2009年11月16日

医療費控除〜家族介護費

■療養上の世話の対価

療養上の世話を受けるため
家政婦さんなどに支払ったときは、
医療費控除の対象となります。

親族に対しての支払いは
どうでしょうか。


■国税不服審判所の裁決

平成9年5月16日の裁決では、
親族に対して
療養上の世話の対価を支払ったとしても、
家族介護費については
そもそも医療費控除の適用はないとの
税務署側主張を無視し、
支払の事実の有無のみを
問題にしていました。

現実の
支払の事実が認められれば
医療費控除の適用が
ありそうにも読める裁決でした。


■従来の解説

税の解説書では、
療養の対価として
付添え人に支払うものは
医療費控除の対象となるが、
感謝の気持ちの謝礼は
対価ではないから対象外
としています。

そして、
家族介護への謝礼は
労務の提供への対価の性質を
もつものではないから、
医療費控除の対象とならない、
としています。


■核家族社会の果てに

老後生活費も、介護も、生活扶助も
本来は
家族の助け合いを基本に置くべきこと
なのですが、
助け合うべき集団としての家族は崩壊し、
個族化が進行していると
言われています。
他人への支払いは優遇し、
家族への支払いは
無視するような行政の姿勢も、
ここまで家族制度が危機に瀕してくると、
危機を助長する役割を果たす
ことになってしまいます。


■対価として親族に支払う

従来の行政側の見解を
整理してみると、

療養上の世話への費用が
医療費控除の対象となるか否かの
ポイントは、

@
事前に労務の提供の対価としての
支払いの約束をした上で、
労務の提供がなされ、
A
現実に支払いを履行している、
という事実がある

かどうか、にあるといえそうです。


■家族に優しい税制へ

納税者サイドでも、
制度への配慮を施しながら、
行政の許容枠を拡げる姿勢があると
よいのかもしれません。
なお、
対価の受け取り側は
所得を得たことになりますから、
場合によっては所得税の申告を
しなければなりません。
というよりも、
積極的に所得申告することにより、
医療費支払事実の裏付けと
すべきでしょう。

医療費控除の対象となる医療費

家内労働者等の必要経費の特例

医療費控除に関連する過去記事


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年11月16日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年11月13日

家族介護者支援手当〜非課税扱い

■市区町村の家族介護者支援手当

介護保険法で
一定の要介護者として
認定を受けている在宅要介護者
を介護している同居家族に対して、
「家族介護者支援手当」を支給する条例
を制定している市区町村が
増えています。

この家族介護者支援手当の受給該当者には、
自治体により異なりますが、
要介護の認定の程度に応じ、
何万円かの金額が毎月支給されます。


■介護保険法上の税制措置では扱えない

介護保険法では、
保険給付として支給を受けた金品に対して
租税その他の公課を課することができない
ものとしています。
なお、
介護保険制度においては、
市町村の判断で、介護保険法で
定められたサービス以外のサービスを
保険サービスに加えたり、
居宅サービス等の
区分支給限度額を引き上げたり、
介護者の支援や、
介護予防事業等の
「保健福祉事業」を制度内で
実施しています。
しかし、
家族介護者支援手当は、

@金銭で支給されるものであり、
A要介護者以外の者に支給される

ものであるから、
介護保険法上非課税とされる保険給付や
市町村特別給付に該当しません。


■市区町村からの照会への非課税回答

市区町村としては、
給付した金銭に課税されたのでは
給付の効果が限定的になってしまうので、
非課税扱いにできる方途がないか
国税当局に問い合わせしたところ、
非課税でよいとの回答を得ています。

公表されてはいないのですが、
情報公開法による開示情報で
明らかにされました。

家族介護者支援手当を
非課税とすることに
特に根拠を見出せなかったのか、
奥の手として、
継続需給にもかかわらず、

「災害等の見舞金で、
その金額が社会通念上相当と
認められるもの」
に該当し、
非課税所得として取り扱うのが相当である、
との理由を示しました。


家族が崩壊し、
個族化が進行している時代に、
家族の助け合いを回復する方向への
制度的支援は促進されるべきです。
むしろ、
家族崩壊への流れを
助長する役割を果たしている行政制度は
少なくありません。
立ち止まって再考したいものです。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年11月13日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年11月12日

タンス株、取得価額が不明の株式等を譲渡した場合の確定申告

■相続、遺贈・贈与により取得した場合

相続(限定承認を除く)、
遺贈(限定承認を除く)又は
贈与により株式等を取得した場合には

被相続人、遺贈者又は贈与者の
取得費を引き継ぎます。
つまり、被相続人が取得した金額と
ご自身の譲渡価額を比較して、
譲渡所得を計算しなければなりません。


■売却代金の5%相当額とする方法

譲渡した株式等が
相続により取得したものである場合や、
購入してから何年も経過していて、
いくらで取得したのか分からないような場合、
同一銘柄の株式等ごとに、
取得費の額を売却代金の5%相当額とする
ことが認められます。
ちなみに、
実際の取得費が売却代金の5%相当額を
下回る場合にも、5%とする方法が
認められています。
Aという銘柄の株式を400万円で譲渡した場合に
取得費が不明なときは、
売却代金の5%相当額、つまり20万円を取得費として
計算することには、問題ありません。
ただし、
相当昔に取得したものでない限り、
損をする結果となりかねません。


■平成13年10月1日の時価の80%とする方法

上場株式の場合なら、かなりのケースで、
平成13年10月1日の時価の80%とする方法
を適用すれば、問題が解消されるのではないか
と思われます。

平成13年9月30日以前に取得した
上場株式等で一定のものを、
平成15年1月1日から平成22年12月31日まで
に譲渡した場合には、
その上場株式等の
平成13年10月1日における終値の80%相当額を
取得費とすることができます。

これに該当する場合
ちょっと調べてみたらいかがでしょうか?
申告を行ってこそ、このみなし取得費の特例が
利用できますので、ご注意ください。

平成13年10月1日における上場株式等の株価一覧表


■そのほかの方法

タンス株等の取得価額を納税者自身が
立証する必要があります。
取得価額が不明の場合、
証券会社の過去10年分の「顧客勘定元帳」
で調べてもらうとか、
被相続人のメモがあれば、
それを検証してみるとか、
方法は、いろいろあり得ます。

