2009年05月01日

住宅ローン控除の効果

昨20年の3倍以上


本年平成21年度税制改正の
目玉の中心は
住宅ローン減税
(住宅借入金等を有する場合の
所得税額の特別控除)
と言われています。

平成21、22年に
取得住宅に入居する場合、
10年間に
一般住宅で
最大500万円の税額を
所得税・住民税から
差し引くことができます。

平成20年に住宅取得した人の
減税の最大控除可能額が
160万円だったことと比べると
大盤振る舞い振りがわかります。


有り難味は後で感じてね

ところで、
この大盤振る舞いの減税効果ですが、
夫婦二人でそれぞれ
2000万円づつの住宅ローンを
20年返済金利3%で組んだ場合、
年初取得年内入居だったら、
当初6年間の減税額計は、
平成20年取得入居と
21年取得入居共に207万円で
変わりありません。

最後の4年間分の計には差があり、
平成20年での取得入居では52万円、
21年では103万円です。

即効性を期待する政策減税としては、
効果は資金的にひっ迫する
取得時に前倒しして
発現するようにすべきで、
このようにダラダラと
後ろ倒しにしたのでは、
有難味が実感しにくく
なってしまいます。


住民税の住宅ローン控除の復活

所得税から控除
しきれなかった分について
翌年分の個人住民税から控除
(上限9.75万円)する制度は、

平成18年以前居住開始者についてのみ
適用できるもので、

平成19年以後居住開始者には
適用拒絶となっていましたが、
平成21年以後居住開始者に
再び適用可能となりました。

制度改正の経過からすれば
当然(19、20年居住開始者のみ気の毒)
とはいえ
前倒し効果のある朗報です。


大盤振る舞いの恩恵を受けられる人

ところで、
10年間合計の減税額が
最大控除額の500万円に達するケースは、
当初の借入金を
20年ローンで8800万円、
25年ローンで7300万円も
している場合です。

最近の
不動産価格高騰時の2007年に、
リクルートが
「首都圏新築一戸建て、
マンション契約者動向調査」をした
レポートによると、

平均借入額は概ね3000万円で、
5000万円を超える借入をする
住宅購入者の割合は
5%前後に過ぎません。

7000万円、8000万円も
借入する人など滅多にいません。

したがって、
総額500万円もの控除
を受けられる購入者は
きわめて少数で、
多数の人が
実際に受けられる恩恵に
あまり変化はないといえます。


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税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年5月7日(木)


posted by 税理士西塚智裕 at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2度課税が起きる場合

ストックオプションという
無償取得の場合

1円ストックオプションなどで、
株式を取得したときは、
取得時に時価課税され、

(借)有価証券〇〇〇/(貸)給与収入〇〇〇

として、
給与課税されるとともに、
その金額が
有価証券の取得価額
となります。

同時に売却した場合、
譲渡益はゼロなので
2度課税はありません。


広告資産の無償取得の場合

広告宣伝用の資産として
車両などを受贈されたときは、
取得時に時価課税され、

(借)車両〇〇〇〇/(貸)事業収入〇〇〇〇

取得車両は
減価償却の対象になる
とともに、
譲渡するときは、
その未償却残額は
譲渡収入から控除され、
重複して
利益に課税されることは
ありません。


取得時効という無償取得の場合

測量により
隣家敷地の
長期占有が判明したことに際し、
取得時効を主張して
自己のものとしたときは
一時所得に該当する
との解説があります。

その取得時効部分の
土地の時価が
1千万円だったら
その価額で課税されます。

(借)土地〇〇〇/(貸)一時所得収入〇〇〇

次に
その部分を同年中に
1千万円で売却したら
再び1千万円の譲渡所得
が計算され、
2度課税が起きます。
この場合、なぜか、
時価課税された金額が
取得価額になるとの規定が
ないからです。

遺失物の取得や
無主物、埋蔵物、景品等
の取得についても
同じ現象がおきます。


相続・贈与という無償取得の場合

相続や贈与で
先祖伝来の土地を
無償で取得した後に
売却した場合、
相続や贈与で
時価課税の洗礼を受けていたとしても、
相続や贈与で認識された時価は
売却時の原価とはならず、
原則として、
先祖伝来の
土地の継続所有者として
再び時価課税され、
2度課税となってしまいます。


2度課税への疑問

昭和の時代には
所得税と住民税の最高合計税率が
90%で、

相続税贈与税の最高税率が
70%
ということがありましたから、
限界事例でみると、
所得税の2度課税、
所得税と相続税の2度課税が
されることにより、
無償取得財産の価額より
多くの税負担を負う
ことになってしまいました。
今は、
それぞれ
50%にまで下がっていて、
そういう悲惨さは
大分緩和されましたが、
税の理屈からいって、
2度課税はもともと
あってはいけないのではないか
と思います。


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2009年5月1日(金)


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2009年04月03日

振替納税の注意点〜所得税・消費税

■今年の振替日は4月22日

所得税の納期限は、
今年の場合、
申告期限と同じ3月16日ですが、
消費税は3月31日までです。

振替納税の
手続きをしている人の場合、

今年の振替日は、
所得税が4月22日(水)、
消費税及び地方消費税が4月27日(月)
です。

振替納税は
1ケ月前後の遅延納付を
合法的に認める制度で、
延滞税の計算上、
振替日での振替納付を
本来の納期限での納付とみなす
こととされており、
それで延滞税が免除される
ことになっています。


■振替納税口座の残高確認

残高が1円でも足りないと
振替ができません。

振替期限の前日までに
振替額を振替口座に入金
しておく必要があります。
振替当日の入金では
振替されませんので、
ご注意ください。

また、
残高不足などで
振替ができなかった場合は、
本来の納期限までさかのぼって
その翌日から延滞税がかかります。

延滞税は、
3月17日から5月16日までの2ヵ月間は
年4.5%、
それ以降は年14.6%の割合でかかります。

この超低金利時代に
国家権力の横暴さを
身にしみて感じさせられる
高金利です。

振替額の大きい人の場合、
特に要注意です。

振替納税は税目ごと、
税務署ごと
振替納税の手続きは汎用的ではなく、
税目ごとですから、
所得税の振替納税手続きを
していたとしても、
自動的に消費税について
振替納税になるわけではありません。

また、
振替納税の依頼の受理は
税務署長なので、
住所の異動により
所轄の税務署が変わることになると、
新しい所轄税務署に
新規に振替納税の手続きをしない限り、
従来の振替納税の手続きの効果は失われます。

旧住所地の所轄税務署に
申告書を提出したとしても、
新住所地の所轄税務署に
申告書は移送されてしまいますので、
振替納税にならず、
納税延滞になってしまいます。


■期限内申告の税額に限る

申告内容に変更があって、
期限内に申告書を再提出した場合は、
あとから提出された
「訂正申告書」が
唯一有効な申告書として、
そこに記載された税額が
振替納税額となりますが、

期限を経過したあとの期限後申告や
修正申告による納税額は、
4月22日、27日の振替日まで
余裕が十分あったとしても、
振替納税の対象にはなりません。

振替納税手続(国税庁HP)


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2009年4月3日(金)
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2009年04月02日

修正申告・更正の請求など〜確定申告

■確定申告の誤りや間違い
に気づいときは!

