2010年10月14日

消費税〜一括借上の場合の留意点

■居住用は非課税

Aさんは、
中規模のマンションを
1棟持っておりました。
中規模マンション1棟ですから、
年間の収入は1,000万円を越えておりましたが、
入居者はほとんどが
居住用として利用しておりますから、
その家賃収入については、
消費税は非課税ということで、
消費税の申告はしてまいりませんでした。

■一括借上げは要注意

しかし、管理も大変なので、
不動産会社に一括で
借り上げてもらうこととしました。
その3年後、
例年のように確定申告を済ませて
ホットしていたら、
税務署から消費税の申告がなされていない旨
の連絡が入ってきました。
Aさんはびっくりして
税務署にどうなっているのか談判に
行きました。


税務署の見解はこうです。

一括借上げは、不動産会社です。
不動産会社でも
その転貸先が居住用に限られていれば
良いのですが、
Aさんのケースの場合は
一括借上げの契約書に
そのような文言がありません。

消費税の
居住用の不動産収入の非課税の規定には、
「契約において、人の居住の用に供することが
明らかにされているものに限る」と明記
されておりますから
Aさんの場合は非課税収入とはなりません。


■消費税は忘れたころにやってくる。

しかしAさんは、
「去年も一昨年もそんな話は無かったのに、
何故今年になって急にそんな話が出てくるのか
と食い下がりました。」

「消費税は基準期間というものがあります。
それは2年前です。
2年前の課税売上が1,000万円を超えた場合に
課税事業者となります。
あなたの場合は2年前に一括借上げで、
課税売上が1,000万円を超えたので、
今年から課税事業者なのです」
ということでした。

Aさんは、泣く泣く
消費税の申告に応じ、
その足で不動産会社に行き
一括借上げの契約書を以下のように
直しました

「転貸は原則として居住用に限る。
居住用以外の用途で転貸する場合は、
Aさんの同意を必要とする。」


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年10月14日(木)

posted by 税理士西塚智裕 at 11:42| Comment(30) | TrackBack(1) | 消費税

2010年10月12日

個別消費税の取扱い

■個別消費税とは

消費税というと、
5%の消費税を思い浮かべますが、
消費税には
一般消費税と個別消費税といわれるものが
あります。

一般消費税は
普段私たちが買い物などの際に、
価格の5%を負担するいわゆる消費税です。
個別消費税は、
ある特定の物やサービスについてのみ
課税されるものです。
例えば、
今年10月から増税された
たばこ税や酒税・ガソリン税等です。

その取扱いは大きく二つに分類できます

個別消費税には、
一般消費税を課税する
対価の額に含めるものと
含めないものがあります。
要は
個別消費税に
更にいわゆる5%の消費税を課税するものと
しないものに分類できます。


@対価の額に含まれるもの

代表例が、
たばこ税、酒税、ガソリン税です。

これらの税金は本来、
製造者が納税義務者となって負担する
ことになっており、
この個別消費税は
製造原価の一部を構成することになります。
この個別消費税を含めた全体を課税標準として
5%消費税を課税しています。
本体価格と税金は
明確に区別されていません。
所謂二重課税と言われているものです。


A対価の額に含まれないもの

代表例は
ゴルフ場利用税、入湯税、軽油引取税です。
これらの税金は
その利用者が納税義務者となって負担
することになっており、
その利用明細書などにより、
本体価格と税金が
明確に区分されています。
この個別消費税は含めずに、
本体価格のみを課税標準として
5%消費税を課税しています。


■経理担当の方はご注意ください

接待交際で
ゴルフプレー代を計上する場合や、
トラックなどの燃料に
軽油を購入した場合などには、
これらの個別消費税が登場します。
これらは
5%消費税が課税されていませんから、
当然所謂
消費税の課税仕入れ(控除対象仕入税額)
の計算に含めることはできません。
特に軽油引取税は
金額も大きくなりますので、
消費税区分には十分ご注意ください。


※ 国税庁タックスアンサー No.6313 より

たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い

[平成22年4月1日現在法令等]