場合によっては、
税理士に相談してみると
良いでしょう。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年11月12日(木)











posted by 税理士西塚智裕 at 14:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税

2009年11月11日

源泉徴収〜報酬に対する源泉所得税

■源泉徴収制度は広範囲

法人や個人事業主が、
給料や賞与を支払う際には
支払額に応じた所得税を
徴収することが義務づけられて
います。

この天引きで徴収する所得税を
源泉所得税といい、
徴収が義務づけられた
法人や個人事業主のことを
源泉徴収義務者といいます。

源泉所得税は原則として
徴収した翌月の10日までに
国に納付しなければなりません。

源泉徴収義務者が
源泉徴収の対象とすべき支払には、
給与のほかにも
様々なものがあります。

弁護士や税理士など
いわゆる「士」業に対する報酬・料金は、
その代表的なものです。


■同じ「士」業でも異なった扱い

「士」業に支払う報酬等
に対する源泉徴収税額は、
報酬等の額の10%というのが原則ですが、
同一人に
1回に100万円を超えて支払うときは
その超える部分について20%と、
徴収割合が高くなります。

「士」業のうちでも、
司法書士、土地家屋調査士、
海事代理士については、
報酬額から1万円を控除した金額に
10%の税率をかけた額が
徴収税額になります。

また、
行政書士に対する報酬は
源泉徴収の対象になっていません。
その理由は、
「所得税法第204条第1項に規定する報酬には
該当していないから」
です。


■違っている本当の理由はわからない

司法書士や行政書士などの
報酬に対する扱いが
他の「士」業と
なぜ違う制度になっているのか、
いつからそうなっているのか、
これらのことに関する説明を
目にしません。

業界の既得権益というには
あまりに些細なことですし、
他に実益があるとも
思えません。
単に立法、行政が
タイムリーに税制を見直すことを
怠っていることの1例、
といったら言い過ぎでしょうか。

報酬・料金等の源泉徴収事務(PDF)

平成21年6月 源泉徴収のあらまし

行政書士に報酬を支払った場合


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2008年11月11日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年11月06日

年金保険料の控除のあり方

所得計算の原則

税法でいう所得とは利益のことで、
収入から必要経費を差し引いた
残額のことです。

必要経費とは
収入を得るために支出した金額のこと
です。

年金収入についても
必要経費相当額を差し引いて
その所得を算出することになっています。
ただし、
公的年金収入については
支払年金保険料を必要経費にできない
ことになっています。


■事業主負担分社会保険料の税の扱い

公的年金に係る
支払年金保険料の半分は
本人ではなく
給与の負担者たる事業主が支払い、
事業主の必要経費になります。

また、
それは給与所得者の
将来の年金所得の受給原資になりますので、
給与所得収入に含めるべきものですが、
税法上はそういう扱いになっていません。
収入は無いものと扱われ、
従って年金保険料の支払いも無いものと
扱われます。
収入控除の扱いともいえます。


■社会保険料の控除の理論的なあり方

公的年金に係る
支払年金保険料の残り半分は
給与所得者本人が支払いますが、
それは給与所得者に課せられた
法的義務に基づく金銭負担なので
給与所得の必要経費になるべきもの
です。
さもなければ、
事業主負担と同じく
収入控除扱いにすべきものです。


■所得控除にすることの不整合

公的年金等に係る支払保険料は
すべて課税所得を
減額しつつ支出されているので、
年金収入の必要経費にはならないことは
理解できます。

しかし、
事業主負担分は収入控除扱いで、
本人負担分は所得控除というのでは
扱いに一貫性を欠きます。

一貫性に着目するなら
本人負担分も通勤交通費と同じく
収入控除扱いにすべきです。

必要経費性を重視するなら、
事業主負担を含めすべて
給与収入に計上し、
給与に係る必要経費にすべきです。


■問題は給与所得控除

支払年金保険料を
給与所得の必要経費と理解するならば
所得控除の現制度は
二重控除を制度化していることになります。
給与収入控除が是との立場でも、
現制度では給与所得控除額を
過大にしているということになります。

給与に係る必要経費でありながら
実質は架空経費である
給与所得控除の存在が
問題解決を困難にしています。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年11月6日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年11月04日

パートタイムの収入調整〜扶養(所得税・社保など)

パートタイムをしている奥さんの
収入調整の時期になっています。
調整の前に立ちはだかる
4つの壁について考えてみます。

■100万円の壁

住民税の納税義務が発生するのは、
給与年収が100万円を超えた場合
です。
100万5000円の年収の場合、
所得控除が基礎控除のみだったら、
均等割4,000円、所得割1,250円となり
収入増加額以上の税負担になります。

壁超過額5,000円程度では
入りと出は逆転です。
ただし、これは小さな壁です。


■103万円の壁

○妻自身の所得税はゼロ
○夫の所得税で配偶者控除の対象となる

こういう扱いとなるのが
給与年収103万円までです。
例えば、
夫の所得税の税率が20%の場合
夫の所得税額が配偶者控除により
76,000円減ります。

妻の給与年収が128万円で
所得控除が基礎控除のみだったら、
本人の均等割4,000円、
所得割27,500円、所得税12,500円、

夫の配偶者特別控除による減額は
32,000円となります。

壁超過額25万円で
81,500円の負担増となります。

入りと出に逆転はありませんので、
気にする必要のない壁と言えます。


■130万円の壁

妻の収入が130万円以上になると、
社会保険料を妻自身で
負担することになります。
会社の社会保険に加入するか、
市区町村の国民健康保険と
国民年金に加入しなければなりません。

130万円以上になり
会社の社会保険に加入した場合
に負担する額は厚生年金保険料15.704%と
健康保険料8.18%と
介護保険料1.19%
の各半分なので、
概算で年間163,000円となります。

国民年金・国民健保加入の場合は、
国民年金保険料175,920円、
国保81,340円がそれぞれの年額
となります。

この壁は大きく、
突然の負担増により
著しい支出超過となります。


■配偶者手当内規の壁

所得の少ない配偶者に
内助の功手当として
月に数万円支給する会社があります。
このような内規の壁も
無視できない大きい壁
といえます。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年11月4日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:34| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税