確定申告も終わり
ホッと一息ですが、
申告関係の資料を整理していて
新たな資料などが出てきて、
はたと
申告の誤りや
間違いに気付くことがあります。
その誤り等が、
税金の過少申告(収入の計上漏れ等)
に基因するものであったり、
一方、
税金の過大申告
(費用の計上漏れ、諸控除の失念等)
に基因するもであったりします。

前者の場合には
「修正申告」が求められ、

一方、後者の場合は、
過大税金分を取り戻すには
「更正の請求」という手続き
が必要となります。


(1)自主的な修正申告の特典

税金過少の誤りに気づいたときには、
自主的に修正申告をすることによって、

過少申告加算税
(税金が過少申告されていたこと
による納税不履行の制裁)
は免除され、

延滞税
(納付期限の2ヶ月以内は4.5%、
以後は14.6%)だけ
ですみます。

しかし、
税務署の指摘、調査等によって
修正申告(更正も含む)
を行なった場合には、
原則、増差税額の10%の
過少申告加算税がかかります。

また、
その増差税額が
期限内申告税額又は50万円
のいずれか多い金額を超える場合は、
その超える部分の金額に
15%相当額の加算税がかかります。

余分な税金を支払わないためにも早めの対応が必要です。


(2)更正の請求は1年以内に

反対に、
税金を過大に申告していた
ことに気づいたときは
(医療費や寄付金などの所得控除の失念等)、

更正の請求をすることによって
納め過ぎの税金は還付されます。

この手続きは、原則、
法定申告期限から1年以内
(平成20年分申告については
平成22年3月16日まで)
に所轄税務署に
「更正の請求書」を提出します。


(3)確定申告をうっかり失念

なお、
うっかりして申告期限
(平成20年分は平成21年3月16日)までに
確定申告を失念していた場合には、
原則、
期限内納付税額の
15%の無申告加算税

延滞税
が課されることになります。

しかし、
申告期限まで申告しなかった場合でも、
税務署からの問合せや
税務調査の前に
自主的に確定申告をすれば
(期限後申告と言います)、
無申告加算税も
5%相当額に軽減されます。


確定申告を間違えたとき(国税庁)


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2009年4月2日(木)





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2009年04月01日

配偶者控除〜年の中途で配偶者が死亡した場合

■控除対象とされた配偶者の死亡の場合

申告者の配偶者が
死亡した時の現況において、
配偶者控除の適用要件を
満たしていたかどうかを判定し、
要件を満たしている場合には、
配偶者控除の適用を受けることができます。

配偶者の合計所得金額は
その死亡の時に確定しますので、
提出済みの扶養控除等申告書
において控除対象配偶者として
申告していなかった場合には
適用異動の届け出をし、
又は年末調整や確定申告において
配偶者控除の適用を
受けることができます。


■同一年内に再婚した場合

申告者が
年内に再婚したことにより
控除対象配偶者に該当するものが
先妻と後妻と
2人いることになる場合には、
いずれか1人のみしか
適用を受けられません。

この場合、
控除対象配偶者とされなかった
もう一人について、
その者を扶養親族とする要件
を備えている人がいた場合でも、
扶養親族とすることは
できません。

年内再婚の場合は
罰則的?ともいえる
厳しい規定になっています。

ただし、
該当する2人とも
控除対象配偶者としての規定の
適用を受けないときに限り、
いずれか1人に限り
他の者の扶養親族として
適用をうけることが宥恕的に
認められています。

とはいえ、
もともと控除対象配偶者としないで
他の者の扶養親族とする扱いに
以前からしていた場合では、
その扱いをつづけることまでは
排除しないことになっているので、
一方は扶養親族、
もう一方は控除対象配偶者
とすることは可能です。


■配偶者を控除対象とした側の死亡の場合

逆に
申告者の死亡の場合も、
その申告者が死亡した時の現況において、
配偶者控除の適用要件を
満たしていたかどうかを判定し、
要件を満たしている場合には、
配偶者控除の適用を
受けることができます。

なお、
死亡した申告者の
配偶者の合計所得金額についても
その死亡のときに判定はしますが、
その時点での所得ではなく、
12月31日までの見積予想所得額になります。

この未亡人が
同一年内に再婚した場合に、
再婚相手が
再び同一人を控除対象配偶者にできるか、
というと、
この場合には特に排除規定がないので、
適用要件を満たしている限り、
年内に2回控除対象配偶者
となることができます。

posted by 税理士西塚智裕 at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年03月30日

扶養控除、配偶者特別控除の相互適用

高齢者世帯の収入は
平均的にも、
分布で見ても
他の年齢層とほとんど
変わりがありません。

若い時恵まれていた人は
年老いても恵まれ続けている
ようです。

税の仕組みは
どの辺の層を基本において
作られているのか、
考えてみませんか。


■配偶者特別控除の相互適用

年額70万円に満たないような
年金しか受け取れないために、
共働きをして、
それぞれ120万円ほどの収入を
得ている夫婦がいたとします。

給与所得はそれぞれ55万円です。
(給与収入120万円から給与所得控除65万円
を控除した金額)

それぞれ給与所得が
38万円を超えているために、
扶養控除としての配偶者控除は
適用されません。

ただし、76万円未満なので
配偶者特別控除の適用は
受けられます。

55万円の給与所得の場合は
配偶者特別控除の額21万円が
適用となります。

夫も妻も、
それぞれの配偶者を
配偶者特別控除の対象として
21万円の控除をうけることが
できるでしょうか。

残念ながらこれは、
ダメなのです。

法律を作る時に、
なぜか
こんなケースまで想定しているらしく、
ピシャリと排除する規定を
置いています。

この人たちは
社会保険でも
相手を被扶養者にできないし、
税法でも頑なな温かくない扱いに
遭遇します。


■配偶者控除の相互適用

少し数字が変わって、
それぞれ年額70万円以下の年金収入と
年額103万円の給与収入がある
共働きをしている夫婦が
いたとした場合は、
それぞれの所得が38万円以下なので
お互いに
相手側の配偶者控除の対象者になる要件
を備えています。