消費税の課税標準である
課税資産の譲渡等の対価の額には、
酒税、たばこ税、揮発油税、
石油石炭税、石油ガス税などが
含まれます。
これは、
酒税やたばこ税などの個別消費税は、
メーカーなどが納税義務者となって
負担する税金であり、
その販売価額の一部を構成しているので、
課税標準に含まれるとされている
ものです。

これに対して、
入湯税、ゴルフ場利用税、軽油引取税などは、
利用者などが納税義務者
となっているものですから、
その税額に相当する金額を
請求書や領収証等で
相手方に明らかにし、
預り金又は立替金等の科目で経理するなど
明確に区分している場合には、
課税資産の譲渡等の対価の額には
含まれないことになります。
なお、
その税額に相当する金額を
明確に区分していない場合には、
対価の額に含まれることになります。

(消基通10−1−11)

(個別消費税の取扱い)

法第28条第1項《課税標準》に規定する
課税資産の譲渡等の対価の額には、
酒税、たばこ税、揮発油税、
石油石炭税、石油ガス税等が含まれるが、
軽油引取税、ゴルフ場利用税及び入湯税は、
利用者等が納税義務者となっているのであるから
対価の額に含まれないことに留意する。
ただし、
その税額に相当する金額について
明確に区分されていない場合は、
対価の額に含むものとする。
(平12課消2−10、平15課消1−37により改正)



〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年10月12日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:27| Comment(32) | TrackBack(0) | 消費税

2010年09月02日

不動産(住宅)の貸付と消費税

住宅(居住用不動産)の
貸付の対価として受け渡しされる家賃収入には
消費税は課税されません。

消費税法では
住宅の貸付の定義を次のように定めています。
「住宅とは、人の居住の用に供する部分をいい、
一戸建ての住宅のほかマンション、アパート、
社宅、寮なども含む。」

また貸付とは
「契約において人の居住の用に供することが
あきらかなものに限り、
一時的に使用される場合は除く」
としています。

つまり、
居住用不動産の貸付であって、
貸付期間が1ヶ月以上であれば、
消費税は非課税ということになりますが、
一括借り上げや
ウィークリーマンション、
リゾートマンションの場合は
注意が必要です。


(1)一括借り上げの場合の注意点

マンションを不動産管理会社などに
一括で借り上げてもらう場合には、
注意が必要です。 

消費税法では、
非課税の要件として、
「契約において人の居住の用に供することが
あきらかなものに限る」
としているので、
マンションを一括借上により
不動産管理会社へ賃貸した場合には、
賃貸契約書に
『住宅用の貸付けとして転貸する』
という旨を明確に記載しておくことが
必要です。
そうすれば、
居住用不動産の貸付に該当することになり、
消費税は非課税ということになります。

(2)住宅の貸付であっても、非課税にならないもの

住宅の貸付であっても、
下記@とAは非課税になりません。

@貸付期間が1ヶ月未満の貸付の場合。

例えば、ウィークリーマンションの家賃収入は
居住用でも、貸付期間が1ヶ月未満なので、
消費税は課税となります。

A
旅館業法第2条第1項に規定する旅館業にかかる
施設の貸付に該当する場合。

旅館業とは、
ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業
をいいます。
例えば、リゾートマンションや貸し別荘は
旅館業に該当しますので、
貸付期間が1ヶ月以上であっても、
消費税は課税されます。

消費税法基本通達6−13−7 
(転貸する場合の取扱い)
住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、当該賃貸借に係る契約において、賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合には、当該住宅用の建物の貸付けは、住宅の貸付けに含まれるのであるから留意する。
(注) この場合において、賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する

※参考

消費税法施行令 第16条の2
(住宅の貸付けから除外される場合)
法別表第1第13号に規定する政令で定める場合は、
同号に規定する住宅の貸付けに係る期間が
1月に満たない場合及び当該貸付けが旅館業法
(昭和23年法律第138号)第2条第1項 (定義)
に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合
とする。

地代、家賃や権利金、敷金など(国税庁)

建物を転貸する場合(国税庁)