2009年10月27日

居住用財産の売却〜3,000万円の特別控除と軽減税率

■居住用財産の譲渡

家を購入・売却したり、
または、リフォームしたりすると
何かと気になるのが
税金です。

特に、
自宅(土地と家屋)の売却ともなると
金額も中途半端な額ではなく、
一定の要件を満たさなければ、
税務上の恩典が受けられないといった
「税金の落とし穴」に陥ってしまう
こともあります。


(1)3,000万円の特別控除

通常、自宅を
一定の親族以外の者に売却すれば、
その自宅の所有期間にかかわらず、
「譲渡収入」から「取得費」を控除した
「譲渡益」からさらに
3,000万円の特別控除の適用が
受けられます。

計算例で示せば次の通りです。

@譲渡収入(売却代金)1億円 
A取得費5,000万円
であれば、
B譲渡益は@−Aで5,000万円です。
この譲渡益5,000万円から
特別控除3,000万円を控除した金額2,000万円が
所得税及び住民税の課税対象金額になります。


(2)申告分離課税と軽減税率の適用

確定申告は、
分離課税で税率20%
(所得税15%、住民税5%)ですが、
同じ自宅の売却でも
所有期間が10年超の場合、税率は
譲渡益6,000万円以下の部分14%
(所得税10%、住民税4%)、
6,000万円を超える部分は20%
(所得税15%、住民税5%)
です。

10年超の長期保有の自宅であれば、
上記計算例の譲渡益
(特別控除後)2,000万円のケースでは、
税額は280万円
(所得税200万円、住民税80万円)です。


(3)留守3年で不適用

本人が自宅に住んでいない、
又は
住むことを予定していない自宅
の売却の場合は、
税法上の「居住用財産」には
該当しませんので、
3,000万円の特別控除及び軽減税率の恩典は
享受できません。

特に、
高齢者の方が自宅を離れ
介護施設等に入居する場合、
施設によって生活の拠点が移った
と判断されることから、
終身利用権などを購入して
介護付有料老人ホームに入居、
その後、一定期間経過後に
自宅を売却するに至った場合などは
注意が必要です。

税法では、

「居住の用に供さなくなった日以後
3年を経過する日の属する年の12月31日まで」
に売却したときは、
3,000万円控除の恩典が受けられますし、
また、
「所有期間」が10年超であれば
軽減税率の適用も受けられます。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
居住用財産を売却した場合、
或いは、売却を検討している場合、
是非、税理士に相談下さい。
上記3,000万円の特別控除や、
買換えの特例、損益通産、繰越控除と
新規購入住宅の住宅ローン控除と
さまざまな特例等があります。
相続税や贈与税をも考慮すべきケース
もあります。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

マイホームを売ったときの特例

譲渡所得の特別控除の種類

長期譲渡所得の税額の計算


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年10月27日(火)








posted by 税理士西塚智裕 at 11:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 所得税

2009年10月14日

給与所得と事業所得の違い

■給与収入を生む役務提供契約

役務提供契約としては
雇用・請負・委任・寄託などが
民法上の類型とされています。

この中で、まず
給与所得とされるのは、
雇用契約による対価の収入です。

そして、
企業の役員が
会社と締結する委任契約により受け取る
役員報酬も給与所得です。

同じ委任契約でも
弁護士や税理士が結ぶ
企業との顧問契約による報酬は
事業所得です。


■給与となりそうで給与でないもの

給与所得と
それ以外の所得との相違は
特定の相手に専属して
役務の提供をすることに
ありそうです。

しかし、
プロスポーツ選手、
外交員、
集金人、
ホステス等
については
一定の専属する役務提供先
から受ける報酬であったとしても
給与所得ではなく
事業所得となります。


■こんな人たちも給与所得

プロスポーツ選手
などが提供する役務には
「労務の従属性」が希薄だ
ということなのかもしれません。

そうだとすると、
議会の議員や諮問委員会などの委員
あるいは学校医などには
従属性などありえないのですが、
その受ける報酬は給与所得
とされます。
総理大臣の受ける報酬も
給与所得です。

構成メンバーとしての
従属的にではなく、
組織の活動を内部的に支えるための
役務の提供をしている会社の
役員の場合の延長で、
議員や委員の報酬の給与所得性は
考えるべきなのでしょう。

組織について管理する側から
組織の構成メンバーとして
役務の提供をするときの対価は
給与所得となるということでしょう。

それに対して、
国や自治体や所属会から受ける、
弁護士の法律相談や
税理士の税務相談の報酬は
構成メンバーとしての固有の活動ではなく、
外部委任契約なので
事業所得となります。

なお、
学校医報酬の給与所得扱いだけは
医師への特例なのか、
説明が困難です。


■雇用契約でも事業又は雑所得?

またこれらとは逆に、
雇用契約の場合でも、
テレワーカーや在宅勤務での
役務の提供ということになると、
場所的時間的拘束性からの解放とか
労働代替性の可能性とか
労働設備の自前化とかとなり、
必ずしも無条件に
給与所得者となるとは
限らないようです。

≪参考条文等≫

所得税法 第28条(給与所得)
 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。

所得税法基本通達
28−7(委員手当等)
 国又は地方公共団体の各種委員会(審議会、調査会、協議会等の名称のものを含む。)の委員に対する謝金、手当等の報酬は、原則として、給与等とする。ただし、当該委員会を設置した機関から他に支払われる給与等がなく、かつ、その委員会の委員として旅費その他の費用の弁償を受けない者に対して支給される当該謝金、手当等の報酬で、その年中の支給額が1万円以下であるものについては、課税しなくて差し支えない。この場合において、その支給額が1万円以下であるかどうかは、その所属する各種委員会ごとに判定するものとする。

183〜193共−6(非常勤の政府職員の給与等に対する税額の計算)
 一般職の職員の給与に関する法律第22条《非常勤職員の給与》に規定する常時勤務を要しない委員等に対する手当については、法第185条の規定により徴収税額を計算する。