もし、双方とも
雑損失や居住用財産の譲渡損失や
株式の譲渡損失の控除繰り越し
の必要などがあることにより
確定申告をしておこう、
というような場合、
自分の基礎控除のほかに
配偶者控除の額も
記載しておくのはどうでしょうか。

現実に
有効に相互適用が機能する場面が
想定されないからだと思われますが、
配偶者特別控除とは異なり、
配偶者控除や扶養親族控除には
相互適用排除の規定は
ありません。

したがって、
予備的な意味で
それぞれを控除対象配偶者として
記載し合うことには
特段の差し障りはありません。

高齢者世帯の収入等(財務省)


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2009年3月30日(月)


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2009年03月26日

扶養認定〜税法と社会保険の違い

■所得税における扶養親族

親族で
扶養控除や配偶者控除の対象
に該当するための要件は、

次の4つです。

なお、所得税法で
「同居」が問われるのは、
特別障害者や老親扶養の場面だけです。

@納税者と生計を一にしていること
A合計所得金額が38万円
(給与収入でいえば103万円)以下であること
B他の誰かの扶養親族・控除対象配偶者
にならないこと
C事業専従者でないこと


■社会保険における被扶養者

三親等内の親族で
被保険者の収入により
生計が維持されていること
が被扶養者該当要件で、
なお、
続柄により同居要件が必要な場合が
あります。

(1)同居要件を必要としない

1. 配偶者(内縁を含む)
2. 子・孫・弟妹
3. 父母などの直系尊属

(2)同居要件を必要とする

1. (1)以外の被保険者の三親等内の親族
 (義父母・兄姉等)
2. 内縁の配偶者の父母および子
3. 内縁の配偶者が亡くなった後における
 その父母および子


■社会保険における「生計維持」とは

扶養されているのは
収入が少ないからということでしょうが、
その少なさの基準を
所得税が所得38万円以下と
しているのに対し、
社会保険では
所得ではなく、年収130万円未満
(60歳以上または障害者は年収180万円未満)
としています。
従って、
遺族年金・障害年金・傷病手当金
・出産手当金・失業給付金等の
非課税所得も年収を構成し、
逆に事業所得や資産所得などでは
家計外への現金支出を
現実に伴う経費のみは収入から控除してよい
ものとしています。


■正確には130万円だけではない

社保の130万円は通達の定めですが、

正確には、

年収が130万円未満で

かつ

被保険者の年収の2分の1未満

との規定です。

それぞれの年収が120万円前後
という夫婦の場合、

130万円未満という基準は
満たしているものの、
2分の1基準を満たしていないので、
どちらも被扶養者となれず、
社会保険料負担は
被扶養者該当の場合の
2倍の負担となってしまいます。

貧しいものへの配慮を欠く通達なので、
現実には執行されていないのかも
しれませんが、
認定基準だけは独り歩きしています。


※ 扶養控除 タックスアンサー(国税庁)

※ 社会保険の扶養(東京社会保険協会)





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2009年3月27日(金)
posted by 税理士西塚智裕 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税

社会保険料の控除のあり方

控除には3つの方法がある

考えると、税制の上で、
社会保険料を控除するのに、
収入から控除する、
所得から控除する、
税額から控除する、
の三法があることがわかります。


社会保険料の控除の理論的なあり方

社会保険料控除が、
課税時点の繰り延べの趣旨であるならば、
収入控除が
趣旨に適っているように思われます。
支払い保険料は将来の年金収入
ということではねかえってくる
ものだからです。

年金収入は所得額として
はねかえってくるのではない
ということです。

その意味は、
架空経費としての
給与所得控除額を控除する対象に
支払い社会保険料を含めてはならない、
ということです。
給与収入の時点のところで
給与所得控除額の恩典を受け、
また将来の年金収入のところで
年金控除という
架空経費の恩典を受けるのでは、
架空経費の重複控除になってしまいます。

この原理は、
給与所得者に限ってのことではなく、
事業所得者にも限界事例のところでは、
青色申告特別控除の利用額と
将来の年金控除額の重複利用
という形で現れますので、
同一の問題を内在させています。

そうすると、
課税時点の繰り延べの趣旨
としての社会保険料控除は
所得控除ではなく、
収入控除に改めるべき
ということになります。


社会保険料の控除の政策的なあり方

社会保険料控除は
課税繰り延べの趣旨などではなく、
老人世代に対する、
現役世代の政策的な扶養負担義務だ
と考えることとなると、
社会保険料の実質負担額が
支払社会保険料×(1−税率)
となるという事実から、
高所得は高税率なので、
所得逆進的負担という結果になるわけで、
そこで所得逆進の制度はおかしい、
という主張が出てくることになります。

逆進制度を改めるとしたら、
控除する場所を
税額控除方式にすることが
目的に適います。

税額控除方式を採用するとなると、
支払社会保険料×一定率
という算式になるのだろうと思われます。
これで、負担が、
支払社会保険料額に比例的になります。


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2009年3月26日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年03月06日

減価償却等の端数処理〜所得税と法人税

■ホームページでは

ホームページ確定申告書作成コーナーでの
減価償却システムに入力していくと、
減価償却費の小数点以下の端数が
切上げとなります。

減価償却の端数処理は
切上げが正しいのか、
というと、
法人税については明確に
端数切捨てで
従来から一貫しています。

所得税のみ、
最近変更になったようです。


■改定があったのか?

所得税の端数処理の変更の根拠は、
法律や政令・省令の改正、
もしくは通達の改正があったことに
よるのではありません。

平成19年4月の250%定率法の導入により、
1円を残して
全額償却可能となったことに際し、
法人税は
従来通り端数切捨ての「Q&A」
を公表しているのに対し、

所得税は端数切上げの「質疑応答事例」を公表
したことに起因しています。

平成19年分以後の

確定申告青色決算書の「書き方」も
一斉に変更されました。


■端数金額は切り上げにしないと不都合?

