2009年02月25日

延滞税、無申告加算税、不納付加算税

■税制を担保するためのペナルティ

納税者が
税法に従って税額を計算し
申告することで
納税額が確定する納税方式のことを
申告納税方式といい、
法人税、所得税、相続税など
国税の主なものが
この方式によっています。

申告納税方式では
納税者が期日まで
に正しく申告することが大前提
となりますので、
期日までに申告がなされなかった、
納税が遅れた、
その他の場合に
それ相応の
ペナルティーが課されます。


■申告に加算税、納税に延滞税

申告が
法定申告期限までに
なされなかった場合の
ペナルティーに相当するものが
無申告加算税です。

原則として
納付すべき税額の15%ですので、
本税が多額の場合には
極めて重いものとなります。

逆に
本税がゼロであれば
金額的には痛くも痒くもありません。

納税が遅れた場合のペナルティーが
延滞税です。
こちらは原則として
年14.6%と
金利としてはベラボウですが
日割り計算ですので
数日の遅れであれば
大きな痛手にはならないでしょう
(短期間であれば4%程度になります)。



■源泉税はダブルパンチ

源泉所得税を
正当な理由なく
期限までに納付しなかった
ときにかかるのが
不納付加算税です。

納税の告知がある前に
納付すれば5%
ですみますが、

そうでなければ本税の10%で、
滞納日数に応じた延滞税との
ダブルパンチになります。

源泉所得税は
納付書が申告書も兼ねています。

納税資金がないから
せめて申告書だけでも提出して
加算税を逃れよう
ということができません。

源泉税の納付書を
電子申告で提出することが
できるようにはなりましが、
そもそも
「不納付」に対する加算税なので
納付書だけ送れたところで
効果はないようです。


※ 参考

源泉所得税の不納付加算税の取扱いについて
(国税庁)


No.9205 延滞税について(国税庁)

No.2024 確定申告を忘れたとき(国税庁)


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2009年2月25日(水)

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2009年02月17日

たばこと税金

たばこと罰金

たばこの罰金としては、
まず、
たばこが専売制度になっていることから、
その密造密売を
取り締まることのための刑罰
としてのものがあります。
罰金のみならず、懲役刑も存在します。
それに対し、
最近は喫煙の仕方についての罰金も
できています。
路上喫煙禁止条例・
歩きたばこ禁止条例
です。
全国の50近い市町村に存在します。

シンガポールは
たばこ喫煙に昔から厳しいので有名
でしたが、
今ではさらに、
国内へのたばこの持込みでは、
たばこ1本から課税対象としており、
空港等の税関で無申告通過すると
ただちに、40万円近い罰金を
徴収されます。


たばこ専売

日本でのたばこの製造は
日本たばこ産業 (JT) のみ
が行っており、
葉タバコの栽培は
たばこ事業法の定めによって、
JTと契約した農家だけが
原料用として栽培することができ、
契約農家には種子が
無償で配付されます。
また、
たばこ事業法は
原料として使用できないものを除き、
農家が売り渡す葉タバコ全量の購入を
JTに義務づけています。


たばこと税金

たばこの料金の過半が税金なのは
なんとなく想像ついているのでは
ないでしょうか。
1箱300円の場合、
63.1%の189.17円が税金だと
JTのホームページにあります。
たばこが健康に悪いと
言われ続けながら、
国や地方の大きな税収となっているので、
たばこ税の増税は
常に税収を維持することを配慮しつつ
なされているようです。
平成年間で
耕作面積が6割に減っている
にも拘わらず、
2.2兆円余の税収は維持され続けている
ことをみると、
禁煙者をほどほどに増やしつつ、
喫煙継続者に
少しずつ負担の過重を強いている、
ということです。


誰がいつ納税する?

たばこ諸税は
間接税なので、
喫煙者が税金を実質負担するものの、
納税はしません。

たばこ税とたばこ特別税は国税で、
たばこ税法及び財源確保特措法に
JTを納税義務者とし
出荷時に課税
と書かれており、
都道府県税、市町村税としての
たばこ税は地方税法に、
小売店のたばこ屋さんが納税義務者で、
仕入時に課税と書かれています。


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2009年2月17日(火)


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2009年02月13日

延滞税とは

平成20年分の
確定申告の法定申告期限は
平成21年3月16日です。
期限は必ず守るようにしましょう。
ただし、
遅れてしまった場合でも、
「期限後申告」はできますが、
申告の結果が納税の場合は、
本税と

