、
当該納税者に対し、
当該各号に規定する申告、更正又は決定
に基づき第35条第2項
(期限後申告等による納付)の規定により
納付すべき税額に
100分の15の割合を乗じて計算した金額
に相当する無申告加算税を課する。
ただし、
期限内申告書の提出がなかったことについて
正当な理由があると認められる場合は、
この限りでない。
◆1
期限後申告書の提出又は第25条(決定)
の規定による決定があった場合
◆2
期限後申告書の提出又は
第25条の規定による決定があった後に
修正申告書の提出又は更正があった場合
2
前項の規定に該当する場合において、
同項に規定する納付すべき税額
(同項第2号の修正申告書の提出
又は更正があつたときは、
その国税に係る累積納付税額を加算した金額)
が
50万円を超えるときは、
同項の無申告加算税の額は、
同項の規定にかかわらず、
同項の規定により計算した金額に、
当該超える部分に相当する税額
(同項に規定する納付すべき税額が
当該超える部分に相当する税額に満たないときは、
当該納付すべき税額)
に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
を加算した金額とする。
5
期限後申告書又は第1項第2号の
修正申告書の提出があった場合において、
その提出が、
その申告に係る国税についての
調査があったことにより
当該国税について更正又は決定があるべきことを
予知してされたものでないときは、
その申告に基づき
第35条第2項の規定により納付すべき税額
に係る第1項の無申告加算税の額は、
同項及び第2項の規定にかかわらず、
当該納付すべき税額に
100分の5の割合を乗じて計算した金額
とする。
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年5月18日(火)
2010年05月14日
法定利率、延滞税
2005年12月に起きた
ジェイコム株の誤発注事件を巡り、
みずほ証券が東京証券取引所に
約415億円の損害賠償金を求めていた訴訟で、
昨年12月、東京地裁は
約107億円の損害賠償の支払を命じました。
その後、
この訴訟は控訴審で引続き争われている
ようです。
訴訟の内容はともかく、
東証の賠償金が膨らんでいるのは、
4年分の金利に当たる
約25億円の遅延損害金が
加算されているためと言われています。
■超低金利時代の高い法定利率
損害賠償債務のような
金銭の支払を目的とする
債務の遅延損害金の場合、
当事者の合意がなければ、
民法の定める年5分の民事法定利率か、
または商法の定める年6分の商事法定利率
によって計算されます。
この法定利率の趣旨は、
得べかりし運用益、言い換えれば、
被害者が賠償金を現実に受取るまでの期間
について「利子」を付けてもらわないと、
実質損害が填補されたとは言えない、
ということでしょう。
であれば、
現下の超低金利時代に
この法定利率はあまりにも
高すぎはしないかという疑問が生じます。
この法定利率は、
法の趣旨からいって、
罰則、懲罰的な意味を込めて定めている
わけではないと思料します。
高度成長時代から昭和の終わりにかけては、
市場金利が9%前後も
珍しくありませんでした。
しかし、現状の金利水準を考えると、
法定利率が今も昔も
同じ水準というのは問題です。
■税務はすでに対応した
税務においては、
資金繰りが厳しくて
納期限までに税金が支払えなかった場合には、
その遅延による損害金
(税法では「延滞税」)は、
懲罰的な意味を込めて(税の公平性の観点から)、
納期限から2ヶ月以内までの期間は
未納税の7.3%でした。
しかし、平成12年1月1日以後については、
年7.3%
と
各年の前年の11月30日を経過するとき
における公定歩合に4%を加算した割合
のいずれ低い方で計算することに
改められました。
(遅延が2ヶ月を超える場合の
14.6%は変更ありません)。
現在、
債権法の見直し作業が進められており、
この法定利率も
変動方式に改めることも検討されている
ようです。
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2010年5月14日(金)
ジェイコム株の誤発注事件を巡り、
みずほ証券が東京証券取引所に
約415億円の損害賠償金を求めていた訴訟で、
昨年12月、東京地裁は