平成19年4月以降の取得資産については、
端数処理の切上・切捨の差は
各年の償却費の1円の多少に過ぎませんから、
問題にするほどのことではありません。

不都合なのは、
平成19年3月までの取得資産について
生じます。

取得価額の5%に達するまでの期間に
1年の差が出ることになる場合があり、

5%に達した翌年からの
5分の1償却では、

切上げは5年間償却となり、
切捨ては6年目に
数円の償却をする6年間償却
となります。


■端数処理の根拠法は何だ?

国の債権債務及び税額や
課税標準に関しては
端数切捨ての定めがありますが、
償却計算には特に端数処理の定めは
ありません。

法人税と所得税の間には、
償却費の計上額が
任意か強制かとの相違がありますが、
その相違が、
端数処理の相違の直接的な根拠
になるわけでもありません。

一般法の
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」
を援用することになるとしたら、
端数処理の原則は四捨五入となりますが、
これに拠ってもいません。


■根拠がないのだとしたら

根拠不明なら、
端数処理について
切上・切捨にこだわらない、との
国税庁の姿勢を表示しているもの
と受け止め、
法人税も同じと考えるのが順当な理解
と言うべきかもしれません。

以上、繰延資産の償却の場合も同様です。

※ 以下、参考(国税庁HP)

質疑応答事例>所得税目次一覧>旧定率法を選定していた者が新たに資産を取得した場合(切上げが明示)

切捨てが明示されている法人税の記事

平成19年分収支内訳書(不動産所得用)の書き方

平成19年分青色申告決算書(不動産所得用)の書き方(PDFファイル)

平成19年分青色申告の決算の手引き(一般用)

※ 参考

通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
第3条(債務の支払金の端数計算)
 債務の弁済を現金の支払により行う場合において、その支払うべき金額に50銭未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が50銭未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を切り捨てて計算するものとし、その支払うべき金額にも50銭以上1円未満の端数があるとき、又はその支払うべき金額の全額が50銭以上1円未満であるときは、その端数金額又は支払うべき金額の全額を1円として計算するものとする。
 ただし、特約がある場合には、この限りでない。
2 前項の規定は、国が収納し、又は支払う場合においては、適用しない。




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2009年3月6日(金)

posted by 税理士西塚智裕 at 01:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

上場株式等の譲渡損益〜確定申告〜特定口座でシンプルに!

やり方次第で、思わぬ負担増?


昨年の後半からの株式市場の低迷を受け、
これを千載一遇のチャンスと捉え、
積極的に株式等を購入する個人も増えている
と専門誌は伝えています。
株式等などに投資をしている場合、
売買損益の状況によって
確定申告をすれば、
税金を取り戻すことができます。

ただし、
高齢者や専業主婦では、
ケースによっては、
取り戻した税金以上に社会保険料
(国民健康保険料、後期高齢者医療保険、
介護保険料)など
他の負担が増えることがありますので
留意する必要があります。

それは、申告をすることによって、
所得が増加し、
その結果、
所得を算定基準とする社会保険料など
の負担増を誘発させるからです。


(1)社会保険料の負担増も

「源泉徴収ありの特定口座」を使い、
譲渡益が出ても
一切申告しなれば、
保険料に影響はありません。
しかし、
複数の特定口座があり、
口座間の損益通算をし、
結果、税金が戻っても
譲渡益が出た場合には、
戻り税金以上の保険料の負担増が
あるかもしれません。

通算後の利益が多いほど、
申告による影響を考えた方が
よいでしょう。


(2)医療費の窓口負担3割に

70歳以上の医療費の窓口負担は
本来1割(平成21年3月31日まで)
ですが、
次の二つの条件が当てはまると
3割に引き上げられます。

@住民税の課税所得が145万円以上
で、
A年間収入金額が単身世帯で383万円以上、
夫婦世帯で520万以上の場合です。

二つ目の基準では、
株式の譲渡益ではなく
売却代金で判断されるので
留意が必要です。

まずは、
「源泉徴収ありの特定口座」の選択が先決
かと思います。


(3)譲渡損失の繰越控除も注意

上場株式等の譲渡損失
(年間の譲渡損益を通算した後)は、
確定申告をすることで
翌年以後3年間繰り越すことができ、
その間の譲渡益と相殺できます。

しかし、
配偶者控除の要件である
合計所得金額38万円は、

この繰越控除を行う前の所得金額
で判定されます。

それ故、
妻が株式譲渡損失の繰越控除を利用して
税金を取り戻しても、
夫の配偶者控除の対象から
外れることもあります。

特に、
夫の所得金額が1,000万円以上の場合は、
配偶者特別控除の適用もありませんので
留意が必要です。


※ 高齢者の医療費3割負担の所得基準


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2009年3月5日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 01:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税

2009年02月26日

自家消費〜個人事業者の確定申告

■自家消費とは

個人事業主が
事業用の商品や
材料を自分で使った場合を、
自家消費といいます。

例えば
飲食店を営む個人事業主が、
仕入れたビールを
自分で飲んでしまった
ような場合です。

自家消費は
収入に計上する必要が
あります。

原則は
通常販売する価格で計上する
必要があります。

しかし
企業でも社内販売等は、
安く販売されているのが通常ですから、
全てを通常販売する価格で
収入に上げるのはおかしいとする
社会一般の常識から
一定の基準が設けられました。

しかし
この一定の基準が問題です。

所得税と消費税では
この一定の基準が
大きく違います。

所得税では

仕入価格以上
且つ
販売価格の70%以上
で収入に計上した場合は
これを認める。
と言っております。

一方
消費税では

仕入価格以上且つ
販売価格の50%以上
で収入に計上した場合は
これを認める。
と言っております。

所得税の基準で収入に計上すれば、
消費税の基準も満たすので、
まず問題ありませんが、
納税者からすれば
有利な消費税の基準を
選択したくなります。


■法律と法律解釈

法律では
所得税も消費税も
収入に計上しろ
としか言っておりません。

幾らで計上するかまでは
言及しておりません。

一定の基準は
税務当局の法律解釈の基準
でしかありません。
例えば
売り物にならなくなったので
自家消費した等、
特別な理由がある場合は、
一定の基準と違っていても
かまいません。


■ではどうすればよいの?