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年9月2日(木)

posted by 税理士西塚智裕 at 12:22| Comment(1) | TrackBack(1) | 消費税

2010年06月24日

消費税還付〜マンション節税のホントの問題

消費税の原則課税方式の場合、
課税売上に係る消費税よりも
仕入れに係る消費税の方が多いときは、
その差額は還付されます。
また、
課税売上割合が95%以上の場合、
仕入れに係る消費税は全額還付されます。

この法律の規定をもとに、
賃貸マンション建設に係る
多額の消費税還付を受けるという節税が
行われていましたが、
本年の税制改正により封じられました。


■改正の概要

免税事業者が
課税事業者の適用を選択し、
2年間の強制適用期間中に
1取引単位税抜き100万円以上の
固定資産を取得した場合、
その取得のあった課税期間を含む3年間は、
引き続き事業者免税点制度を
適用できないとされ、
その期間は簡易課税制度の適用も
受けられないことと
されました。
もともと、3年目に
平均課税売上割合による調整が行われ、
1年目に還付された消費税の
納税が生じるのが法の予定するところですが、
簡易課税制度の選択
または3年目に免税事業者に戻ることにより、
その納税を免れていました。

この行為を封じようという趣旨です。

しかし、
このことは、本質的な問題ではありません。


■ホントの問題とは

消費税は、各取引段階で課税され、
最終的に消費者に転嫁されることを
予定しています。
そのため、
各段階での税の累積を排除するため、
売上に係る消費税から
仕入れに係る消費税を控除して納税する
前段階税額控除法が採用されています。

つまり、
消費者に転嫁できないものについては、
対応する仕入税額を還付するのが
理にかなっています。
還付しなければ、
その事業者が負担することになるか、
価格に上乗せせざるをえないので、
マンション節税は節税ではなく、
当然の権利だったとも言えます。

したがって、例えば、
輸出取引のように
非課税取引ではなくゼロ税率とするか、
軽減税率を適用するかなどで
仕入税額を控除・還付できるような制度に
改めるべきでしょう。

政府は、
安易な増税論議や
税収面のみに囚われるのではなく、
もっと税制の本質的な問題に
取り組んでほしいものです。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年6月24日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税

2010年05月12日

相続と消費税

■被相続人の申告の承継

課税事業者である個人事業者が
課税期間の中途で死亡した場合、
その相続人は、
相続開始を知ってから4か月以内に、
被相続人の消費税に係る準確定申告書を
被相続人の納税地の所轄税務署に
提出しなければなりません。


■相続人の免税課税判定

免税事業者である相続人が、
課税事業者である被相続人
の事業を承継したときの免税・課税の判定は、

次の通りです。


相続があった日の翌日から年末までの期間
については 課税事業者


相続年の翌年又は翌々年については、
それぞれの年の基準期間の
相続人と被相続人の課税売上高の合計が
1000万円を超えていれば課税事業者


■相続人の簡易課税判定

簡易課税適用中の相続人が、
簡易課税不適用の被相続人
の事業を承継したときの
簡易課税適用の判定では、

基準期間の課税売上高に
被相続人の課税売上高を
合算することにはなっていません。

免税・課税の判定と異なり、

被相続人の基準期間の課税売上高が
5000万円をはるかに超えていても、
それは
相続人の簡易課税適用の判定には
影響を及ぼしません。


■非課税事業の相続の場合

貸地やアパートなどの
非課税事業の相続があったところで、

相続人が新たに課税事業を始めるとした場合、
その課税事業開始日の属する課税期間に
「消費税課税事業者選択届出書」
を提出した場合には、
翌期からではなく、
その課税期間から届出の効力が生じます。

なお、これは
相続の場合の特例ではなく、
非課税資産の譲渡を行っていた事業者が、
新たに課税資産の譲渡等に係る事業
を開始したときの一般的規定です。


■課税選択があった場合

そもそも、
被相続人が提出していた
「課税事業者選択届出書」の効力は、
事業を承継した相続人には及びません。

したがって、
相続人が課税事業者を選択する場合は、

新たに「課税事業者選択届出書」を提出する必要
があり、

相続のあった日の属する課税期間中に
届出書を提出すれば
その課税期間から課税事業者になることが
できます。

なお、これは、
「課税期間特例選択届出書」
及び「簡易課税制度選択届出書」についても
同様です。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年5月12日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 10:52| Comment(0) | TrackBack(1) | 消費税