約107億円の損害賠償の支払を命じました。
その後、
この訴訟は控訴審で引続き争われている
ようです。
訴訟の内容はともかく、
東証の賠償金が膨らんでいるのは、
4年分の金利に当たる
約25億円の遅延損害金が
加算されているためと言われています。
■超低金利時代の高い法定利率
損害賠償債務のような
金銭の支払を目的とする
債務の遅延損害金の場合、
当事者の合意がなければ、
民法の定める年5分の民事法定利率か、
または商法の定める年6分の商事法定利率
によって計算されます。
この法定利率の趣旨は、
得べかりし運用益、言い換えれば、
被害者が賠償金を現実に受取るまでの期間
について「利子」を付けてもらわないと、
実質損害が填補されたとは言えない、
ということでしょう。
であれば、
現下の超低金利時代に
この法定利率はあまりにも
高すぎはしないかという疑問が生じます。
この法定利率は、
法の趣旨からいって、
罰則、懲罰的な意味を込めて定めている
わけではないと思料します。
高度成長時代から昭和の終わりにかけては、
市場金利が9%前後も
珍しくありませんでした。
しかし、現状の金利水準を考えると、
法定利率が今も昔も
同じ水準というのは問題です。
■税務はすでに対応した
税務においては、
資金繰りが厳しくて
納期限までに税金が支払えなかった場合には、
その遅延による損害金
(税法では「延滞税」)は、
懲罰的な意味を込めて(税の公平性の観点から)、
納期限から2ヶ月以内までの期間は
未納税の7.3%でした。
しかし、平成12年1月1日以後については、
年7.3%
と
各年の前年の11月30日を経過するとき
における公定歩合に4%を加算した割合
のいずれ低い方で計算することに
改められました。
(遅延が2ヶ月を超える場合の
14.6%は変更ありません)。
現在、
債権法の見直し作業が進められており、
この法定利率も
変動方式に改めることも検討されている
ようです。
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2010年5月14日(金)
2010年05月10日
医療機器の区分〜特別償却
取得した医療機器が
「器具及び備品」に該当するのか、
それとも
「機械及び装置」に該当するのか、
その判断に
迷うこともあります。
税務当局も
納税者(医療法人等)から
申告書とともに提出された
「中小企業者等が
機械等を取得した場合等の特別償却」
の適用申請書に、
その明細書の記載の種類欄に
「医療機器」、
名称欄に
「血管造影X線診断装置」「超音波診断装置」
との記載があることで、
当該医療機器が
「機械及び装置」に該当するものとして、
同制度の特別償却(税額控除も含む)を
認めていました。
しかし、
この適用が誤りであることを
会計検査院が発見、
同院の指摘を受けた国税庁は、
各国税局に適正な運用を促す
異例の通知を送ったとのことです。
会計検査院の仕事の1つには、
税務行政が適正に運用されているかどうかの
検査権限があります。
言うなれば、
税務署を税務調査するようなものです。
■医療機器は「器具及び備品」に該当
医療機器は、
耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」
のうち
「8医療機器」に当たることから、
「機械及び装置」には該当しない
と判断されます。
なお、
中小企業者等が機械等を取得した場合の
同制度の対象資産は、
@機械及び装置、
A特定の器具及び備品、
B一定のソフトウェア、
C車両総重量3.5t以上の貨物自動車、
D内航海運業用の船舶
となっています。
また、Aの特定の器具及び備品は、
一定の電子計算機など
「事務処理の能率化に資するもの」
となっていますので、
医療機器は
その対象資産から除外されます。
■獣医も医療機器の特別償却が可能か
医療機器には
前述のような制度の適用はありませんが、
医療機関等が取得する一定の医療機器には、
別途、
「医療用機器等の特別償却」の制度
があります。
この制度は、
青色申告書を提出する法人(個人も含む)で
医療保健業を営むものに
その適用が認められています。
そこで、
医療保健業に「獣医業」が含まれるかどうか、
社団法人日本獣医師会からの事前照会に、
国税庁は、
@
医療保健業が人間を要件としていない、
A
公益法人の収益事業34種にある
「医療保健業」に獣医業が含まれていること