税務調査時の安全性
を考慮すれば所得税の基準
に従う方が妥当です。

しかし
自家消費が高額な場合などは、
税務当局内部でも
基準が曖昧であると言う理由で、
合理的な算定根拠を示して、
独自の基準で収入に上げることも
充分可能であると思われます。

※ 参考条文等

消費税法
(課税の対象)
第4条  国内において事業者が行った資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。

4  次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなす。
一  個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合における当該消費又は使用
消費税通達
(自家消費等における対価)
10−1−18 個人事業者が法第4条第4項第1号《個人事業者の家事消費等》に規定する家事消費を行った場合又は法人が同項第2号《役員に対するみなし譲渡》に規定する贈与を行った場合(棚卸資産について家事消費又は贈与を行った場合に限る。)において、次の(1)及び(2)に掲げる金額以上の金額を法第28条第2項《みなし譲渡に係る対価の額》に規定する対価の額として法第45条《課税資産の譲渡等についての確定申告》に規定する確定申告書を提出したときは、これを認める。
(1) 当該棚卸資産の課税仕入れの金額
(2) 通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額
所得税法
(たな卸資産等の自家消費の場合の総収入金額算入)
第39条  居住者がたな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)を家事のために消費した場合又は山林を伐採して家事のために消費した場合には、その消費した時におけるこれらの資産の価額に相当する金額は、その者のその消費した日の属する年分の事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
所得税通達
(家事消費等の総収入金額算入の特例)
39−2 事業を営む者が法第39条若しくは第40条に規定する棚卸資産を自己の家事のために消費した場合又は同条第1項第1号に規定する贈与若しくは遺贈をした場合において、当該棚卸資産の取得価額以上の金額をもってその備え付ける帳簿に所定の記載を行い、これを事業所得の金額の計算上総収入金額に算入しているときは、当該算入している金額が、39−1に定める価額に比し著しく低額(おおむね70%未満)でない限り、39−1にかかわらず、これを認める。


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2009年2月26日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年02月23日

ギャンブルと税金

■「賭博」と刑法

「賭博」「ギャンブル」は
刑法によって禁止されています。
ただし、
賭け麻雀や賭けゴルフなど、
一時の娯楽に供する物を
賭けたにとどまるときまでは
刑法規定は及ばない
ことになっています。
また、
他の法律で合法化さているものにも、
刑法規定は及びません。


■公営ギャンブル

競馬、
競輪、
オートレース、
競艇
の4つは
公営競技といわれ、
それぞれ根拠法と
主催法人があり、
どれも未成年者禁止です。

それに対し、
サッカーくじは
公営ギャンブルではありますが、
サッカー競技を主催する法人は
ギャンブルの主催はしていないので、
公営競技とされていません。
サッカーくじtoto
の購入は19歳未満禁止です。
宝くじも公営ギャンブルですが、
賭博ではなく、
購入に年齢制限はありません。


■合法的民営ギャンブル

パチンコは
風俗営業法により
認められている遊技ですが、
一般的には
ギャンブルと認識されており、
18歳以上という年齢制限
もあります。


■ギャンブル収入の捕捉可能性

賭け麻雀や賭けゴルフの収入は
所得です。

公営競技
サッカーくじ
宝くじ
での払戻金も所得です。

パチンコ出玉の換金収入も
所得です。

サッカーくじ・宝くじの払い戻しは
少額なものを除き銀行窓口で
氏名等を明記して受け取るので
所得捕捉されることになりますが、
これは非課税で、
それ以外の課税ギャンブル収入では
ほとんどの場合、
本人がマスコミ等で
公表でもしない限り、
所得捕捉はできていない
ようです。


■ギャンブル収入で脱税のニュースはない

ギャンブル収入は、
それを職業としてやっていれば
事業所得、
それに準ずる程度のものなら
雑所得、
それ以外は
一時所得
に該当します。

ただし、
ほとんどの場合、
ギャンブルは一時の娯楽でしょうから、
一時所得に該当しますし、
特別控除額の50万円を
超える所得となるケースは多くないので、
税務当局も、
ギャンブル収入を原則一時所得
と見ることにしています。

しかし、
それにしても、
ギャンブル収入で無申告脱税
とのニュースを
聞いたことがありません。
ギャンブラーは
みなまじめな申告者
なのかもしれません??

※ 参考

タックスアンサーNo.1490 一時所得

■一時所得とは

一時所得とは、
営利を目的とする継続的行為
から生じた所得以外の所得で、
労務や役務の対価としての性質や
資産の譲渡による対価としての性質を
有しない一時の所得をいいます。
この所得には、
次のようなものがあります。

(1) 懸賞や福引きの賞金品
(業務に関して受けるものを除きます)、
競馬や競輪の払戻金。

(2) ・・・ 以下省略


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2009年2月23日(月)



posted by 税理士西塚智裕 at 16:59| Comment(0) | TrackBack(3) | 所得税

2009年02月16日

ゴルフ会員権・株式の譲渡損失〜個人の所得税

■譲渡損であってこその損益通算

個人が
ゴルフ会員権を譲渡した場合の所得は
譲渡所得となります。
そして
この譲渡による損失は
他の所得との損益通算の対象
になります。

しかし
ゴルフクラブが倒産したり、
民事再生計画等により
預託金の一部または全部が
切り捨てられた場合、
その失われた預託金額部分は
譲渡にあたらないため、
損益通算の対象にもなりません。

ゴルフクラブの退会等で
預託金の償還によって、
その会員権の
取得価額に対して生じた損失も
同様です。

譲渡による損失であること

損益通算の条件
であることから、

会員権を2万円で買い取ります、
ただし手数料5万円です、
という業者の手法
が存在しえるのです。


■株式も譲渡損でなければ

個人の株式の譲渡による所得
は、
「申告分離課税」
という課税方式になっています。

そこで発生した譲渡損失は
3年間の繰越控除
が認められています。

株式の保有による損失も
ゴルフ会員権の場合と類似の様相
を呈します。

会社が
政策的に株式の上場をやめる場合を除き、
上場が廃止される株式は、
通常無価値になるか、
価値があっても
売買ができなくなります。

売買が成立しなければ
譲渡損でなく、
したがって
3年間の繰越控除も適用できない
ということになります。


■上場廃止予定銘柄を1円で売買

上場が廃止される銘柄は、
会社更生法適用申請等の後
すぐに上場廃止となるわけではなく、
一定期間
売買される機会が設けられます
(整理ポストへの割当、整理銘柄に指定)。

このような銘柄は、
1円売気配となり、
売買がなかなか成立しなくなりますが、
この一定期間を利用して
売買を成立さるという
証券業者もあるようです。



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2009年2月16日(月)
posted by 税理士西塚智裕 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年02月12日

定額給付金は課税? 非課税?