2010年01月13日

平成22年度税制改正大綱〜消費税改正

平成22年度の予算総額に対する
国債依存はなんと44兆円です。
消費税引き上げの議論は、
次期衆議院選まで
避けて通れるかどうか、
難しい状況です。

第4回目は、消費税です。
改正項目は、少なく、
特殊な取引に係わるものだけですが、
1つだけ、
大きな影響のある改正が
なされました。

それは、会計検査院が指摘し、
新聞紙上等でも話題になった、
「賃貸建物引渡し時の
自販機等の設置による、消費税額の還付」
を大幅に縮減させる改正です。


(1)事業者免税点制度の適用の見直し

消費税法では、
調整対象固定資産
(固定資産のうち消費税抜きで
1単位100万円以上のもの)を取得した場合、
これについて
3年目に一定の方法で
仕入控除税額を調整する
ことになっています。

そこで、改正案は、

@
免税事業者が
課税事業者を選択した場合には、
2年間の強制適用期間中に、
調整固定資産を取得した場合には、
当該取得があった課税期間を含む3年間は、
引続き課税事業者の適用を
強制することとしました。

これにより、
3年間の通算課税売上割合が
消費税還付をした
当初の課税期間の課税売上割合より、
著しく減少していれば、
還付した消費税額は
国庫に返還しなければなりません。

正確には、
3年目の課税期間の仕入税額から控除、
控除しきれないときは
課税資産の譲渡等に係る消費税額に加算して
消費税額を納付します。

なお、
著しく減少した場合とは、
減少割合が
当初の課税売上割合に占める割合の50%以上、
かつ、
減少割合の差額が5%以上である場合
をいいます。

また、
A
調整対象固定資産を取得した場合の
3年間の課税事業者の強制適用は、
資本金1,000万円以上の新設法人についても、
適用されます。

上記の改正は、

@は、
平成22年4月1日以後に
課税事業者選択届出書を提出した事業者の
同日以後開始する課税期間から適用され、

Aは
同日以後設立された法人から

適用されます。


(2)簡易課税制度の適用の見直し

上記の3年間の課税売上割合による
仕入控除税額の調整は、
簡易課税適用事業者には適用されません。

そこで、
課税事業者強制適用の3年間は、
簡易課税制度の適用が
受けられないことにしました。

こんな小手先の改正ではなく、
もっと、
消費税の本質的な議論がなされるべき
ものと思います。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2010年1月13日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税

2009年12月10日

民主党「政策集 INDEX 2009」〜消費税改革

民主党の消費税改革プランは
その使用目的の特定化について以外、
内容は当面なにもしない、
ということのように思われます。

消費税改革スケジュール

1.
消費税率アップは当面予定しない。

2.
現行5%相当分は年金財源に充当し、
全ての人が7万円以上の
「最低保障年金」を受け取れるようにする。

3.
インボイス制度を早急に導入すること。

4.
消費税不正還付に係わる調査機能を強化。

5.
消費税を社会保障目的税にする。

6.
将来の税率変更は
社会保障制度の内容にリンクさせる。

7.
税率変更は国民の審判を受けて行う。

8.
消費税の逆進性対策として、
給付付き消費税額控除を導入する。

9.
個別間接税は速やかに整理し
消費税に一本化する。


■インボイスとは

インボイスとは
仕入税額控除の際に
税額を明示した請求書等のことで、
税額明示を徹底させること、
内税方式会計処理を廃すること、
消費税納税を免除されている
小規模事業者や非事業者個人身分を
常時開示することが
要求されることになります。

しかし、
取引相手が記載した
明示税額の信憑性の確保として
納税義務者身分の確認をすることなど
限りなく困難です。

早急導入で
消費者の負担した消費税の
適正納税を確保するとはいうものの、
不適正額がどれほどあり、
インボイス制度によりどれほどの
民間事務コストが増えるか、
検証しているようには見えません。

わずかな税差の解消に
膨大な民間負担を強いることになるのを
理解してないように思われます。


■不正還付対策の強化?