を根拠として、
同制度の特別償却の適用が
可能である旨を回答しています。
※
中小企業者等が機械等を取得した場合の
特別償却又は法人税額の特別控除
※中小企業等投資促進税制の概要
〒104-0061 東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年5月10日(月)
「器具及び備品」に該当するのか、
それとも
「機械及び装置」に該当するのか、
その判断に
迷うこともあります。
税務当局も
納税者(医療法人等)から
申告書とともに提出された
「中小企業者等が
機械等を取得した場合等の特別償却」
の適用申請書に、
その明細書の記載の種類欄に
「医療機器」、
名称欄に
「血管造影X線診断装置」「超音波診断装置」
との記載があることで、
当該医療機器が
「機械及び装置」に該当するものとして、
同制度の特別償却(税額控除も含む)を
認めていました。
しかし、
この適用が誤りであることを
会計検査院が発見、
同院の指摘を受けた国税庁は、
各国税局に適正な運用を促す
異例の通知を送ったとのことです。
会計検査院の仕事の1つには、
税務行政が適正に運用されているかどうかの
検査権限があります。
言うなれば、
税務署を税務調査するようなものです。
■医療機器は「器具及び備品」に該当
医療機器は、
耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」
のうち
「8医療機器」に当たることから、
「機械及び装置」には該当しない
と判断されます。
なお、
中小企業者等が機械等を取得した場合の
同制度の対象資産は、
@機械及び装置、
A特定の器具及び備品、
B一定のソフトウェア、
C車両総重量3.5t以上の貨物自動車、
D内航海運業用の船舶
となっています。
また、Aの特定の器具及び備品は、
一定の電子計算機など
「事務処理の能率化に資するもの」
となっていますので、
医療機器は
その対象資産から除外されます。
■獣医も医療機器の特別償却が可能か
医療機器には
前述のような制度の適用はありませんが、
医療機関等が取得する一定の医療機器には、
別途、
「医療用機器等の特別償却」の制度
があります。
この制度は、
青色申告書を提出する法人(個人も含む)で
医療保健業を営むものに
その適用が認められています。
そこで、
医療保健業に「獣医業」が含まれるかどうか、
社団法人日本獣医師会からの事前照会に、
国税庁は、
@
医療保健業が人間を要件としていない、
A
公益法人の収益事業34種にある
「医療保健業」に獣医業が含まれていること
を根拠として、
同制度の特別償却の適用が
可能である旨を回答しています。
※
中小企業者等が機械等を取得した場合の
特別償却又は法人税額の特別控除
※中小企業等投資促進税制の概要
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2010年5月10日(月)
2010年05月06日
第一生命の株式上場〜株主の税務
■第一生命の株式上場
第一生命が、
2010年4月1日に株式会社に組織変更して、
東証1部に上場しました。
第一生命の保険契約者821万人のうち、
120万〜130万人が
株を受け取ったとみられており、
上場に合わせて取得する人も含めると
株主数はNTT
(昨年9月末時点で125万人)を上回って
国内最多の150万人
といわれています。
発行株式総数は1000万株で、
売り出し価格は14万円だったものの、
初値はそれを上回り16万円を付けました。
上場日における株式時価総額は
約1兆6000億円ということになり、
国内企業の中では30位〜50位に
ランク付けされます。
■先行事例がある
ところで、
保険契約者が
組織変更時に株式をもらった場合、
課税はどうなるのでしょうか。
生保会社の株式会社化としては、
・大同生命(2002年)・太陽生命(2003年)
・三井生命(2004年)に次いで
4社目なので、
先例を確認することになります。
大同生命保険が
株式会社化されたときの処理が
公開されています。
■割当てを受けた株式に係る課税関係
@
保険契約者が受け取る
割当株式に係る経済的利益は、
株式会社化に伴って
偶然に実現する一時の所得なので、
<所得税>
個人については一時所得の収入金額、
<法人税>
法人については益金の額とされます。