■定額給付金関連予算成立

開会中の通常国会で、
年初提出の
定額給付金に係る補正予算が
衆議院通過後、
参議院で修正議決され、
両院協議会で
意見不一致が確定し、
衆議院優越の憲法規定により、
衆議院の議決が
国会の議決となりました。


■減税方式の場合は

当初は
定額減税として発案されましたが、
定額減税は
非課税世帯に効果が及ばない
との理由で、
給付付き税額控除
が検討された後、
定額給付金に変更される、
という経過をへてきました。

減税方式では
今年の年末の年末調整か
年明け後の確定申告の機会
を捉えないとできないので、
早い時期に給付するためには
税のしくみとは
切断される必要がありました。


■いつごろ給付となる

財源措置となる予算関連法案は、
1月13日衆議院を通過し、
参議院において審議中ですから、
遅くても
3月13日には法案は
自然成立するので、
3月中には給付が可能です。


■根拠法はなに

ところで、
参院付託中の法案をみると、
税法らしきものはまったくなく、
定額給付金を連想させるものも
ありません。

減税法案だったら、
租税法律主義の憲法原則からして、
税法に明記されるのですが、
税のしくみと切断
されたことにより、
法律からも切断
されたようです。

国会論議でも、
定額給付金の法的根拠を問う質問に、
「予算の執行」にすぎず、
新たな法案の制定は
必要ない、との
政府見解を示しています。


■非課税という情報があったけど

昨年中に
与党から定額給付金を
非課税扱いとする、
という情報が流されていましたが、
根拠の法律がないのでは
非課税の手当ては
どうするのでしょうか。

国会に法案上程が
されたばかりの、
平成21年度の税制改正案をみると、
確かにありました。

支給時は課税対象ですが、
事後立法で遡及非課税とするようです。


■情報によると

情報によると、
給付額は、
本年2月1日現在、
住民基本台帳に記録されている者
につき1人当たり1万2000円、
ただし、
65歳以上と18歳以下の人には
8000円加算し2万円、
と個人別に定まるものの、
受給者は世帯主
とされるようです。

※参考

租税特別措置法 第41条の8
 2 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)
に基づき住民基本台帳に記録されている者
(政令で定める日において住民基本台帳
に記録されている者に限る。)
の属する世帯の
世帯主その他の財務省令で定める者
に対して市町村又は特別区から給付される給付金で
厳しい経済金融情勢の下で
家計への緊急支援の観点から給付されるもの
として財務省令で定めるものについては、
所得税を課さない。


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2009年2月12日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(4) | 所得税

2009年02月09日

サラリーマンと必要経費〜確定申告、年末調整

平成19年の
国税庁民間給与実態統計調査
によると、
給与所得者数は約5,377万人、
国税庁レポートによると、
給与所得のある者で
平成19年分の確定申告をしたのは
約264万人で、
我が国のほとんどのサラリーマンは、
確定申告をしていません。

これは、
給与所得者には、
特定の場合を除き
必要経費が認められず、
勤務先の年末調整で
納税が完結してしまうためです。


■年末調整は例外的制度?

年末調整の制度が導入されたのは、
第二次大戦直後の
昭和22年(1947年)です。

当時は、
給与所得が5万円以下の場合に、
確定申告手続きを省略して
年末調整で所得税の納税を
完結させるものでした。

1949年、
シャウプ勧告は、
税務署の事務負担は大きいが、
年末調整の手続きを
速やかに税務署に移管すべき
と提唱しました。

また、
旧大蔵省編纂の
「昭和財政史」では、
選択的であれ、
給与所得についても
実額による経費控除を認めるのが筋、
と指摘しており、
年末調整は
あくまでも例外的な制度
と考えられていたように思います。


■必要経費が申告できる場合

現在、
サラリーマンは、
次項の特定支出額
と呼ばれる必要経費が
給与所得控除額を
超える場合にのみ、
確定申告により、
給与所得控除額を
超える部分の金額を
控除できることと
されています。

特定支出額は5項目に限定されている

@ 通勤費

A 転任に伴う転居のための引越し費用

B 職務に直接必要な技術や知識を
得ることを目的とした研修費

C 職務に直接必要な
資格取得費
(弁護士、税理士などの資格を除く)

D 月4回までの単身赴任の帰宅旅費

上記のように
5項目に限定されているため、
年間数人にしか
利用されていません。


■これからの方向性を考える!

仮に、
サラリーマンにも
確定申告が認められることとなっても、
今の特定支出額の延長上で
必要経費を認めるだけだとしたら、
まさに絵に描いた餅です。

終身雇用制度が崩れ、
各人の自己責任が問われる昨今、
自己投資として通う語学学校など
各種スクールの学費や
専門書籍代なども
必要経費として認めるなど、
国としての方向性を
示す必要があるでしょう。

※参考

国税庁「民間給与実態統計調査」

国税庁レポート

国会図書館「調査と情報 第535号」
「給与所得控除の論点」



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2009年2月9日(月)




posted by 税理士西塚智裕 at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年02月04日

介護・医療型生命保険〜平成24年から摘要(生命保険料控除)

■平成21年改正ではない

自民党税制改正大綱に

生命保険料控除額の引き上げ

抜本的改正についての項目
がありましたが、
内容の斬新さのわりに
話題になっていません。

よくみると、

平成22年度改正において
法制上の措置を講じた上で、
平成24年分以後の所得税について
適用する、とされています。

なんで、
そんな先のことを言うのかな、
と訝ってしまいます。


■業界からの要望

生命保険協会

日本損害保険協会は、

「生命保険料控除」

「個人年金保険料」
と2つある制度の統合を求めることで合意し、
今回の税制改正に向けて、
抜本的改革案を要望しました。

昨年は
2本立てのままの要望でしたが、
見送られ、
今年は
1本化で、控除総額を設けたうえで、
死亡、医療、介護、年金などの
商品ごとにも控除枠をつくる、
というもので、
一応採用されました。