204−2(報酬、料金等の性質を有するもの)
 法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、同項の規定が適用されることに留意する。

204−3(報酬、料金等の性質を有する経済的利益)
 法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有する経済的利益(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をいう。以下この項において同じ。)については、次によるものとする。
 (1)職業野球の選手、外交員、集金人、ホステス等のように一定の者に専属して役務を提供する者がその役務の提供先から受ける経済的利益については、給与等とされる経済的利益の取扱いに準ずる。
 (2)(1)以外の経済的利益については、令第321条(金銭以外のもので支払われる賞金の価額)の規定に準じて評価し、その評価した金額が少額なものについては、源泉徴収をしなくて差し支えない。

204−4(報酬又は料金の支払者が負担する旅費)
 法第204条第1項第1号、第2号、第4号及び第5号に掲げる報酬又は料金の支払をする者が、これらの号に掲げる報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供する者の当該役務を提供するために行う旅行、宿泊等の費用を負担する場合において、その費用として支出する金銭等が、当該役務を提供する者(同項第5号に規定する事業を営む個人を含む。)に対して交付されるものでなく、当該報酬又は料金の支払をする者から交通機関、ホテル、旅館等に直接支払われ、かつ、その金額がその費用として通常必要であると認められる範囲内のものであるときは、当該金銭等については、204−2及び204−3にかかわらず、源泉徴収をしなくて差し支えない。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年10月14日(水)


posted by 税理士西塚智裕 at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年09月01日

業務遂行上通常必要な支出とは

弁護士会の役員費用

弁護士は弁護士会に入会し、
弁護士名簿に登録されなければ、
弁護士としての仕事を
することが出来ません。
また、弁護士会は
会員弁護士の中から選出された役員
を中心として日々運営されています。
その弁護士の事業所得の計算に際し、
支払った弁護士会の会費は
必要経費となるが、
弁護士会役員となるため、及び
役員となった後の活動費、
弁護士政治連盟の会費等は
必要経費とならない、
という驚くべき見解が示されました。


すべての士業の会に共通

見解を主張したのは
当然税務署ですが、
これを是とする判断を示したのが
国税不服審判所です。
今年の3月24日のことです。
税理士ほか強制入会の全ての〇〇士
にとって共通のテーマが突然
湧き出てきたわけです。
弁護士でなければ
弁護士会の役員になれませんから、
役員諸掛り費用には業務関連性は
あるはずです。
それなのに、
通常でかつ直接の費用とは
いえないから認めない、
と国側は主張します。


この論理の射程範囲

所得税法では
「業務について生じた費用」
としているだけで、
通常とも直接とも
言っていません。
国側の主張は行き過ぎです。
国側の主張によると、
次のものは必要経費に
認められなくなってしまいます。
即ち、
各種団体で役員になった場合の
役員関連費用は当然のこととして、
強制入会ではない医師会の会費、
一般企業が支払う
青色申告会、法人会、商工会、
その他すべての業界団体への支払会費
も認められません。
法人の場合は交際費
という扱いになるのでしょう。
それなら税務調査費はどうなる
税務調査に際して、
各企業は結構多くの費用負担を
しています。
コピー代など
人件費含めて1枚100円くらいの
積算原価になります。
税理士への調査立合費用も生じます。
調査に付き合う社長・役員・社員の人件費も
相当なものです。
税務調査場所の無償提供義務は
ありませんので場所代も見積もるべきです。
まだまだありそうです。
これらの費用は
通常でかつ直接の費用とは
いえません。
経費にならないのなら、
税務署の負担としてもらわなければ
困りますね。

posted by 税理士西塚智裕 at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年08月24日

景気対策のため実施になる制度

最近、
政府により実施された景気対策には、
ある共通項があるようです。


一般住宅の住宅ローン控除

住宅ローンを利用して、
今年及び来年中に
住宅を新築等し居住した場合、
年50万円、
10年間で最大500万円
所得税が減税されます。
また、
控除額を
所得税から引ききれない場合は、
残額を翌年度の住民税から
年最大97,500円
控除できます。


認定長期優良住宅の住宅ローン控除

建物の耐久性を高めるために
建築コストがかさむと
考えられることから、
一定の条件のもと、
一般住宅の住宅ローン控除より
約20%割増で控除が受けられます。
ローンがない場合でも、
最大100万円の税額控除が
受けられます。


特定の長期所有土地等の所得の特別控除

今年及び来年中に、
日本国内の土地等を取得し、
その後5年超所有してから譲渡し、
譲渡益が出た場合、
所得から1,000万円の特別控除
が受けられる制度です。


エコカー減税

最近、
テレビCMでおなじみですが、
例えば、
平成17年排出ガス基準75%低減レベルで
平成22年度燃費基準+20%達成の
ハイブリッド車を購入する場合、
自動車取得税と自動車重量税が
全額免除され、なおかつ、
一定の条件で補助金が
最大25万円支給されます。


エコポイント

エアコン、冷蔵庫、
地上デジタル放送対応テレビ
のうち
統一省ラベル4つ星以上の
グリーン家電を購入すると
エコポイントを取得でき、
申請によりエコポイントと商品券など
とを交換できる制度です。


共通するのは・・・

これらの制度で感じるのは、
「持つもの」だけがその恩恵を
受けられるということです。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年8月24日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年08月14日

土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度

土地等の長期譲渡所得に
1,000万円の特別控除をしてしまう??
という制度が創設されました。
 
平成21年1月1日〜平成22年12月31日までの間に
国内の土地等を取得
(特別関係者からの取得、相続による取得などを除く)
し、
その土地等を長期譲渡
(譲渡の年の1月1日において所有期間5年超)
した場合、
その譲渡所得の金額から
最高1,000万円までが
控除できるという制度です。
(措法)
 
今までですと、
「居住用不動産の特別控除」などが、
よく知られていると思いますが、
今回の制度では、
生活用不動産の売却という縛りが
ないようです。

今回のお得な制度は、
個人だけでなく、
法人取得の場合も適用がありますし、
先行取得の場合などにも
対応しています。

要チェックです。

まずは、財務省のHPで
ざっくりご確認を!