A
割当株式の評価額は、
適正な時価を反映させる方式で出した
売り出し価格により評価することと
されています。
B
ただし、組織変更と同時に
強制売却される端株については、
保険契約者が端株に関する権利を
行使できないことから、
実際に交付される金銭の額により
評価します。
■原価はゼロ
保険契約者には、
保険会社への寄与度に応じて
株式が交付されるようです。
即ち、
生命保険会社を儲けさせてきた人には
沢山の交付があり、
古くからの個人年金保険や
一時払養老保険などのように
予定利回りが高くて
逆ザヤの人には株式の交付なし、
ということなのでしょうから、
過去の保険会社への提供利益の
一定割合が株式の原価になるとも言えます。
しかし、計算可能性の困難さもあり、
一種の割り切りで、
原価はゼロの扱いです。
※ 参考
大同生命保険相互会社が
株式会社へ組織変更した場合の
税務上の取扱い
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2010年5月6日(木)
第一生命が、
2010年4月1日に株式会社に組織変更して、
東証1部に上場しました。
第一生命の保険契約者821万人のうち、
120万〜130万人が
株を受け取ったとみられており、
上場に合わせて取得する人も含めると
株主数はNTT
(昨年9月末時点で125万人)を上回って
国内最多の150万人
といわれています。
発行株式総数は1000万株で、
売り出し価格は14万円だったものの、
初値はそれを上回り16万円を付けました。
上場日における株式時価総額は
約1兆6000億円ということになり、
国内企業の中では30位〜50位に
ランク付けされます。
■先行事例がある
ところで、
保険契約者が
組織変更時に株式をもらった場合、
課税はどうなるのでしょうか。
生保会社の株式会社化としては、
・大同生命(2002年)・太陽生命(2003年)
・三井生命(2004年)に次いで
4社目なので、
先例を確認することになります。
大同生命保険が
株式会社化されたときの処理が
公開されています。
■割当てを受けた株式に係る課税関係
@
保険契約者が受け取る
割当株式に係る経済的利益は、
株式会社化に伴って
偶然に実現する一時の所得なので、
<所得税>
個人については一時所得の収入金額、
<法人税>
法人については益金の額とされます。
A
割当株式の評価額は、
適正な時価を反映させる方式で出した
売り出し価格により評価することと
されています。
B
ただし、組織変更と同時に
強制売却される端株については、
保険契約者が端株に関する権利を
行使できないことから、
実際に交付される金銭の額により
評価します。
■原価はゼロ
保険契約者には、
保険会社への寄与度に応じて
株式が交付されるようです。
即ち、
生命保険会社を儲けさせてきた人には
沢山の交付があり、
古くからの個人年金保険や
一時払養老保険などのように
予定利回りが高くて
逆ザヤの人には株式の交付なし、
ということなのでしょうから、
過去の保険会社への提供利益の
一定割合が株式の原価になるとも言えます。
しかし、計算可能性の困難さもあり、
一種の割り切りで、
原価はゼロの扱いです。
※ 参考
大同生命保険相互会社が
株式会社へ組織変更した場合の
税務上の取扱い
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税理士西塚事務所 TEL03-6226-5140
2010年5月6日(木)
2010年04月14日
のれん の税務・会計処理
■のれん とは
「のれん」とは、何ですか?の問いに、
「超過収益力」であるとよく言われます。
しかし、「のれん」には、
「負ののれん」もあり、
その整合性をどう説明するのか、
さらに、
無形固定資産である「営業権」との関係を
どう峻別するか、
難しい論点もあります。
ですが、ここでは、
この「のれん」が
どのような仕組みで計上されるのか、
少し整理してみたいと思います。
■差額概念としての「のれん」
会計基準では、
「のれん」とは
被買収企業または取得した事業の取得価額が、
取得した資産及び引受けた負債の純額を
超過する額をいう、と
定義しています。
より具体的には、
買収価額 > 被買収企業の時価純資産価額
のときに
「のれん」が生じるということです。
この場合の「のれん」は、