■新税制の内容

従来からの

一般生命保険料控除
及び
個人年金保険料控除

の適用限度額を
それぞれ4万円(現行:5万円)とし、

新たに

介護(費用)保障 又は
医療(費用)保障を内容とする保険料等

について

別枠で、
4万円の所得控除
(介護医療保険料控除)
を創設する、
というものです。

合計12万円が限度になります。


■旧税制もさらに存続する

保険契約は長期のものが多く、
税制新制度施行前の契約は
将来とも引き続き
従来の10万円限度の
2本立て保険料控除です。

たとえ、
介護医療保険特約でもです。

新制度施行日以後に締結した
生命保険契約のみ
が新制度の適用になります。

従って、
平成24年以後は、

旧一般、旧個人年金、
新一般、新個人年金、新介護医療

の5つの類型の
生命保険料控除証明書が
存在することになります。

なお、
新旧が混在するときにおける
合計適用限度額は12万円です。


■住民税のほうは

個人住民税については
平成25年度分以後の適用となり、
控除の適用限度額は2万8千円
(現行:3万5千円)で、

合計適用限度額は7万円です。


※ 参考

日経新聞:07月11日
保険料控除、生損保一本化で合意
09年度税制改正で要望


金融庁税制改正要望
〜生命保険料控除制度等の見直し


平成20年税制改正大綱抜粋

税制改正大綱

@生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について,現行の一般生命保険料控除と別枠で,4万円の所得控除(介護医療保険料控除)を創設する。
A一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額をそれぞれ4万円(現行:5万円)とする。合計適用限度額は12万円とする。
B上記の新制度については,新制度の施行日以後に締結した生命保険契約等について適用し,同日前に締結した生命保険契約等については従前の制度を適用する。
この場合において,新制度と従前の制度の双方の控除の適用があるときにおける合計適用限度額は12万円とする。
C新制度は,平成24年分以後の所得税について適用する。平成22年度改正において法制上の措置を講ずる。



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2009年2月4日(水)

posted by 税理士西塚智裕 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 所得税

2009年02月02日

ふるさと納税

■ふるさと納税の本人負担


所得税の課税所得500万円の人が
55,000円を県や市町村に寄付をした場合は、
そのうち5万円について
所得税の所得控除として1万円(20%税率)
の減税があり、
同じく
住民税でも5,000円(10%税率)
の減税があります。
残りの35,000円について、
都道府県が4割の14,000円、
市町村が6割の21,000円の減税をします。

寄附額の大部分が、減税となり、
本人負担は5,000円のみです。


■その5,000円を特産品で補てん

多くの県や市が、
一定額以上寄附してくれた人に、
この自己負担分の5,000円相当の特産品を
プレゼントするとしています。
たとえば、
海産物の詰め合わせや
そば、ブドウ、イチジク、
ほし柿、イモ、黒毛和牛や
地元の野菜、米、ズワイガニ、
竹輪などなど、
インターネットで検索すると
続々とヒットしてきます。

そして、
実際に、特産品を目当てにして、
ふるさと納税を検討している人もいます。


■一定額以上の寄附とはどれくらい

さすがに
5,000円の寄附に
5,000円の謝礼はないようですが、
6,000円以上としているところがあります。
1万円以上というところが割合多く、
3万円以上、5万円以上
というところもあります。

しかし、
特産品目当ての寄附も如何わしいが、
それを煽る自治体の態度も疑問です。
寄附とは、
見返りを求めない行為であるべき
だからです。


■自治体は通販感覚になっていないか?

冒頭のような人が、
55,000を5ヶ所にふるさと納税したら、
各自治体から5,000円相当のものが五つ
計25,000円相当の特産品が届いてきます。
本来自己負担とされている5,000円分を
はるかに超える利得となります。

寄付をして、
名誉のみならず、
物質的利得を得る、というのは、
制度の趣旨が
どこかで踏みにじられていることになります。
まるで、
5,000円のものが
1万円で通販されているかのようです。


■寄付文化の振興に貢献するようにすべき

ふるさと納税はよい制度です。
広く薄くが根付けば
直接民主主義的寄付文化が
花咲くことになります。
が、
特産品目当ての寄附を
助長しているようでは、
それは期待できません。


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2009年2月2日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税

2009年01月13日

住宅減税〜平成21年度税制改正

平成21年度
与党税制改正大綱
の目玉の一つは、
「住宅への投資減税」です。
これは、
不況時の定番メニューです。
しかし、
今税制のメニューの内容
は少し違います。

主たる内容は、
住宅ローンを前提とした減税ですが、
ローンを組んでない場合でも
住宅への一定の要件を満たした投資であれば、
減税が適用できる制度も創設しています。


(1)最大600万円控除

住宅ローン減税制度について、
平成21年から平成25年までに居住した場合、

控除期間は10年で、

一般住宅では控除額最大500万円、

長期優良住宅
(認定優良住宅:いわゆる200年住宅)
では最大600万円控除です。


【一般住宅の借入金年末残高の限度額及び控除率】

居住年 控除期間 借入年末残高 控除率

平成21年 10年間 5,000万円 1.0%
平成22年 10年間 5,000万円 1.0%
平成23年 10年間 4,000万円 1.0%
平成24年 10年間 3,000万円 1.0%
平成25年 10年間 2,000万円 1.0%



【長期優良住宅の借入金年末残高の限度額及び控除率】

居住年 控除期間 住宅年末残高 控除率

平成21年 10年間 5,000万円 1.2%
平成22年 10年間 5,000万円 1.2%
平成23年 10年間 5,000万円 1.2%
平成24年 10年間 4,000万円 1.0%
平成25年 10年間 3,000万円 1.0%

なお、
所得税から控除し切れないローン減税額は、
個人住民税からも控除できる制度を創設しました。


(2)ローンを組んでない住宅投資型減税

一定の
省エネ改修工事
又は
バリアフリー改修工事
を行なった場合、

一定の要件のもと
工事費用額200万円を限度に、
その10%、
最大控除可能額20万円
(一定の省エネ改修工事に限り、
太陽光発電装置設置の場合は
工事費300万円を限度に、
その10%、控除可能額30万円)
の減税措置が創設されました
(適用期限平成22年12月31日まで)。

また、
長期優良住宅の新築等をした場合に、
性能強化費用1,000万円を限度に、
その10%、最大控除可能額100万円
の減税措置を創設しました
(平成23年12月31日まで)。

なお、
これら投資型減税制度は、
(1)の住宅ローン減税を有する場合には、
選択適用となります。

また、
その年分の合計所得金額が
3,000万円を超える場合には
適用できませんし、
その他の要件にもご注意下さい。

平成21年度税制改正大綱  
平成20年12月12日
自由民主党


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所

2009年1月13日(火)


posted by 税理士西塚智裕 at 18:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 所得税