以前、土地重課
という制度が実行されていたことを
思い出します。
あれは、なんだったのでしょう?
いつしか一転、土地重課が
復活するのでしょうか?
政策次第で天国と地獄ですね。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年8月14日(金)

posted by 税理士西塚智裕 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年07月24日

配当金の受取方法〜上場株式等

平成21年からの
株券電子化に伴い、
上場株式等(ETF,REITを含む)の
配当金の受取方法の選択肢が
広がりました。

従来は、
発行会社から郵送された
「配当金領収証」と引き換えに、
ゆうちょ銀行等で
配当金を受取るか
(配当金領収書方式)、

銘柄ごとに
銀行等預金口座を指定して
配当金を受取るか
(個別銘柄指定方式)

のいずれしか
ありませんでしたが、

新たに
「登録配当金受領口座方式」と
「株式数比例配分方式」の
2つの方法が選択
できるようになりました。


(1)登録配当金受領口座方式とは

この方式は、
ほふり(証券保管振替機構の略)に
配当金の振込み先の
銀行等預金口座を登録、
そして、
自分が保有している
全ての株式の配当金を
その登録した口座で
受取る方法です。

但し、
ゆうちょ銀行の口座は
指定できまません。
また、
一部の銘柄だけ、
別の銀行等預金口座に
指定することはできません。

具体的には、
N証券会社に
甲会社の株式を1,000株、
M証券会社に
乙会社の株式2,000株
を預け、
甲銘柄に1万円、
乙銘柄に2万円
の配当があった場合、
指定の銀行等預金口座に
3万円(源泉税徴収後の金額)
が振り込まれます。

この方式のメリットとしては、
配当金受領の
一元管理が可能となります。


(2)株式数比例配分方式とは

この方式は、
配当金を
証券会社の口座で
受取ることができる方法です。

複数の証券会社に
残高がある場合は、
各証券会社の残高(株式数)
に応じて、
それぞれの証券口座に
配当金が入金されます。

具体的には、
甲会社の株式を
N証券会社に3,000株、
M証券会社に2,000株
を預け、
源泉税徴収後の配当金が
合計5万円の場合、
N証券会社の口座に3万円、
M証券会社の口座に2万円
が振り込まれます。

この方式のメリットとしては、

@
株式と配当を一元管理することができ、
さらに、
A
証券口座が源泉徴収ありの
特定口座なら、
平成22年以降の取引は
口座内で
配当金と株式の譲渡損が
自動的に損益通算される利点
があります。

いずれの方式でも、
複数の証券会社と
取引している場合は、
どこか一社で手続きをすませれば、
他の口座で保有している分の配当金も
自動的に新しい方式で
受取ることができます。

※ 参考

1.譲渡損と配当の損益通算

平成21年分以後の所得税から、
その年分の
上場株式等の譲渡損失の金額
又は
その年の前年以前3年内の
各年に生じた
上場株式等の譲渡損失の金額

上場株式等の配当所得の金額
との損益通算が認められます。

2.特定口座(源泉徴収あり)内の損益通算

平成22年分の所得税からは、
源泉徴収ありの特定口座
において
上場株式等の配当

上場株式等の譲渡損失
との損益通算が可能となり、
また、
配当に対する源泉徴収税額
を計算する場合においては、
上場株式等の譲渡損失との
損益通算後の金額に対して
源泉徴収税率(特別徴収税率)
を乗じて
徴収すべき所得税額を
計算します。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年7月24日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年07月23日

通勤費をめぐる係争

■給与明細項目として通勤手当がない

通勤手当が
給与明細項目として
設定されていないけれども、
それを前提として
給与の総額が定まっている場合、
給与収入のうち
月々の定期券代相当分については
給与収入から外して、
通勤費補てん額として費用としての
通勤定期券代の相殺項目に振り替えて、
所得税の確定申告をすることは
認められるでしょうか。


■氾濫的に係争がおきている

派遣労働者の多くが、
収入項目に通勤手当のない
給与明細を受け取っており、
所得計算において
通勤費をどう扱うかが
社会問題となっています。

非課税扱い申告をして、
否認され、係争になっている事例が
報道されるようになってきました。


■形式論理の課税庁

課税庁は
修正申告を勧奨しているようですが、
納得しない申告者が
沢山出現しているようで、
国税不服審判所での
非公表審判事例が増えていそうです。

当局の主張は、
通勤手当が
通常の給与と区分して支給されていないので、
非課税に該当する所得はない、
とつれない内容です。

■審判所の苦悩

審判所は、当局の論理を是としつつ、
通勤手当が分別支給されていない
という理由だけで課税対象にするのは不当
という納税者の主張は、
法令自体の当否を訴えていることであり、
そういうことは
審判所の権限を超えている、
と裁判への誘導を促しています。


■法律をよく読むと

通常
給与と分別されている
通勤手当の非課税の法律規定には、
「(これに類するものを含む)」との注書き
があります。

公務員や正社員が優遇され、
非正規労働者が
冷酷なあしらいを受けることのないように
と配慮するとしたら、
この注書きを幅広く解釈することは
可能なはずです。


■通勤費訴訟のうごめき

通勤費訴訟が
サラリーマンの底辺を構成する
多数の派遣労働者により、
サラリーマン内部の矛盾の告発として、
起こされつつあります。
制度の矛盾と
日本社会の大企業正社員主義が
危機に瀕していることを
表象しています。
また、大岡裁きは可能でも、
雇用主側の通勤費負担の
制限強化等の社会反動になる
可能性もあります。
当局も予測しかねて
いるのかもしれません。

※ 参考(所得税法)

第9条(非課税所得)

次に掲げる所得については、
所得税を課さない。

◆5 給与所得を有する者
で通勤するもの
(以下この号において「通勤者」という。)
がその通勤に必要な交通機関の利用
又は交通用具の使用のため
に支出する費用に充てるものとして
通常の給与に加算して受ける通勤手当
(これに類するものを含む。)のうち、
一般の通勤者につき
通常必要であると認められる部分として
政令で定めるもの

※ 国税不服審判所 
平20.6.19、裁決事例集No.75



〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年7月23日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年07月01日