不正還付とは何か、不明ですが、
非課税消費税のもつ
事業者泣かせの不合理に
テクニカルに対応していることへの対策なら、
詳説は別項に譲らざるをえませんが、
本末転倒と言わねばなりません。


■不透明な未来形

専門家筋からみれば、
インボイス制度の早急導入は
複数税率制の早期導入を意味する
という理解になるところ、
必ずしもそうではなさそうです。

個別間接税の消費税化も
複数税率化の複線にみえますが、
複数税率化は
逆進性対策のために採られる方策なので、
同じ逆進性対策の
給付付き消費税額控除の
所得税への導入プランとは矛盾します。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年12月10日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税

2009年09月29日

消費税非課税〜医師会の改正要望

■非課税はありがた迷惑


日本医師会は
平成22年度税制改正要望で、
社会保険診療報酬等に対する
消費税の非課税制度を
ゼロ税率ないし軽減税率
とすることを求めています。

社会保険診療報酬等
に対する消費税は非課税
とされているため、
医療機関の仕入れに係る消費税額

すなわち、
医薬品・医療材料・医療器具等
の消費税額、
病院用建物等の取得や
業務委託に係る消費税額
など

のうち、

社会保険診療報酬等
に対応する部分は
仕入税額控除が適用されず、
還付等もされないことは、
不合理と指摘しています。

そして、
ゼロ税率ないし軽減税率になれば、
一切の
消費税非課税に関する不合理を
解消できるとしています。


■医師会だけではない

国は、
消費税を課税するとしている
課税売上に係る消費税の総額
を税収とすればよい
のにもかかわらず、
非課税と定めた売上に係る
前段階仮納付消費税を
収納したまま還付しません。
非課税売上に係る消費税が
国に仮納付されたまま
であることは不合理なことです。

医師会は
これを指摘するのですが、
不合理からの救済を
医師会だけの問題としています。

しかし、この不合理には
介護サービスや住宅貸付ほか
多くの非課税事業者が
被害を受けているのですから、
医師会だけの主張にすべきではありません。


■医師会は配慮されていた

消費税導入の際や
その後の(3%→5%)税率引上げ
の際において、
還付されない消費税相当分を考慮して
社会保険診療報酬の値上げが
されています。

確かに、
医療機器、病院用建物等の
取得の際に負担する消費税は
多額になるため、
配慮が不十分であることの主張に
誤りはありません。

他の中小零細の非課税事業者は
そのような仕入税額控除不適用分を
売上代金に転嫁できる制度的恩恵
を受けることなどできず、
泣き寝入りしているだけなのですから、
このような非課税事業者の声も
代弁した主張にしてほしい
ところです。


■医師会のあとに続くべき

医師会の主張を嚆矢と捉えれば、
他の非課税事業者に係る業界団体も
同様な主張をすべきです。
努力しなければ報われません。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年9月29日(火)
posted by 税理士西塚智裕 at 11:12| Comment(3) | TrackBack(0) | 消費税

2009年09月04日

非課税消費税の問題

■消費税は消費者が負担する構造

1.
消費税は消費者が負担します。

2.
消費者の負担する消費税額の総額が
国の収納する消費税額の総額のはずです。

3.
消費者に物やサービスが届く前の段階で
事業者によって納められる
消費税額がありますが、
これは最終消費者の負担する消費税額が
国に収納される際に控除されることによって、
重複収納にならないようになっています。


■消費者が負担しない納付消費税がある

4.
国が収納する消費税額の総額は、
消費者の負担する消費税額の総額、
すなわち
課税物件に係る消費税額の
総額でよいはずなので、
法が消費税を課さないものとしている
非課税物件に係る消費税が
1円たりとも国に収納されるということは
あってはいけないはずです。

5.
非課税物件についても、
ほとんどの場合、消費者の手に届く前の
長い過程で既に事業者によって
仮に納められている
前段階消費税が累積されてきており、
重複収納排除をする必要が
あるはずです。

6.
この重複収納排除をしないと、
消費者が負担しなかった消費税が
国に収納されたままになり、
国の消費税収入の総額は
課税物件にかかる消費税、
即ち消費者の負担した消費税総額を
超えることになります。