買収価額が被買収企業の時価純資産価額を
上回っていますので、
その意味では、
この超過額は超過収益力
(被買収企業が持っている確立した
ブランドなどの無形の価値)といっても
問題ないかと思います。
一方、
買収価額 < 被買収企業の時価純資産価額
のときに
「負ののれん」が生じます。
この「負ののれん」ですが、
被買収企業に
純資産額に見合った企業価値がない
と判断された場合の買収や合併の際に
生じるものです。
具体的は、
事業資産を有効に活用し、
投資効率を上げるまでには時間を要する場合など
がその例のようです。
■「のれん」の会計処理
会計基準では、
「のれん」の償却は
20年以内の投資効果の及ぶ年数で
規則的に償却するものとされています。
しかし、
「負ののれん」に関しては、
その生じた事業年度において
一括で利益に計上すべきもの
とされています
(貸方のれんですので、利益に計上されます)。
■法人税法と「のれん」
法人税法においても、
原則、
この「のれん」の計上の仕組みは、
会計基準と同じです。
しかし、
取扱に関しては、
非適格合併などの場合にその計上が認められ、
「のれん」は「資産調整勘定」として
借方に計上され、
一方、「負ののれん」は
「差額負債調整勘定」として
貸方に計上されます。
償却に関しては、
いずれも5年間にわたり月割で償却(減額)し
各事業年度の損金又は益金の額に
算入されますが、
損金経理は不要です。
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2010年4月14日(水)
「のれん」とは、何ですか?の問いに、
「超過収益力」であるとよく言われます。
しかし、「のれん」には、
「負ののれん」もあり、
その整合性をどう説明するのか、
さらに、
無形固定資産である「営業権」との関係を
どう峻別するか、
難しい論点もあります。
ですが、ここでは、
この「のれん」が
どのような仕組みで計上されるのか、
少し整理してみたいと思います。
■差額概念としての「のれん」
会計基準では、
「のれん」とは
被買収企業または取得した事業の取得価額が、
取得した資産及び引受けた負債の純額を
超過する額をいう、と
定義しています。
より具体的には、
買収価額 > 被買収企業の時価純資産価額
のときに
「のれん」が生じるということです。
この場合の「のれん」は、
買収価額が被買収企業の時価純資産価額を
上回っていますので、
その意味では、
この超過額は超過収益力
(被買収企業が持っている確立した
ブランドなどの無形の価値)といっても
問題ないかと思います。
一方、
買収価額 < 被買収企業の時価純資産価額
のときに
「負ののれん」が生じます。
この「負ののれん」ですが、
被買収企業に
純資産額に見合った企業価値がない
と判断された場合の買収や合併の際に
生じるものです。
具体的は、
事業資産を有効に活用し、
投資効率を上げるまでには時間を要する場合など
がその例のようです。
■「のれん」の会計処理
会計基準では、
「のれん」の償却は
20年以内の投資効果の及ぶ年数で
規則的に償却するものとされています。
しかし、
「負ののれん」に関しては、
その生じた事業年度において
一括で利益に計上すべきもの
とされています
(貸方のれんですので、利益に計上されます)。
■法人税法と「のれん」
法人税法においても、
原則、
この「のれん」の計上の仕組みは、
会計基準と同じです。
しかし、
取扱に関しては、
非適格合併などの場合にその計上が認められ、
「のれん」は「資産調整勘定」として
借方に計上され、
一方、「負ののれん」は
「差額負債調整勘定」として
貸方に計上されます。
償却に関しては、
いずれも5年間にわたり月割で償却(減額)し
各事業年度の損金又は益金の額に
算入されますが、
損金経理は不要です。
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当事務所へのお問合せは、
税理士西塚事務所
TEL : 03-6226-5140
ウェブサイトURL:http://www16.ocn.ne.jp/~nisizuka/
メールアドレス:nishizuka@nishizukajimusho.com

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