寡婦控除

■死別、離別で寡婦に

寡婦(カフ)とは、
広辞苑で
「夫に死別した女。やもめ。未亡人。」
とあります。
一般に馴染みのない言葉
ではありますが、
後家、未亡人
というよりは受け入れやすい
と思われます。

所得税法では
死別だけでなく、
離婚してから結婚をしていない人で
扶養親族又は生計を一にする子供がいる人
なども
寡婦とされています。

寡婦に該当すると
27万円、
特定の寡婦であれば
38万円
の所得控除の適用があります。

子供がいるいないが
寡婦や特定の寡婦の適用要件
になっていますが、
寡婦控除は
寡婦に該当する本人に対するものです。
子供に対する扶養控除は、
別に適用されます。


■扶養親族が寡婦に大きく影響

寡婦要件のうち
生計を一にする子供の所得は
38万円以下ですので、
子供が所得を得るようになると
寡婦に該当しなくなります。

しかし、
子供が成人しても
所得を得るようにならない限り
その子は扶養親族のままですし、
また
親など他の親族を扶養している限り
寡婦要件は
充たしていることになります。

さらに死別であれば、
500万円という
所得制限があるものの、
生涯にわたって
寡婦要件を充たすことに
なります。


未婚では寡婦に無縁

寡婦は
配偶者との死別や離婚が前提ですので、
いわゆる未婚の母は
寡婦になりえません。

戦後の寡婦支援を
持ち出すまでもなく、
寡婦控除が、
配偶者との死別や離婚によって
その後の生活が
大きく変わってしまうこと
に対する措置であると
理解できます。
それでも
死別や離婚した人と、
非婚で子育てや老親を扶養する人
との違いについて
どれだけ説得力を持つのか
疑問です。

寡婦控除(国税庁HP)


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年7月1日(水)


posted by 税理士西塚智裕 at 11:03| Comment(18) | TrackBack(0) | 所得税

2009年06月30日

住宅取得控除〜ローン不要

ローン不要住宅取得控除
が今年新たに創設されました。

次の4つの場合に限ってですが、
ローンを組んだ場合でも、
ローン不要の減税制度のほうを
選択することは可能です。


■長期優良住宅の新築又は取得の場合

通常の住宅価格よりも
上乗せして必要となる費用
(標準的な性能強化費用)が
対象となり、
控除上限額は100万円です。


■省エネ改修工事をした場合

自己の居住の用に供する家屋
について、
窓全部の改修工事、
床、天井、壁の断熱工事、
太陽光発電装置設置工事などの
省エネ改修工事を行った場合
に支出する30万円超の費用が
対象となり、
控除上限額は20万円
(太陽光発電装置を含めば30万円)
です。


■バリアフリー改修工事をした場合

65歳以上の者、要介護者、障害者、
もしくはこれらに該当する親族と
同居している者
又は50歳以上の本人が、

廊下の拡幅、階段の勾配の緩和、
浴室改良、便所改良、手すりの設置、
屋内の段差の解消、引き戸への取替え
又は床表面の滑り止め化を行う工事で
30万円超
(補助金等を受ける場合はそれを除く)
の工事費用の額が対象となり、
控除上限額は20万円です。


■耐震改修工事をした場合

自己の居住の用に供する家屋
について
住宅耐震改修工事を行い、
この工事について一定の機関や専門家
によって
住宅耐震改修工事証明書証明書
が発行される場合に支出する費用
で標準的な工事費用の範囲内のもの
が対象となります。
控除上限額は20万円です。


小さく生んで大きく育てよ

これらは政策促進効果の
即効性が極めて高そうです。
ローン控除が
1%づつ10年なのに対して
ローン不要は
住宅取得時に10%の恩恵
を受けられるからです。

しかし、
10%を掛ける対象となる
取得費用・改修費用には
それぞれ適合要件と
上限額が定められていて、
ローン控除と比べ
減税額は大きく見劣りします。

制度は
小さく生んで大きく育てることが旨
とされているようなので、
政策税制としての効果
という視点からすると、
対象が拡がり、限度額も上がり、
給付付き税額控除の性格
も持つようになり、
ローン控除は
ローン不要控除に置き換わる
という近未来の姿が
期待されるところです。

住宅・土地税制(H21改正)


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年6月30日(火)

posted by 税理士西塚智裕 at 10:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 所得税

2009年06月24日

非上場株式を時価より安く売却した場合

■売主が個人で買主が法人の場合

個人が
非上場株式を
法人に譲渡した場合、
時価を基準に課税されます。

(1)譲渡した個人に対する課税

@
個人が取引相場(気配相場を含む)
のない株式を法人に譲渡した場合、

譲渡価額が時価の2分の1以上であれば
課税上の問題は生じませんが、
時価の2分の1未満で譲渡した場合には、
時価をもって譲渡したものと
みなされて課税されます。

A
時価の2分の1以上の譲渡であっても、
同族会社の租税回避行為と
認定された場合には、

時価をもって
譲渡収入があったものとして
課税されます。


(2)譲り受けた法人に対する課税

購入価額が時価に満たない場合は、

法人は
時価と購入価額との差額について
個人から利益を受けたものとして
課税されます。


■売主も買主も個人の場合

(1)
非上場株式を
時価よりも著しく低い金額で
譲渡した場合は?

個人間の売買では、
法人に対する場合のように
「みなし譲渡課税」はなく、
その株式の時価の金額
にかかわらず、
実際の売買価額をもとに
譲渡所得の課税が行われます。

ただし、
個人間における低額譲渡
(時価の2分の1未満の価額による譲渡)
により譲渡損失が生じた場合には、

その譲渡損失は
なかったものとされます。

(2)
非上場株式を
時価よりも著しく低い価額で
譲り受けた場合は?