しかし、
これが現実の制度で、
国は消費税の重複収納の調整を
拒否しています。


■重複して収納される消費税の問題

7.
非課税売上と言えど、
事業者は最終消費者ではないので、
前段階消費税を負担すべき
いわれはありません。
前段階消費税は、
前々段階事業者を経由して
当該事業者が国に仮納付した消費税です。
自分が仮納付した消費税の
返却をうけることは、
非課税の本旨に沿っています。
企業は消費税をただ預かって
国に納付するだけの
法的社会的責任を持つに過ぎない
のです。

8.
ある非課税売上に係る課税仕入が
800+40だとして、
付加価値が200だとすると、
非課税売上に前段階消費税40を転化して
1040の代金とすることになり、
仕入税額控除は0です。
もし、
これが非課税でなく1%の
低率課税だとすると、
税込み売上代金は1010となり、
仕入税額控除は40となります。
非課税の方が高い対価となり、
課税の方が安い対価となります。
つまり、
非課税売上げに係る仕入税額控除を否定すると、
当たり前の経済取引に
不都合を生み出すのです。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年9月4日(金)


posted by 税理士西塚智裕 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税

2009年09月03日

保険料と保険手数料の消費税

消費税の構造

消費税は、
事業者が売上等で預かった消費税
から、
仕入や経費等で支払った消費税
を引いて
残りを国に納付することとなって
います。
要するに、消費税は
消費者から預かった分が
最終的には国に納付される
と言う仕組みです。


保険料

保険料は
万が一の時に「保険金」を支払うという
役務の提供を受ける為の金銭の支払ですから、
基本的に課税取引となります。
しかし保険料は、
特別に非課税とすると規定されている為、
非課税取引とされます。

保険手数料

保険手数料は
『「保険料」を支払うという契約を結ぶ』
営業活動に対する手数料です。
所謂、保険代理店の売上ですので
課税取引とされております。


保険手数料は保険料の一部では?

しかし通常は
保険料と保険手数料は区分されてなく、
一括して保険料として
支払われております。
このような場合は、
その全てが非課税と規定されておりますので、
すべて非課税とされます。


保険代理店収入は課税

保険会社から保険手数料として支払われる
保険代理店の収入は、
課税取引として消費税が
かかってきております。


消費税は構造的に二重取りを生む

ということは、
保険会社は通常
保険手数料も合わせて、
保険料として徴収しておりますから、
保険手数料にかかる消費税も
保険料として徴収していることになります。
課税事業者が
保険料に含めて払った消費税は
払った課税事業者からは引けず、
保険代理店の手数料収入には
消費税が課税されていますから、
国としては二重取りとなっています。
非課税取引がある場合は、
往々にしてこの二重取りが発生しています。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年9月3日(木)


posted by 税理士西塚智裕 at 10:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 消費税

2009年07月27日

個人所有の建物を売却した場合の消費税の取扱い

会社などの
法人が所有していた建物を
売却した場合は、
すべて
消費税の課税対象
となりますが、

個人の場合はどうでしょうか?

個人の場合、
売却建物の用途によっては
消費税の課税対象に
ならないケースがあります。

なお、
法人は前々期、
個人は前々年
の課税売上高が1千万円以下の場合は
消費税の納税義務が免除されています。


■個人が居住用の建物を売却した場合

消費税において
課税対象となるのは、

国内において
事業者が事業として
対価を得て行う
資産の譲渡等

されますので、

事業者でない個人が、
事業とは関係ない
居住用建物を売却した場合は、
消費税の課税対象とは
なりません。


■個人が別荘用の建物を売却した場合

個人が
事業とは関係ない
別荘を売却しても、
消費税の課税対象とは
なりません。


■個人が賃貸住宅用の建物を売却した場合

その物件が
住宅の賃貸用である場合、
家賃収入には
消費税がかかりません。
そのため、
その物件を売却しても
非課税と思いがちですが、
そうではありません。

住宅用に貸付けていた建物は、
事業として使用していたもの
であるため
消費税の課税対象になります。


■個人が賃貸事務所・
店舗・工場用の建物を
売却した場合

これらの賃貸収入には
消費税が課税されていますので、
売却収入が
消費税の課税対象になることに
違和感がないと思います。


■まとめ

@
資産をどういう目的で売却するかは、
消費税の課税に関係ありません

個人の
生活用家財を購入するために
事業用資産である建物や
自動車などを売却しても
消費税の課税対象になります。
逆に、
事業資金を捻出するために
個人資産を売却しても
消費税の課税対象にはなりません。