2009年01月09日

住民税の非課税枠は所得税とは違います〜パート等の給与収入

所得税で、
妻がパート勤務をして、
夫の扶養から外れないための給与収入の範囲は
103万円以下と聞いてますが・・・

よく、
妻が夫の扶養として
配偶者控除を受けるためには、
パート・アルバイト給与収入が
年間103万円までに抑えるように
働けばよいと聞きます。

ある奥さんが、
聞いたとおり勤務時間を調整して
年間給与収入が103万円丁度
になるように働きました。
これで税金対策は大丈夫と思っていました。

ところが、
翌年の5月になって、
市役所から納税通知書が奥さん宛てに届き、
個人住民税の納付書が同封されていました。

納得がいかないので市役所に問い合わせしたところ、個人住民税の非課税枠は103万円ではないことがわかりました。

住民税の非課税範囲は、
妻の給与収入が93万円〜100万円の間で、
自治体によって相違があります

【東京都23区の場合】

給与収入100万円(所得金額35万円)以下の場合
・・・所得割・均等割ともにかかりません。

給与収入100万円(所得金額35万円)を超えた場合
・・・均等割・所得割の両方がかかります。

【岩手県八戸市の場合】

給与収入93万円(所得金額28万円)を超え、
100万円(35万円)以下の場合
・・・均等割のみかかり所得割はかかりません。

給与収入100万円(所得金額35万円)を超えた場合
・・・東京都23区と同様です。


※ 所得割

所得割は、
課税所得に対して10%
(都道府県が4%、市区町村が6%)
です。

※ 均等割

均等割は、
所得に関係なく4000円
(都道府県が1000円、市区町村が3000円)
ですが、
均等割のかかりはじめる年収(所得)は、
上記のように93万円(28万円)超
〜100万円(35万円)の間で
自治体により相違があります。
傾向としては、
大都市圏のほうが
均等割の非課税限度額が
高くなっているようです。

※ 参考
■東京都主税局のホームページより
―住民税が課税されない範囲―
(本日現在)

所得割・均等割とも非課税となる場合
@生活保護法による生活扶助を受けている人
A障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合は、所得税法別表第5により年収204万4千円未満)の人
B前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の人
<東京都23区内の場合>
・控除対象配偶者又は扶養親族がある場合
35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+21万円
・控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合
35万円以下

所得割のみ非課税となる場合
前年中の総所得金額が区市町村の条例で定める額以下の人
・控除対象配偶者又は扶養親族がある場合
35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族数)+32万円
・控除対象配偶者及び扶養親族がいない場合
35万円以下

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(所得割の税率)
地方税法第35条  所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、100分の4の標準税率によって定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、1の率でなければならない。
(個人の均等割の税率)
地方税法第38条  個人の均等割の標準税率は、1000円とする。
(所得割の税率)
地方税法第314条の3  所得割の額は、課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に、100分の6の標準税率によって定める率を乗じて得た金額とする。この場合において、当該定める率は、1の率でなければならない。
(個人の均等割の税率)
地方税法第310条  個人の均等割の標準税率は、3000円とする。
(個人の均等割の税率の軽減)
地方税法第311条  市町村は、市町村民税の納税義務者が左の各号の1に該当する場合においては、その者に対して課する均等割の額を、当該市町村の条例の定めるところによって、軽減することができる。
一  均等割を納付する義務がある控除対象配偶者又は扶養親族
二  前号に掲げる者を2人以上有する者
(個人の市町村民税の非課税の範囲)
地方税法第295条  市町村は、次の各号のいずれかに該当する者に対しては市町村民税(第2号に該当する者にあっては、第328条の規定によって課する所得割(以下「分離課税に係る所得割」という。)を除く。)を課することができない。ただし、この法律の施行地に住所を有しない者については、この限りでない。
一  生活保護法 の規定による生活扶助を受けている者
二  障害者、未成年者、寡婦又は寡夫(これらの者の前年の合計所得金額が125万円を超える場合を除く。)


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税理士西塚事務所

2009年1月9日(金)



posted by 税理士西塚智裕 at 12:15| Comment(1) | TrackBack(2) | 所得税

2009年01月08日

譲渡所得税 〜 総合・分離、短期・長期

(1)譲渡所得は4分類

譲渡所得は、
個人が資産を譲渡した場合等に生じる所得です。
譲渡所得の計算をするには、

譲渡した資産の種類によって
「総合課税」と
「分離課税」に、

譲渡した資産を所有していた期間によって
「短期譲渡」と
「長期譲渡」

に分類する必要があります。


(2)総合課税と分離課税の分類

譲渡所得には、
給与所得や不動産所得などの他の所得と
合算して税額を計算する
「総合課税」(原則)となる譲渡所得と、
その譲渡所得単独で税額を計算する
「分離課税」(例外)
の譲渡所得があります。

分離課税となる譲渡所得
で身近なものには、
「土地や建物等の不動産の譲渡による所得」、
「株式や投資信託等の有価証券の譲渡による所得」
などがあります。


(3)短期と長期の分類

譲渡所得は、
譲渡した資産を所有していた期間に応じて、
短期譲渡所得と長期譲渡所得に分類されます。

短期譲渡所得は、
その資産を取得してから
5年以内に譲渡した場合の所得であり、

長期譲渡所得は、
5年を超える期間所有していた資産を譲渡
した場合の所得です。

なお、
不動産の譲渡の場合に限り、
譲渡した年の1月1日において
所有期間が5年を超えるかどうかで
短期と長期の判定をします。
また、
有価証券の譲渡所得には、
保有期間に応じた短期と長期の区分はありません。


(4)なぜ複雑な分類をするのか?

譲渡所得を
上記(1)のように分類するのは、
税額計算が異なるからです。

総合課税の譲渡所得からは
50万円の特別控除を引くことができます。
(短期と長期がある場合には、まず短期から控除します)

更に
総合課税の長期譲渡所得は、
所得を2分の1にした金額が
課税される金額になります。

総合課税の譲渡所得は
他の所得と合算した上で、
一般の所得税の累進税率が適用されます。

不動産の譲渡所得の税率(原則)は、

長期は
所得税15%地方税5%、

短期は
所得税30%地方税9%です。

有価証券の譲渡所得の税率は、
短期・長期の区分はありません。

上場株式の譲渡の税率は
現在所得税7%地方税3%、

非上場株式譲渡の税率は
所得税15%地方税5%です。

※参考

総合課税:譲渡所得の計算のしかた(国税庁HP)

分離課税:譲渡所得の計算のしかた(国税庁HP)

譲渡所得の対象となる資産と課税方法(国税庁HP)

長期譲渡所得の税額の計算(国税庁HP)

短期譲渡所得の税額の計算(国税庁HP)

※関連過去記事
上場株式等の配当課税
〜平成21年以降配当の税金が複雑に
2008年10月29日(水)



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2009年1月8日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:33| Comment(0) | TrackBack(2) | 所得税
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