買主は
時価との差額を
売主から贈与を受けたとして
贈与税が課税されることが
あります。

通常、
第三者の個人間で売買した場合は、
相互に利害相反する関係にあるため、
そこで成立した価額が
時価であると考えられます。

従って、
贈与税の課税の問題は
生じないように思います。
しかし、
著しく低い価額によって
譲受けをした場合には
課税上問題とされるようです。

この「著しく低い価額」
については、
相続税法では、
時価の2分の1をもって
著しく低い価額とする定めが
ないので、
個々の売買の
具体的な事情に即して
判定するとされています。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年6月24日(水)

posted by 税理士西塚智裕 at 10:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年05月25日

個人事業の開業 〜 届出書類

個人事業は、
簡単に始められそうですが、
個人事業者の場合であっても、
税務署へは
様々な届け出が必要となります。

開業届や
青色申告の承認申請、
専従者のいる場合には
青色事業専従者に関する届出
など、
片手ではおさまらないほどの
書類を作成しなければなりません。


■原則的な効力発生は

新規に開業した場合、
大抵の書類は
開業後しばらくの間に
提出すればいいことになっています。

例えば
青色申告の承認申請は
開業後2ケ月以内に提出すれば、
開業の年から青色申告者として
確定申告をすることになります。
つまり
開業後しばらくの間に
これらの書類を提出すれば、
開業時点から
各規定が適用される
こととなります。
 


■例外的な規定


その1 源泉徴収の納期の特例

従業員に
給与を支払うような場合には
所得税を源泉徴収し、
その翌月10日までに
国に納付すること
となっていますが、
給与の支払を受ける者が常時10人未満
である事業所等については
申請書を提出した場合には
特例としてその納付を
1月(7〜12月分)と
7月(1〜6月分)の
年2回とすることができます。
(これを源泉徴収の納期の特例
と言います。)

ですから
4月1日に開業して
開業と同時にその申請書を提出
したような場合には
4月分から6月分の給与に係る源泉税を
まとめて7月に納付すればよい
と考えがちです。

ですがこの申請書は
一般的に
提出月の翌月末日に承認がされるもの
となっておりますから
4月1日に提出した場合、
特例の効力発生は5月31日となり、
1回目の納付日である5月10日は
特例の適用が受けられず、
4月分の源泉税を
納付しなくてはなりません。

その2 消費税課税事業者選択届

この届出は、
開業した年の12月31日まで
に出せば良いこととなっております。
開業時は何かと物入りで、
尚且つ売上も見込めない場合、
この届出を出せば
消費税の還付が可能となります。
しかし慌てて出して、
結果納付となってしまわぬよう、
じっくり見極めてから
出すようにしましょう。

※ 参考

1.個人事業者の開業時の税務手続き
個人事業者が新たに事業を開始した場合には提出する書類の提出期限は原則として以下の通りとなります。(国税に関するもののみ)
(1) 開業後1月以内
 @ 個人事業の開廃業等届出書
 A 給与支払事務所等の開設届出書
 B 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書  
(2) 開業してから2月以内
 C 所得税の青色申告承認申請書
 D 青色事業専従者給与に関する届出書
(3) 確定申告期限まで
 E 所得税の減価償却資産の償却方法の届出書
(4) 開業年の12月31日まで
 F 消費税課税事業者選択届出書

2.各手続きの効力発生の日
 1.に掲げた手続きのうち@ADEFは単な
る届出であるため、届出と同時に効力が発生し
ます。また、Cについてはその年12月31日に
おいて承認されたとみなされ、その日より効力
が発生することになる場合がほとんどです。
一般的にB以外のものは基本的に確定申告
に関するものであるため、あまり効力発生について神経質になることはありません。
ただし、Bについては、申請書を提出した月の翌月の支給分から適用となるため提出月はその適用がないこととなっていますので注意が必要です。


【所得税法第216条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)】
 居住者に対し国内において第28条第1項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)又は第30条第1項(退職所得)に規定する退職手当等(以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者(第184条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)に規定する者を除く。)は、当該支払をする者の事務所、事業所その他これらに準ずるものでその支払事務を取り扱うもの(給与等の支払を受ける者が常時10人未満であるものに限る。以下この章において「事務所等」という。)につき、当該事務所等の所在地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、1月から6月まで及び7月から12月までの各期間(当該各期間のうちその承認を受けた日の属する期間については、その日の属する月から当該期間の最終月までの期間)に当該事務所等において支払った給与等及び退職手当等(非居住者に対して支払った給与等及び退職手当等並びに第204条第1項第2号(源泉徴収をされる報酬又は料金)に掲げる報酬又は料金を含む。)について第2章から前章まで(給与所得等に係る源泉徴収)の規定により徴収した所得税の額を、これらの規定にかかわらず、当該各期間に属する最終月の翌月10日までに国に納付することができる。



〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年5月25日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年05月15日

給付つき税額控除

同じ所得控除でも

所得控除等の
課税所得を減ずる制度は
累進課税の下では、
同じ減額幅でも、
高所得者ほど
税額の減額効果が大きくなり、
そういう恩恵の効果は
高所得者ほど
有利になっています。

垂直的公平観からすると、
不公平ということになります。


■高所得者ほど控除も大きい

給与所得控除の場合は、
課税所得の圧縮が定額ではなく、
所得比例的に大きくなるので、
高収入者に一層有利に作用します。

所得額を操作するような税制度は、
その制度の趣旨に反して、
高所得者優遇の結果になるので、
所得の多寡に
関連させないような
単純公平な制度にするには、
税額控除が
その要求に最も沿うものと言えます。

特に、
「給付つき税額控除」ならば、
年税額が控除額より小さくても、
控除不足額は給付されるので、
制度趣旨が
損なわれることがありません。


■給付つき勤労税額控除の提案

「給付つき税額控除」
については、
最近3/19の日経新聞の
「大機小機」欄に
目新しい提案がありました。

正規雇用者の
ワークシェアリングも視野
に入れた本格的な雇用政策として、
勤労税額控除を
導入すべきとしています。

所得税・住民税から
控除し切れなかったら、
控除不足分は給付
されるというものです。

具体的には、
100万円超300万円までの給与収入
に対し15%の税額控除を認める
というもので、
100万円程度の収入で満足しないで
300万円ぐらいまでは
頑張って働こうとの気持ちにさせる、
勤労へのインセンティブ効果
を期待するものです。