A
売却資産の用途で判定する
ことになります

個人の場合は、
その建物を
事業として使用していたものだけ

課税対象となります。

税務上、この
「事業として」とは、
対価を得て行われる資産の譲渡
及び貸付け並びに役務の提供が
反復、継続、独立して行われること
をいうとされています。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年7月27日(月)

posted by 税理士西塚智裕 at 12:41| Comment(1) | TrackBack(1) | 消費税

2009年04月22日

世帯あたりの消費税負担額など

■世帯あたり平均消費税額

2008年の
年間消費税負担額の
1世帯あたり平均は
17万5000円だそうです。

1世帯あたり平均収入は719万円、
1世帯あたり平均消費支出は482万円、
うち課税消費支出は368万円
と報告されています。

報告とは、
日本生協連
「2008年全国生計費調査」
「2008年消費税しらべ」速報
のことです。

世帯主平均年齢は51.3歳、
平均家族人数は3.4人で、
全体の
76.2%が給与所得世帯、
21.8%が年金世帯、
2.0%が自営業世帯です。

生協組合員が
中流層で構成されていること
を伺わせます。


■報告の2008年の特徴

1.
給与所得世帯の収入は、
前年比99.3%と微減で、
月平均5,000 円の減少です。

2.
消費支出はほぼ前年並みで、
灯油やガソリンの
価格変動があったものの、
大きな影響を受けていません。

3.
給与所得世帯の税金の合計は、
2007 年の住民税率変更
(定率減税の廃止・税率変更)
の影響から、
前年比107.3%と著増で、
月平均約4,000円の増加です。

4.
「後期高齢者医療制度」の
影響をうける年金世帯の
社会保険料の合計は、
前年比99.4%で月平均150 円と、
微減です。


■過去10年間の推移

消費税が
1997年に5%になって以後は、

消費税負担額が
17.3万円〜19.3万円、

収入に占める割合が
2.23%〜2.43%、

消費支出に占める割合が
3.24%〜3.64%、

大きな変動はなく、
同じような水準で推移
しています。

消費税が
極めて安定的な税収であること
を物語っています。


■所得階層別消費税負担

2008年の
1世帯あたり年間消費税額を
所得階層別にみると、
負担額は、

年収「1000万円以上」の世帯で
28万3000円、

「400万円未満」の世帯で
10万3000円と

2.75倍となっていますが、

年収に占める負担割合では、

「400万円未満」の世帯で3.39%と高く、
「1000万円以上」世帯の2.21%の
1.5倍の負担率となっています。

消費税が
消費額比例課税であることから、
社会参加費的応益課税としては
ふさわしい側面をもちつつ、
年収に占める負担割合は、
低収入世帯ほど負担率が高いという、
所得逆進性をしめすことになる、
ということを示しています。


〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2009年4月22日(水)
posted by 税理士西塚智裕 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税

2008年12月12日

消費税の中間申告

「中間」申告と言っても、6か月とは限りません。
意外に複雑な消費税の中間申告。。


(1)中間申告が必要な事業者

消費税の課税期間が3か月を超える課税事業者は、
直前期の確定消費税額の金額次第で、
消費税の中間申告を行う必要があります。


(2)中間申告の回数と税額

@直前期の消費税額が年額48万円以下
(地方消費税を含めると60万円以下)の場合

 →中間申告の義務はありません。

A直前期の消費税額が年額48万円超400万円以下
(地方消費税を含めると60万円超500万円以下)の場合

 →中間申告の義務あり。

課税期間の6か月を経過した日から2か月以内に
直前期の6か月相当分の税額によって(※)
中間申告・納付を行います。

B直前期の消費税額が年額400万円超4,800万円以下
(地方消費税を含めると500万円超6,000万円以下)の場合
 →中間申告の義務あり。

課税期間開始の日以後の3か月を経過した日
から2か月以内に直前期の3か月相当分の税額
によって(※)中間申告・納付を行い、
以後3か月ごとに年間3回の中間申告・納付を行います。