無申告加算税

のほかに

延滞税

が課されてしまいますので
ご注意ください。


(1)延滞税とは

延滞税とは
国税の一部又は全部を
法定納期限までに
完納しなかった場合に
課される附帯税を言い、
例えば下記のような場合に
課されてしまいます。

@
期限内申告したが、
法定納期限までに税金を完納しなかった場合。

A
期限後申告書
又は修正申告書を
提出した場合で
納付税額が生じた場合。


(2)二つの納期限

納税の期限は、

@期限内申告の場合

A期限後申告の場合
とで異なります。

@
期限内申告の場合は
法定納期限【法定納期限とは
国税に関する法律の規定により
国税を納付すべき期限をいい、
原則として法定申告期限
(平成20年分所得税は平成21年3月16日)
と同一の日となります。】

A
期限後申告
又は
修正申告の場合は
申告書を提出した日が納期限


(3)延滞税の利率

延滞税は
原則として、
未納税額に対し
法定納期限の翌日から
納期限後2ヶ月まで
の期間は「年7.3%」
又は
「前年の11月30日の公定歩合+4%」
のいずれか低い割合が適用され、

その後の期間は
14.6%の割合
が適用されます。


(4)延滞税は1年が限度

しかし、
税務調査の早い遅いによって、
期限後申告や修正申告の提出時期が異なる
ということによって、
延滞税の額に
あまりに多額の差がでることは、
公平の観点から問題なしとしない、
という理由で
期限後申告や
修正申告の場合の
延滞税の計算期間は、
たとえ5年後の申告であったとしても
1年を限度とすることになっています。

なお、
偽り不正の脱税類似の行為による
修正申告書や更正処分に限っては、
1年を限度とする特例の適用は
ありません。


延滞税について(国税庁HP)

●申告納税方式による国税等の納付
(国税通則法第35条)
1 期限内申告書を提出した者は、国税に関する法律に定めるところにより、当該申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に相当する国税をその法定納期限までに国に納付しなければならない
2 次の各号に掲げる金額に相当する国税の納税者は、その国税を当該各号に掲げる日までに国に納付しなければならない。
期限後申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額又は修正申告書に記載した第19条第4項第3号(修正申告により納付すべき税額) に掲げる金額はその期限後申告書又は修正申告書を提出した日

●延滞税 (国税通則法第60条)
1 納税者は、次の各号の一に該当するときは、延滞税を納付しなければならない。
@期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。
A期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第25条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第35条第2項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき国税があるとき。
B 納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第5号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く)をその法定納期限後に納付するとき。
C 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。
D 源泉徴収による国税をその法定納期限までに完納しないとき。
2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であったことにより納付すべきこととなった国税、輸入の許可を受けて保税地域から引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第17条第3項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付)の規定により納付すべき石油石炭税を除く。)その他政令で定める国税については、政令で定める日)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年14・6パーセントの割合を乗じて計算した額とする。ただし、納期限(延納又は物納の許可の取消しがあった場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項並びに第63条第1項、第4項及び第5項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間又は納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年7・3パーセントの割合を乗じて計算した金額とする。
国税通則法61条に計算期間は1年を限度とする規定がありますが、紙面の都合上割愛します。

●延滞税の割合の特例 (措法第94条)
1国税通則法第60条第2項に規定する延滞税の年7・3パーセントの割合は、同項の規定にかかわらず、各年の特例基準割合が年7・3パーセントの割合に満たない場合には、その年(次項において「特例基準割合適用年」という。)中においては、当該特例基準割合(当該特例基準割合に〇・1パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)とする。



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2009年2月13日(金)

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2008年12月28日

税務の期限〜行政休日との関係など

■行政機関の休日

「行政機関の休日に関する法律」
というのがあります。全2条です。

ここで、

@日曜日、
A土曜日 、
B「国民の祝日に関する法律」に定める休日、
Cおよび12月29日から翌年の1月3日まで

を行政機関の「休日」
としています。

これらの日には、原則として
窓口業務は行われませんが、
業務の遂行を禁じているわけではないので、
開庁日となることもあります。

自治体も、だいたいこれと同じですが、
戸籍事務取扱準則により、
死亡・婚姻・離婚・離縁・認知・縁組
といった戸籍の届出は
1年365日24時間受け付けることになっています。


■税務における期限の特例

税務における期限の特例に関しては、
国税通則法に定めがあり、

日曜日、
土曜日、
「国民の祝日に関する法律」に定める休日、
その他一般の休日
又は12月29日、30日、31日
に当たるときは、
これらの日の翌日をもって期限とみなす、
としています。

1月1日は祝日なので同じですが、
2日と3日は行政機関の窓口は休日なのに
納期限について特例日として記載がありません。
「行政機関の休日に関する法律」と
違いがあるように見えるところです。

ただし、
通達でこの部分について、
1月2日と3日は
「一般の休日」に該当する
との理由で明示がない旨の確認をしています。

それ故、

逆に年内の29日、30日、31日は
「一般の休日」に該当しないので、
明示規定が必要になります。

多くの企業が年末いっぱい仕事をしていますので。


■今年の場合は?