■給与所得控除の原則廃止

100万円超の給与への税額控除
ということになれば、
65万円を超える部分の給与所得控除とは
制度重複になりますから、
給与所得控除は65万円の
定額制に置き換わるべき、
ということになります。

こうなると、
高収入者の受けていた恩恵が
低所得者に流れるので、
所得再配分機能が
制度に組み込まれ、
垂直的公平の実現に
功を奏することになるとともに、
制度改正実現の財源捻出
もできてしまいます。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年5月15日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 13:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年05月11日

特定口座

特別口座からは売却不可


株券の電子化に伴い
信託銀行等に
「特別口座」
が開設されました。

これは
タンス株券や
単元未満株などを
所有する人に開設される
口座です。

特別口座でも
株主の権利は守られますが、
特別口座内に保有される
株式を売却する場合には
証券会社等の口座への
振替が必要になります。


■ 3種類の口座

上場株式を預け入れる
証券会社等の口座は、

@取得価額管理機能、

A譲渡損益計算機能、

B納税代行機能

のどれを担っているかの相違
により、

3種類あると言えます。

@ABの全部を具備しているので、
損益の計算をして
納税も代行してくれるのが

「源泉徴収ありの特定口座」で、

申告をしなくても
原則として
納税額に影響ないので
申告を省略できる特典が
付いています。

@Aを具備しているので、
損益計算だけしてくれて、
申告納税は
投資家本人がするのが

「源泉徴収なしの特定口座」です。

@だけを具備しているので、
投資家が自分で
損益を計算して
申告納税をするのが

「一般口座」です。


■本年5月末という期間制限

特定口座の開設や
特定口座での
上場株式の取得には
期限制限がありませんが、

一般口座で保有されている上場株式、
公募株式投資信託、
特別口座で保有される株式、
タンス株券などの
特定口座への預け入れは、

平成21年5月末までに行う必要があります。

平成16年末で終了した、
いわゆるタンス株の
特定口座への預け入れが、
みなし取得費の廃止と
実際取得費でとの限定のもと、
平成17年4月1日から再開され、
平成21年5月31日まで
可能とされていたことによるものです。


■「源泉徴収あり特定口座」の有利性

今年から
上場株式の配当や
株式投信の分配金などを、
上場株式や株式投信などの
譲渡損失と確定申告の手続の上で
通算できるようになっています。

さらに来年からは
配当や分配金を
源泉徴収ありの特定口座
で受け入れて、
口座内で生じた譲渡損失と
自動的に通算
できるようになります。

当面売却の予定がなくても、
なるべく早く

源泉徴収ありの特定口座

の開設を
検討した方がよさそうです。

※ 参考

■期間制限のないものもある

「従業員持株会、相続・贈与での取得、
上場前に取得した新規上場株式」等
で一定の条件を満たすものは、
平成21年6月1日以後でも可。

■銀行の特定口座

銀行でも
特定口座の扱いが始まっていますが、
証券会社ほど、切り換えが進んでいません。

■特定口座の別の特典

特定口座で保管されていた株式が
無価値化した場合には、
みなし譲渡損失の特例
があります。
特定口座
において保管されていた株式が、
上場株式等に該当しない
こととなった日以後、
引き続き保管の委託がされていて、
会社解散清算結了などにより
株式としての価値を
完全に失うことになったときは、
その株式を
対価ゼロで譲渡したものとみなして、
株式分離譲渡所得の計算や
特定口座制度の特例を適用する
ことができます。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年5月11日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年05月08日

エコカー減税 〜 自動車税の特例

■即効性ある減税策

政策減税の目玉の一つの
住宅ローン減税の目玉部分が
後ろ倒しなのに比し、
自動車をめぐる
政策減税の目玉部分は
1回限りの減税なので、
前倒しそのもので、
即効性がありそうです。


■自動車税制の減税策の趣旨

最近の厳しい経済状況の中で
自動車の販売台数が
急速に落ち込んでおり、

景気対策の観点から、
自動車の購入や
買換えを促すような施策
であるとともに、
排出ガス及び燃費性能に優れた
環境にやさしい自動車の普及と
技術開発促進を促すことにより
環境技術立国も
視野に入れているものです。


■減税策の概要

景気対策と
環境対策とを両立させるものとして、
本年4月1日より3年間、

(1)
国税である
自動車重量税については
この3年間のうちに
初めて受ける車検時に、

(2)
都道府県税である
自動車取得税については
新車取得時に、

それぞれ

環境性能に優れた自動車
に対して税の減免をします。

乗用車について
大雑把にいうと、

次世代自動車は免税、

排気ガスがきれいで
ガソリン消費量が少ない
(=二酸化炭素排出量が少ない)
乗用車は75%又は50%の税額軽減
が行われます。


■クルマ選びの参考に

車両価格200万円、
車体重量1.3トンの
環境性能に優良な新車
の購入の場合を例
にとって試算してみます。

(1)
電気自動車、
一定条件を満たす
ハイブリッド自動車・天然ガス自動車、
クリーンディーゼル車等
(いわゆる次世代自動車)

⇒ 本来の税額をすべて免除

納税額は0円で、
一般の自動車に比べ
14万6700円の減税となります。

(2)
平成17年排出ガス基準比
75%低減を達成し
(いわゆる☆☆☆☆認定車)、
平成22年度燃費基準を
25%超過達成している乗用車

⇒ 本来の税額の75%を軽減

納税額は3万6600円で、
一般の自動車に比べ
11万100円の減税となります。

(3)
平成17年排出ガス基準比
75%低減を達成し
(いわゆる☆☆☆☆認定車)、
平成22年度燃費基準を
15%超過達成している乗用車

⇒ 本来の税額の50%を軽減

納税額は7万3300円で、
一般の自動車に比べ
7万3400円の減税となります。


※ 参考

環境性能に優れた自動車
に対する自動車重量税・
自動車取得税の特例措置
国土交通省HP



〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140


2009年5月8日(金)



posted by 税理士西塚智裕 at 11:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税
当事務所へのお問合せは、
税理士西塚事務所
TEL : 03-6226-5140
ウェブサイトURL:http://www16.ocn.ne.jp/~nisizuka/
メールアドレス:nishizuka@nishizukajimusho.com