C直前期の消費税額が年額4,800万円超
(地方消費税を含めると6,000万円超)の場合

 →直前期の1か月相当分の税額によって(※)
年間11回の中間申告・納付を行います。
申告・納付期限については、
原則は各課税期間の末日から2か月以内ですが、
次の期間については原則とは違う期限になっています。

法人の場合の1月目は
課税期間開始の日から2か月を経過した日の2か月以内
(1月目と2月目の期限は同じになります。)

個人事業主の場合の1月分、2月分の
中間申告・納付期限は、5月31日
(1月〜3月までは、各月の中間申告・納付期限が
同じになります。)


(3)中間申告をしなかった場合

中間申告書を提出すべき事業者が、
提出期限までに中間申告書を提出しなかった場合には、
提出期限において、直前課税期間の実績の税額により
中間申告があったものとされます。


(※)中間申告税額は、
直前課税期間の確定税額に基づかないで、
その中間申告の対象期間を1課税期間とみなして、
仮決算により計算することも認められます。

〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

2008年12月12日(金)


posted by 税理士西塚智裕 at 13:04| Comment(1) | TrackBack(2) | 消費税

2008年11月19日

消費税の会計処理〜税込経理と税抜経理。損得あるの?

■ 選択はいつでも任意

消費税の経理処理としては、

税込経理 と

税抜経理

どちらの方式を選択してもよいことになっています。

そして、

どちらの方法を選んでも
年間に納付すべき消費税の金額は
同じになります。

また、

税込経理でも、
期末で確定する消費税の額を未払金として計上すると、
税抜経理の時の会計上の利益の額と、
基本的には同じになりますので、
損得はありません。

ただし、

税込経理、税抜経理に
それぞれメリット・デメリットがあります。

例えば税込経理では・・・

●交際費損金不算入額が大きくなり不利。

●償却資産税の課税標準が大きくなり、
税額も増加するので不利。

●少額減価償却資産等の
30万円(または20or10万円)未満の判定では不利。

●特別償却や税額控除の判定では
×××万円以上という要件が多いので有利。

●売上金額を大きく見せるのに有利。

●経理処理方法が簡便なので有利。

●控除対象外消費税が生じないので、
その知識が不要につき有利(簡単)。


■ 損得が著しいケースとは


高額な資産、
たとえばマンション一棟買いをした場合などを
想定してみましょう。

税込価格10億5千万円で取得、
減価償却計算の基準となる建物の耐用年数を50年
とします。

<税込経理の場合>

建物10億5000万円 /現金10億5000万円
未収金5000万円 /還付消費税5000万円
減価償却費2100万円/建物2100万円

<税抜経理の場合>
建物10億円 /現金10億5000万円
仮払消費税5000万円 /
減価償却費2000万円 /建物2000万円

減価償却費と還付消費税を考えると

税込経理の場合、
消費税還付金5千万円が収益として処理され、
法人税・所得税計算上、課税所得となります。
逆に、減価償却費が増えて、
当初の課税を後の耐用年数期間で取り戻していきます。
長期的には損得ないことになりますが、
金利的・資金計画的には明らかに損です。

高級絵画を購入した場合を想定すると、
絵画は減価償却できませんから、
売却するまで消費税部分は費用にならず、
売却がないとすると、永久に取り戻せません。


国税庁HP
消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて


2008年11月19日(水)

〒104-0061  東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル304
税理士西塚事務所   TEL03-6226-5140

posted by 税理士西塚智裕 at 11:32| Comment(20) | TrackBack(0) | 消費税
当事務所へのお問合せは、
税理士西塚事務所
TEL : 03-6226-5140
ウェブサイトURL:http://www16.ocn.ne.jp/~nisizuka/
メールアドレス:nishizuka@nishizukajimusho.com