所得税の確定申告期間は
「翌年2月16日から3月15日まで」
と定められていますが、
平成20年分の申告期限は
日曜日に当たるので3月16日にずれます。

昨平成19年分の申告期限は
平成20年3月17日にずれていましたが、
その申告に関する更正の請求をできる期間は
法定申告期限から1年以内ですが、
平成21年3月17日ではなく、
3月16日です。

5年で時効の還付請求期限は、
5年前に確定所得申告書を提出して
還付請求すべき人だった場合、
平成21年2月15日が5年目の期限になります。
2月15日は日曜日ですが、
時効の期限には
順延のみなし特例の規定はありません。



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2008年11月27日

税金や社会保険の端数処理

■基本法がある

税金や社会保険料などの計算をするときの
端数処理については、
「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」
という基本法があります。

1円未満は切り捨てとの定めを置いています。
そして、
他の法律に優先する法規である旨を唱っています。


■税金は国税通則法でさらに詳しく

税金の場合は
国税通則法でさらに詳しく

1円未満切り捨ての後の金額について、
国税通則法にはさらに、
国税納付額の100円未満端数、又は全額が100円未満
(延滞税は1000円未満、加算税は5000円未満)
の時の全額を切り捨てる、との原則、
課税標準(税率を乗ずる前の金額)については1000円未満端数、
又は全額が1000円未満(附帯税は1万円未満)
の時の全額を切り捨てる、
との原則が定められています。

なお、地方税については国税準拠ですが、
地方税法に少し異なる定めもあります。


■社会保険の場合は

社会保険は、
会社と従業員で負担を折半するので、
折半時に端数がよく出ます。
社会保険の「標準報酬月額料額表」
をみると1円未満の端数が記載されています。
この折半端数は
官民の関係としての国との債権債務ではないので、
「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」
の範囲外になり切り捨てが強制されません。
こういう場合に適用されるのが
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」です。
これは民民の関係にも適用されます。
この法律は、1円未満を四捨五入と規定しています。
したがって、
社会保険料の折半後の負担額に1円未満があった場合は
四捨五入によって金額が確定されます。

■強硬法規ではない

なお、
折半額の端数が0.5円だった場合は、
両方で繰り上げとなり、
納付額が1円多いことになってしまうので、
その時は従業員負担側のみ切り捨てとする、
という行政案内が示されています。
これでわかるように、
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」は
強硬法規ではなく、任意の定めを優先としています。
1円未満はすべて会社負担と特約してもよい、
ということです。

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税理士西塚事務所

2008年11月27日(木)
posted by 税理士西塚智裕 at 13:12| Comment(1) | TrackBack(0) | その他税金

2008年11月24日

国税に関する組織

国税に関する組織

国の税金に関わる組織や仕事には、
どのようなものがあるのでしょうか。

■国税に関する組織と仕事

国の税金に関する行政の組織は、
大きく2つに分けることができます。

財務省の下に、

1.財務省主税局

2.国税庁

があります。

さらに、
国税庁の下には、
全国で11ある国税局と沖縄国税事務所があり、
さらにその下には、
524の税務署があります。


それぞれの役割は、次の通り。

財務省

・主税局(税法の立案)
 
税の法律や制度の企画・立案、租税収入の見積。

・国税庁(税法の執行)

税務行政を実際に行うための企画や立案を行い、
国税局や税務署を指導・監督。

・国税局・沖縄国税事務所(11局と1所)

税務署の事務運営を指導・監督するとともに、
特定の事務
(査察調査、大法人調査、大口滞納者の滞納整理など)
について、自らも賦課・徴収を行います。

・税務署(524署)

納税者からの相談に応じたり、
個人や法人の租税調査をするなど、
税金の賦課・徴収に関する事を行います。

posted by 税理士西塚智裕 at 03:57| Comment(1) | TrackBack(0) | その他税金
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